■禁煙第一弾 2007.3.6 update

2004年アイルランドを皮切りにヨーロッパ各国に徐々に浸透しつつある喫煙禁止化ですが、フランスでもついに今年2月1日から、公共スペースでの喫煙が全面的に禁止になりました。

誰でも好きなものを止めなくてはならないというのは辛いものです。それが中毒に近い状態なら尚更のこと。ダイエットのための甘いもの、お酒、パソコン、パチンコ、ゲーム等々・・・たった今から禁止令が出来たらどうします? 人生の楽しみを奪われて悲嘆に暮れてしまう人も多いのではないでしょうか。

でも、今回の喫煙禁止令に関しては、フランス人の85パーセントが賛成しているそうです。タバコを吸わない人では91パーセントの人が賛成しているのはわかりますが、喫煙者ですら、74パーセントの人が好ましいことと捉えているそうです。やはり身体に害があるということを、意識してはいるのですね。なにしろフランスでは、毎年推定6万6千人がタバコの害で亡くなっているとのこと。そのうち5千人は本人はタバコを吸わないのに周囲の喫煙者の副流煙を吸わされていることが原因だそうですから、たまったものではありません。こんなに害のあるものを今まで野放しにしていた方が不思議ですね。逆に反対を唱えている人たちは主に肉体労働者や長期失業者が多いそうです。

それでも一気に禁止にすると反発されることを配慮したのでしょうか、バーやレストラン、ディスコなど喫煙がひとつの目的ともなる場所では来年の1月1日までお目こぼしとなりました。バーで一杯ひっかけながら一服するのがストレス解消、という人たちにとっては、来年はストレスが増える年になるかもしれません。こういった飲食店に関しては賛否両論ですが、タバコを吸わないウエイターやウエイトレスの人にとっては、働きやすい環境になることは間違いありません。今年全面禁止になったのは、空港や駅はもちろんのこと、公共の交通機関、学校、商店や劇場、スポーツ施設、官庁ビルなど。うっかり違反をすると68ユーロ(約1万1千円)、喫煙者を取り締まらない施設の責任者には135ユーロ(約2万1千円)の罰金が科されますからご注意。

オフィスでは喫煙ルームを設けることが許されていますが、35u以内の室内に限られ、換気扇があり、自動閉鎖ドアがあり、人通りがないところ、という厳しい条件つきです。病院は全面禁止なのですが、長期入院患者病棟に関しては、病室は自宅と同じプライベートな空間とみなされるので、病室内では許されるそうです。これは養老院についても同じことです。養老院に勤める友人は肩をすくめて言います。「今まで一生吸ってきた人たちに、今更止めろなんて無理よ。年取って身体が思うように動かなくて、特に娯楽もないけどタバコを吸うだけが至福の時間という人たちに、人生の最後に止めろなんて言えないわ。」

今回の禁止令をきっかけにやめようと決意する人も少なくありません。そういった人々の士気を援助するために、禁煙治療に保険が適用されることになりました。ニコチンガムやニコチンパッチ、スプレーなどは50ユーロ(約8千円)まで負担してもらえます。でも、そんなことでおいそれと止められるものなら苦労はしませんよね。製薬会社は挙って禁煙新薬を発売、タバコ以上の甘い誘惑を歌っていますが、お値段を聞くとあっという間に士気が殺がれてしまうようです。それなら、タバコ代の方がマシというわけです。ニュースの街頭インタビューでは「もっと薬に保険がきくなら止めてもいい」と言い切る人が何人もいました。健康はお金には替えられないもの、でもお金で買うことを考えると二の足を踏んでしまうのが人情というものなのでしょうか。

【補足】今回のユーロは1ユーロ=160円で計算してあります。いつのまにかこんなにユーロが強くなってびっくりです。

画像上:「ここで喫煙した者には罰金68ユーロの支払い義務」と書いてある貼り紙。タバコを止めたい人の相談に乗ってくれる電話番号も載っています。
画像下:タバコ屋さんにズラリと並ぶタバコ。2003年に未成年者への販売が禁止になって以来、売り上げが落ちたそうです。今年からもさらに減ることが予想されます。


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