■食事で一番大切なこと 2007.6.5 update

前号(あなたの健康のために…)では、現代フランス人の偏った食生活に警笛が鳴らされているお話をしましたが、それでは彼ら自身の食生活に対する意識はどういった感じなのでしょう。

フランスと言えば、グルメ。ランチに2時間もかけて、おしゃべりをしながらゆったり味わい、食べることそのものを満喫している国民、というイメージがあるでしょうか? うんうんと頷いている方、2006年のアンケート調査(EPIQ[*]による調べ)の結果をご覧下さい。

フランス人にとって食事をする上で一番大切なことは何でしょう・・・? 「味」、「盛り付けの美しさ」、「場所」・・・いいえ、一番大切なのは、何をおいても「和気あいあいと団欒で食べること」なのです! これは様々な階層のフランス人が、一斉に一番に挙げているそうです(65%)。次に大切なのが「栄養バランス」(51%)。ということは、最近偏りがちな食事をしている彼らも、バランスよく食べることが大切だということは頭では重々承知しているようです。そして「味」はようやっと三番目に来ています(37%)。有機栽培や自然食品かどうかなどの食材の質にいたっては、12%にしか過ぎません。

なるほど、食事中も楽しいおしゃべりに花を咲かせるのが大切なコミュニケーションマナーとして根付いているこちらですから、ひとりでひっそり食べたり、話をしないで黙々と食べることほど、貧しい食事はないのでしょう。この点多くの人が自覚をしていることになります。

続いて、食事時間ですが、1日の平均食事時間は1時間33分。日本とあまり変わらない数値になっています。朝食は15分、昼食は38分、夕食は40分だそうです。友人を招待しての食事や、休日や祭日などの家族行事になると、2、3時間は軽く超え、それこそ椅子にお尻の根っこが生えてしまいそうなくらい延々と続く食事時間ですが、日常での食事は意外とスピーディなのですね。けれども、10人中7人が自宅で食べるという点が、日本と違う点ではないでしょうか。

では、食材を選ぶときに気をつけていることは・・・? 91%の人が「値段」と答えています。その次に大切なのが「原産地」、続いて「成分」、四番目以下は同じようなパーセンテージで「認証ラベル」、「生産方法」、「メーカー名」、「包装」などとなっています。

「認証ラベル」とは、品質を保証するラベルです。ワインやチーズなどのAOC(原産地呼称制度)ラベルは、限定された産地における自然環境や生産方法を尊重して、地域性を生かして作られた産品であることを意味しており、フレンチ好きの日本でも知られているラベルだと思いますが、フランス国内にはその他にもいくつか知られているラベルがあります。食品に適応される「AB」マークや、「赤ラベル」マークは、スーパーなどで買い物をする際の品質の目安になってくれ、知っておくととても便利ですので、ご紹介しておきましょう。

・「AB」マークは、ヨーロッパの基準に合わせ、厳しい規制を受けた有機農産の原料をもとに生産された農産物、畜産物に対してつけられます(有機農産物認証制度)。
・「赤ラベル(ラベル・ルージュ)」は1960年に作られたもので、当時から現在まで生産のための仕様書はほとんど変わっておらず、一般の商品よりも品質が優れたものであることを意味しています。食肉など、生鮮食品によく見られます。

しかし上記のアンケート結果では、これらのラベルは食品情報の一部として参考にはしても頼りすぎず、お財布と相談しながら、自分の目で品定めし、料理の味はともあれ 、とびきりの調味料である会話こそを楽しみに食卓に着くフランス人の姿が、ありありと浮かび上がってきます。彼らの食事観、みなさんはどう思われたでしょうか。


註[*]:EPIQは、Etude de la Presse d'Information Quotidienneの略称。直訳すれば「日常生活に関する情報紙のための調査会」。2005年より市場調査会社TNS sofresの傘下にあるようです。

画像説明文
画像上右:牛乳のボトルに貼られた「AB」ラベル。
画像上左:有機シリアルクッキーにも「AB」ラベル。
画像下右:卵のパッケージに貼られた「赤ラベル」。
画像下左:スモークサーモンのパッケージの「赤ラベル」。


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