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フランス人女性の平均出産率は2人(=1.98人、2007年時点)で、ヨーロッパの他国の群を抜いてトップについています。保守的で伝統的な家族を大切にするといわれているお隣の国スペインやポルトガル、イタリア、ドイツは日本と同じく出生率が低くなっているというのに、逆を行くフランスはどうしたわけでしょう?
ただし、平均出産年齢は年々遅くなっています。現在では30歳ということです。また5人に1人は35歳を過ぎてからママになっているそうです。
最近二度目の離婚をしたばかりで劇的な恋に落ち、トップモデルだった女性と再々婚した仏国の長サルコジ大統領が象徴するように、フランスはやっぱり「恋の国」だから? それでは、フランス女性は家庭に生き、子育てに追われているのでしょうか。
いえ、育児期における就業率は約75パーセントを超え、出産後も共働きが普通なのです。さらにフシギなのは、結婚率は非常に低い国だということです。それで出生率が欧州一とはこれいかに?
どうやら高出産率の秘訣は、「保守的で伝統的な家族型の崩壊」にあるように思われます。その証拠に、先日INSEE(フランス国立統計経済研究所)の発表によりますと、2007年に生まれた新生児の過半数が婚外子だということです!
婚外子というと、シングルマザー、非嫡子、と思われる方も多いと思いますが、実はそれとも違います。フランスでは「結婚」以外のカップルの形態がいくつかあり、行政でも認められているからです。たとえばユニオン・リーブル(自由連合)。お互いに惹かれあった者が結婚という法的な手続きを取らずに一緒に暮らす場合、日本では単なる「同棲」というものでしょうが、フランスでは共に住んでいることを証明する書類があれば、市役所などで認められ、社会保障や家族への補助金など、結婚している夫婦と同様に恩恵を受けることができます。
また、パックス婚(連帯市民協約)という形態が1999年に制定されてからは、これを利用する人も増えています。もとは同性愛者のカップルを法的に認めるために結婚に準じたものとして作られたのですが、複雑な離婚手続きを取らずとも(双方の合意を必要としない)解消でき、税控除や社会保障などの利点があるため、今では異性間のカップルも多く活用しているようです。
こういった従来の「結婚」という形式に縛られずに、本人同士の愛情と意思のみで相手を人生のパートナーと認め、子供を作り、家庭を築いている人が増えているのです。これもまた「家族」なのです。
私も、周りのママ友達を見回してみると、あらあら、結婚していない「家族」の多いこと! 「ジャンがねぇ、結婚しようって言うのよ」と浮かない顔で呟くパトリシアは、13歳と6歳の男の子のお母さん。「えっ、ジャンとあなた、まだ結婚してなかったの?」と逆に驚いてしまいました。「それで何で浮かない顔をしているの」と聞くと、「結婚したくないから」との返事。「それでは、ジャンは何で今頃結婚しようなんて言いだしたの?」と聞くと、「税控除と子供を守るためよ」とのこと。
そうです、ユニオン・リーブルやパックス婚では、法的保護は親子関係に効力を持たないのです。たとえば配偶者のどちらかが亡くなった場合、その子供は親の財産を相続できず、故人の親族が財産を相続することになります。
では「なぜ“結婚”したくないの? もう20年も一緒に暮らして子供もいるというのに・・・」と首をかしげると、「型苦しい枠にはめられるのが怖いの。自由に彼と一緒にいたいのよ」と。この言葉はフランス女性の気持ちを代表しているのかもしれません。
結婚という安定した形が、逆に「身動きできない」という不安になり、ユニオン・リーブルなどの不安定な関係が、逆に「自由に自分の意思を尊重できる」という安心になっている・・・この主体性が子供を生みたいという心理的な原動力のひとつなのかもしれません。
画像:2人に1人以上は婚外子。どちらかな?
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