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最近テレビやラジオのコマーシャルで頻繁に繰り返されるので、よく目にしたり耳にするようになったフレーズがあります。「健康のために、1日最低5種類の野菜や果物を食べましょう」「健康のために、定期的に体を動かすようにしましょう」「健康のために、脂っこいもの、甘すぎるもの、塩分の強いものはほどほどにしましょう」「健康のために、間食は控えましょう」
この「健康のために・・・」シリーズ、テレビでは飲食品のコマーシャルになると、必ずと言っていいほどワンセットで付いてきます。美味しそうに工夫が凝らされた食べ物の映像に食欲がそそられたところで、お目付け役とばかりに最後にテロップで流れてくるのです。まるで、デートをしていて気分が盛り上がり、さぁこれからいよいよ・・・というところで門限時間を知らせる親からの電話が鳴ったような気分ではありませんか。多少興ざめではありますが、おっしゃることは正しいのですから仕方がありません。それにしても、美食の国フランスに一体どうしてこんなテロップが流れるようになったのでしょう?
その商品を売りながらも矛盾した広告をつけているので思い出すのは、たばこ。「あなたの健康を損なうおそれがありますので、吸いすぎに注意しましょう」というセリフと似ていませんか。どうやら、これも政府のキャンペーン政策なのでした。厚生省は2007年2月28日より、全部ではありませんがある種の加工飲食品の、テレビやラジオ、インターネットやカタログ広告にはこれらの警告メッセージを添えつけることを義務づけました。砂糖や塩、人口甘味料などを使用した飲料には必ずつけられています。
勧めているのが野菜と果物を合わせて1日たった5種類でいいとは、少ないような気がするのですが、それだけフランス人の日常の食卓に野菜と果物が不足しているということなのでしょう。食べることが好きな彼らなのに、料理の品数がモノトーン化しているということに驚かされました。25歳代から49歳までの女性の就労率が約81パーセント(2005年調査)の現在、料理時間の短縮が影響していることも否めないようです。肉とチーズが中心の、手早く出来る食事に偏りがちということです。
近年、現代病とも言える成人の肥満がフランスでも無視できなくなってきました。特に注意すべきなのは成長期の子供の肥満が著しく増えていること。毎年肥大化する肥満人口をいかにして抑え、予防していくか、ということが今後の社会の課題になりました。グルメ大国フランスも、日ごろの食生活を見直さなければならない時代なのです。
これを受けて厚生省では、2001年より国民栄養健康プラン(PNNS)を推し進めています。「食べて動こう」というわかりやすいタイトルのサイトを立ち上げて、その中で食生活に対する細やかなアドバイスを行っています。トップページでは、子供にも印象に残りやすいイラストで「乳製品は1日三点」「卵、肉、魚は1日一点から二点」「米、パン、じゃがいも、パスタ類は毎食食欲に応じて」「水は飲みたいだけいくらでも」「1日30分の軽運動(早歩き程度)を」などとアピールしています。
目的は、野菜と果物の消費を増やし、カルシウムと炭水化物、繊維質の摂取量を増やしながら、脂質とアルコールを減らしていくこと。成人のコレステロール平均値を5パーセント下げること、肥満も20パーセント減にすること。アルコールに関しては、成人男性は1日グラス3杯、女性は2杯までのワインを目安にしているそうです。
どれも簡単そうですが、なかなか実行できないところが、現代生活のジレンマと言えましょう。健康はまず、バランスよく食べ、適宜に体を動かすことが基本。そんなシンプルなことも、政府が乗り出して健康管理をしないとうまく出来なくなっているんですね。人類共通の原点にフランス国民が立ち返るために、しばらくは「お目付け役」テロップが続きそうです。
画像説明文
画像上:テレビで流れた加工食品のコマーシャル。下の部分には「健康のために・・・」のテロップが。
画像下同じく加工食品のコマーシャル。下の部分にテロップ。
【短信】皆さんがこれを読んで下さっている頃には、すでに新しいフランス大統領が選出されていることでしょう。昨日、候補者二人が生放送を通して議論をたたかわせ、予定時間を超過する白熱さでした。2,000万人の視聴者がテレビの前に釘付けになったとのことです。(5/4)
大統領選挙の決選投票が6日実施され、右派与党・国民運動連合のサルコジ前内相(52)が左派野党・社会党のロワイヤル元家庭担当相(53)を破って当選-ワールドバザール事務局-
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