■クレルモン・フェラン国際短編映画祭 2007.2.13 update

クレルモン・フェラン市まではパリから地方急行列車に乗って南に下ること約3時間半。山岳地帯の中に佇む人口約15万人の小さな町です。日本人もほとんどいなく、フランス人にとってすらも「異国」と言われているマイナーな土地ですが、一年に一度だけ世界中からの熱い注目を浴び、町の人口が一気に2倍に増える特別なイベントがあります。それが今回ご案内する、ショートフィルムフェスティバル。今年は1月26日から2月3日まで開催されました。カンヌ映画祭のショートフィルム版と言ったらおわかりいただけるでしょうか。

今回で29年目を迎えるこの国際短編映画祭、最初は数人の映画愛好仲間によって始められた短編映画上映会に過ぎませんでした。集まった観客も千人余りといった程度でした。それが小規模に地道に続けていくうちに、愛好者が次第に増え支援者が出て、10年後には5万人の入りになり、現在では13万人の観客を動員する一大イベントへと成長したのです。

このフェスティバルの魅力はなんと言っても、世界各国から集まるフィルムの幅の広さ。60ヵ国以上の参加です。アルファベット順に並べただけでもアフガニスタン、南アフリカ、アルバニア、アルジェリア、アルゼンチン、オーストラリア・・・と普段はなかなかお目にかかれない国の現実や理想、幻想やユーモア、悲哀や怒り、そして日常がたちまち私たちのもとへ送られてくるのです。もちろん日本からも参加作品がありました。

短いものは3分から、長いもので30分弱。一回約2時間のプログラムで数本のフィルムが上映されますから、短時間で世界をひとっ飛び・・・頭や心の切り替えを余儀なくされ、凝縮された刺激的な時間を過ごせることうけあいです。これだけ観てチケット代は1回3ユーロ、お得な回数券を買うとたったの2ユーロ! さらに水曜日は子供のためのプログラムで無料です。会場はメインの文化会館のほか、市内の複数の映画館。

応募があったのは5,630本もの作品。その中から選ばれて、期間中に上映されたフィルムは400本以上。そのうちコンペティションにかけられるのは、国際作品部門(は今年で19回目)で75本、フランス作品部門(は29回目)で約45本、ラボ部門(は6回目)では46本です。

開催期間は毎日朝から晩まで短編映画を上映し、選ばれた審査員たちの評価をもとに最終日に各賞が決定されます。今年グランプリに輝いた国際部門の作品はスウェーデンからのものでした。ラボ部門では、シンガポールの監督が北海道を舞台に日本人の俳優で撮影した「Monkeylove(モンキーラブ)」が受賞に輝きました。

このフェスティバルのために有給休暇を取る人が多いと聞きますが、納得です。友人もまさにその1人。朝サンドイッチを持参して、連日のように通いつめていました。私は2日行きましたが、平日の昼間の回だから空いてるだろう・・・なんて通常通り思ったら大間違い。館内は映画ファンと、出品や買付けに来た各国の映画関係者とで溢れていました。会場は満席、入り口からは程遠いところまで出来た長蛇の列を見て、入りきれるのかしらと思わずチケットを握りしめました。そして、各フィルムの上映が終わるたびに、たとえそれが3分のものであろうと・・・会場からは拍手が沸き起こります。良かったと思える作品には一層の力を込めて、そうでなくても、感謝と敬意を表するための映画ファンの礼節として。

来年は皆さんもいらしてみませんか。その際にはご案内いたしますのでお声をかけて下さいね。


画像上:フェスティバルのメイン上映会場になる文化会館。各国の旗が飾られ賑やかです
画像中:中にはフェスティバルグッズがいろいろ揃ったショップもありました
画像下:2007年度ポスターの一部


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