■フランス人とワイン 2004.10.4 update

みなさんはワインがお好きですか? 最近は、日本でもワインショップで世界中の様々なワインが手軽な価格で手に入るようになり、親しみやすさが増しているのではないでしょうか。

ワインとくれば、フランス。オーストラリアやカリフォルニア、チリなどのワイン新興国に押されているとはいえ、やはり老舗です。フランス人の食卓を思い描く時、ワインのボトルとグラスがかならず置かれているでしょうし、映画の一場面で、カフェやバーのカウンターで駆け付け一杯とばかりに白ワインのグラスを傾ける姿などもよく見られます。

確かにフランス人はワインをよく飲みますが、その消費量は年々減少しています。統計によると、1960年に1人のフランス人が1年間に飲むワインの量が100リットルだったのに対し、80年には80リットル、2000年には55リットルまで落ちていて、感覚的には半世紀で半量になったという感じでしょうか。これは80年に「ほとんど毎日ワインを飲む」と答えた人々が約半数の47%だったのに比べて、2000年には4分の1の24%に減ってしまい、今や「時々飲む程度」という人々の割合の方が多いという結果からも裏付けられています。

アルコールが原因の成人病の増加や自動車事故への対策として政府が講じてきた「脱アルコールキャンペーン」が功を奏してきたのかもしれません。アルコールのCMはテレビ放映を禁じられていますし、番組中でアルコールが話題になると「飲み過ぎに注意しましょう」と必ず一言添えられます。雑誌などの誌上広告も厳しい制限があるようで、グラスを手にしたカップルがにっこり微笑んで乾杯、といったようなものは見かけません。

ただフランスでは今も、血中アルコール濃度が0.5g/リットル未満ならば車の運転が許されています(これでも随分厳しくなったのだそうです)。これをお酒に置き換えると250ccのビール2杯、あるいは125ccのワイン2杯になりますが、痩せた人、女性、高齢者などはこれ以下でもリミットオーバーする可能性が高いと警告されています。

さて、消費量が半減したとはいえ、55リットルというとかなりの量だと思いませんか? 普通のワインボトルの容量は750mlですから、計算すると73本ということになります。このワイン、フランス人はどこで買うのでしょうか? それはスーパーマーケットなのです。1年間にフランス人が購入するワインは30億本、そのうちの78%がスーパーマーケットで買われているそうです。

9月になると、多くのスーパーマーケットが「Foire aux Vins(ワイン市)」を開催します。大手の醸造元や仲買から大量に買い付けたワインを低い価格設定で売り出すこのワイン市には、毎年、初日からガイドブックや広告を手にしたワイン好きが集まります。グランクリュと呼ばれるような200ユーロを超えるボトルも売られてはいますが、ワイン好きがここで探すのは手軽に飲める日常のワイン。1年分のストックとして2ケース、3ケースと買い込む人も少なくありません。そこで売り手側としてはいちばん良く出る5ユーロから12ユーロのボトルをメインに商品を展開するとのこと。大きなスーパーではこの時期、専門のアドヴァイザ−をおいて、買う人の好みに応じたアドバイスや試飲のサービスをしているところもあります。

スーパーマーケットだけではなく、街を歩くとワイン専門店も目につきます。店数では大型チェーン店の"Nicolas(ニコラ)"が一番多いでしょうか。もちろん個人のお店もあり、こういう店では店主が実際に試飲した上で買い付けをしているところも多いので、店主の好みが品揃えに微妙に反映されることになります。ワインは上等なプレゼントやお土産にもなるので、そういった場合には専門店で適切なアドバイスを受けつつじっくり選ぶ人が多いそうです。

フランス旅行の記念やお土産にワインを買われる方もいらっしゃると思います。持ちかえったワインを美味しく飲むコツのまず第一は、気温が低めであまり変化のない所に置く(床下収納など)こと。第二は、輸送途中の温度変化や揺れでワインの状態が悪くなっているので、落ち着かせるために最低3ヵ月はそっと寝かせること。この二点だそうです。

画像上:パリの中規模スーパーマーケットのワイン売り場。
画像下:雑誌のワイン特集。ラベルと共にそのワインの説明とお薦めの理由などが書かれている。両脇にある写真は典型的なワインの広告。「アルコールの取り過ぎは健康に有害です。節度ある飲酒を」と明記するのが義務づけられています。

【短信】秋分の日を過ぎて、これからどんどん秋が深まっていきます。10月になると、セントラルヒーティングの建物では一斉に暖房が入りはじめ、寒い季節の到来を感じる頃です。(9/25)


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