■キャンプはお城で 2006.9.5 update

「今年のバカンス休暇はいつ取るの?」、「8月の第2週から。」、「どこに行くか決めた?」、「キャップ・ダッグ(南仏)のいとこの家に行くの」。こんな会話がいとも自然に交わされるのを耳にすると、呆れるのと驚きが入り混じった気持ちで、あぁやっぱりフランス人はバカンスのために生きていると言われるのも頷ける・・・と思わず納得してしまいます。

はい?夏なんだからこんな会話は当然ですって?そうですよね、この時期日本人だって夏休みの計画に話の花が咲いてもおかしくはありません。でも、周りでこういう会話が真顔でなされるのが、新年始まって早々だとしたら(!)、皆さんにも納得の意味がおわかりいただけるでしょう。8ヶ月もの先のことを年が明けた途端にすでに真剣に考え始めているのですから脱帽です。夏のバカンスは、一年で一番長い大型バカンス。最長4週間まで取れるのですから、独身者にとっても家族にとっても年中計画のキー部分を占めているわけです。

バカンスのスタイルには、時代ごとに流行があるようです。南仏の海岸沿いにリゾートマンションが乱立した時期もありました。牽引タイプのキャラバンが路上を占めて田舎に繰り出した時期もあったそうです。ホテル暮らしも人気でした。でも今ではどれもちょっと時代遅れのスタイルになってしまいました。そんな中で、キャンプはしばらくはあまり浮かばれない存在だったようです。

ところが、今春公開されたフランス映画「Camping(キャンピング)」-監督 :Fabien Onteniente-の人気が出て、600万人を動員したせいなのでしょうか、今年の夏のバカンスのトレンドはキャンプ。おそらく、経済的な事情ともマッチしたのでしょう。「休みはあれど金は無し」の頭の痛い課題が、失業率の高さが社会問題ともなっているフランス庶民には課されているのですから。そして、子供たちが自然の中でのびのびと遊んで過ごせるのは、やっぱりキャンプを置いて右に出るものはないのではないでしょうか。

キャンプ場には公営のものと私営のものがあります。レストランやホテルの評価は星の数でレベル分けされているのは皆さんよくご存知の通りですが、同じようにすべてのキャンプ場にも星がつけられています。選ぶときにはご参考になさって下さい。

さて流行に関わらずキャンプ好きの私たち家族。市営のキャンプ場から、山の中の野生キャンプまでいろいろ経験しましたが、今年の夏はゆっくりと「シャトーキャンピング」に出かけました。お城の敷地内でキャンプをするというもので、フランス各地にあるものです。環境、施設ともに群を抜いて良く、優雅な気持ちで過ごせるのです。ゆえにお値段も良く、普通のキャンプ場ですと家族四人で1日15ユーロ前後のところ、3倍近くしますが一見の価値はあります。星もキャンプ場では最高の4ツ星。

私たちが行ったお城の敷地は44ヘクタール。その敷地内に広大な自然森と動物のいるミニファーム、池やプール、レストランやブラッスリー、公園などがあり、テントを立てる場所だけでなく、テントをもっていない人のための貸しテント、バンガロー、木造のロッジもあり、城内の部屋もホテルとなっていて、さまざまな利用客に対応できるようになっています。朝にはシャトーで焼いたパンやクロワッサンを食べ、森を散歩して、池で釣りを楽しみ、プールで泳いだ後は、夜はブラッスリーでロックのコンサートを楽しむといった具合です。

この素敵なシャトーキャンピング、現世を忘れ、貴族になった気分を味わえるだけでなく(?)、もうひとつ、別世界を味わえるのです。それは何かと言いますと・・・なんと、フランス人がほとんどいない! 昨年ブルターニュ地方のシャトーキャンピングに行ったときには、大半の客が英国人でした。英語だらけの環境で、自分がフランスにいるということをすっかり忘れてしまいました(ホントです)。

今年は中西部だったため、英国人はそこまで足を伸ばさないようでしたが、75パーセントの客がオランダ人だったのです。残りはスイス、ベルギー、イギリスなどから。一週間を過ぎる頃には、私の子供たちはオランダ語で挨拶が出来るようになっていました。フランスに居ながら外国経験ができる?!貴重な場所でもあったのです。これも観光大国フランスの魅力でしょうか。

画像右上:お城の入り口。
画像左上:キャンプに来ている子供たちが集まって出し物がありました。
画像右中:池で釣りをする親子。
画像左中:気持ちの良いプール。
画像右下:様々な大きさや形のテントがありました。キャンピングカーや牽引タイプのキャラバンも沢山宿泊していました。
画像左下:敷地内ではテント以外に木造のロッジも借りられます。

【短信】7月は猛暑で、海に出かけたバカンス組はやけどしそうだったと言っておりましたが、8月に入って急に冷えこんだ毎日で、今度は海辺で震えなくてはなりません。バカンスの行き先も年々異常気象と相談しなければならないようです。(8/16)


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