■Huile d'olive---オリーブオイル(その1) 2005.8.1 update

地中海を取り囲む地方の食卓に欠かせないオリーブオイル。オリーブオイルと言うとイタリアやスペイン、ギリシャなどがすぐに思い浮かびますが、ここ数年「バターと生クリームの国」フランスでも流行していて、消費量はこの10年で3倍も増えたそうです(2003年に9万トン)。

フランス人のプロヴァンス好き(プロヴァンス=太陽=ヴァカンス、という思考回路がある感じです)に加えて、ようやく食べるものと健康の密接なつながりを意識し始めたことがその背景にあるようです。「地中海風ダイエット」とか「クレタ島ダイエット」など、健康をテーマにした雑誌によく特集として組まれています。

ところが、健康にいい=太らない、と勘違いしている人が多いのです! 日本でも放映されている「ミリオネア」、フランスでもヴァカンス中に放映されるのですが、先日、「次の4つの食品のなかで一番高カロリーなのは?」という問題がありました。選択肢は、(1)オリーブオイル、(2)ミルクチョコレート、(3)バター、(4)生クリームとあり、迷った末、回答者は観客の意見をきくという「ジョーカー」を使うことに。そしてその結果、半数以上の人々が「バター」と答えたのです。

もちろん正解はオリーブオイルですよね。正解を知った回答者の驚きの表情と「オリーブオイルは健康にいいって言われてるから」の一言は多くのフランス人の実感だったのでしょう。健康に良くても油は油。100グラムで900カロリーもあるんです。フランス人がオリーブオイルに如何に良いイメージを持っているか、判りますね。

大手メーカー各社は、南仏プロヴァンス地方で撮影されたCMや雑誌の広告でいかにも「南仏産オリーブオイル」のイメージを与えていますが、フランスで消費されるオリーブオイルの95%は外国産、特にスペイン産が多いのだそうです。スペインの産地では、見渡す限りのオリーブ園で収穫率の良い品種を植え、大型機械を備えた工場で大量にオリーブオイルが生産されています。そのため面積の狭いオリーブ園と共同組合方式で運営される小規模の製造所から生産されるフランス産オリーブオイルに比べて、値段が格段に安くなるのです。

オリーブオイルは原料のオリーブの品種や熟成具合、産地などによって風味が異なります。大手メーカーは常に変わらぬ風味のオリーブオイルを豊富に提供するために、スペイン、ギリシャ、モロッコなどから数種類のオリーブオイルを購入し、南仏にある工場でブレンド、壜詰めして売る訳です。また各地で原料のオリーブを買って南仏の工場でオリーブオイルを生産する、というメーカーもあります。オリーブオイルをスーパーなどで1リットル5ユーロほどで売られているものは100%外国産で、小売価格20ユーロにさえなるフランス産のオイルは1滴も入っていないのが現状なのです。

これらのオリーブオイルは品質も安定していますし、より多くの人々に好まれる風味にブレンドされているのでクセがないうえ、原産地を明記したフランス産オリーブオイルより値段も安いので気軽にたっぷり使えるというメリットがあります。メーカーとしては、Lesieur(ルシュー)と Puget(ピュジェ)の2社が有名で、スーパーの棚にも並んでいます。

画像上:石積みの家の庭にオリーブの木々、南仏タラスコン近くの農園。
画像中:強い陽光に白く光るオリーブの葉。実はまだ緑色で熟す前の状態。
画像下:スーパーの棚にずらりと並んだオリーブオイル。オリーブオイル人気にあわせて、スーパー各社も自社銘柄のものを販売し始めています。

【短信】2012年のオリンピックの招致の夢が泡と消えてしまったパリ。開催地発表の当日は、市役所前広場にはシンガポールからの生中継のために巨大スクリーンが設置され、その瞬間を見ようと多くの人々が詰めかけていました。結果は皆さんもご存じのとおりロンドン開催となり、「絶対にパリ」と信じて疑わなかった人々の落胆は大きく、泣き出す人の姿もあちこちに見られたほどです。夜8時の定時ニュースでは、40分の時間枠中30分を割いての報道ぶり。フランス語が判らない旅行中の友人は「(ニュースを見ていたら)あんなにオリンピック関係のことばかりやっているから、パリが選ばれたのかと思った」と苦笑いしていました。(7/20)


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