9月2日で夏休みが終わり、新年度が始まったフランスです。今年の夏は去年とは正反対で、南仏を除いてはかなり涼しいバカンスを過ごした人が多かったようです。日本の酷暑の夏と足して2で割ったらちょうどよかったのでは?と思うくらいでした。
涼しかった気候のせいか、観光・レジャー産業は軒並み業績を下げてしまったようです。特にホテルや貸別荘(アパルトマン)、キャンプ場などでは、予定を繰り上げて早々に引き上げてしまう人々も多かったとか。バカンス先での平均滞在日数が激減しているというニュースを聞いた義母が、「そうねぇ、昔は普通の人でも夏は1ヵ月くらいのバカンスに出かけたものね」と言っていました。バカンスと言っても倹約好きなフランス人のこと、宿泊はキャンピングカーや安い貸別荘、食事は自炊があたりまえなので、バカンスという言葉の響きに比べて実際はずいぶん地味なのが本当のところです。
このようにホテルやキャンプ場などがバカンス客の減少を嘆いているのを横目に、ここ2〜3年大いに客足をのばしている宿泊施設があります。それは “Chambre d'hotes”/シャンブル・ドートと呼ばれる、フランス風の民宿、英語で言うならB&B (Bed & Breakfast)です。一般の民家や農場、こじんまりとしたシャトーなどを、宿泊客を受け入れるようなスタイルにしたもので、オーナーが建物内に住んでいることもよくあります。
一軒あたりの部屋数を6室までとしたり、朝食にオーナー手作りのジャムやフルーツケーキ、焼き立てパンが並ぶなど、知人を招くようなアットホームな雰囲気で、ホテルとは違うもてなしが魅力です。部屋の設備や広さ、インテリア等によって4段階にランク分けされていて、好みと予算に合わせて選ぶ事ができます。最高ランクになると、同料金のホテルよりもこの民宿の部屋の方がずっと快適に過ごせることが多いようです。興味のある方は、このサイトをご覧ください。
http://www.gites-de-france.fr/eng/index.htm(英語)
→ Our accommodation optionsからBed & Breakfastを選択。
一昨年にロワ−ル地方で初めて宿泊してこのスタイルがとても気に入った私たち、この夏のアルプスでのバカンスにも迷う事なくこのフランス風民宿を選びました(画像は今回利用した"La Maison des Soeurs"です)。B&Bの名のごとく宿泊と朝食がメインなのですが、ここのように宿によっては別料金で手作りの夕食を出してくれるところもあって、宿泊客とオーナーがテーブルを囲んで食事とおしゃべりを楽しむことも。
今回は宿泊客3組の滞在期間がほぼ一緒だったので、すぐ顔なじみになり、朝食/夕食の席がとても楽しく賑やかでした。こうなると一層、知人・友人宅に滞在している、という気になってしまいます。こんなところも、お喋り好きなフランス人に好まれる理由のひとつかもしれません。
画像上:今回宿泊した La Maison des Soeurs(修道女たちの家)という名の宿の外観。その名の通り、道をはさんで上にある教会に併設された建物だったという。荒れたままになっていたこの建物を買い取り、屋根の骨組みと外壁だけを残して全改装したのが現オーナー夫妻。庭の大きな菩提樹が美しく、天気のよい日にはモンブランが望める。
La Maison des Soeursのサイト(英語)http://www.mieussy.net/index.php?lang=en
画像下:朝食のカフェを準備するオーナーのマリ・リーズ。朝食のテーブルに並ぶ5〜6種類のジャム、ヨーグルト、ケーキ類は彼女の手作り。「もっと早く料理がこんなに楽しいと知っていたら、料理人になったのに!」と言う彼女が作る夕食には、新鮮な素材をたっぷりつかった、美味しい家庭料理が楽しめる。マリ・リーズが見つけたアンティークの品々や家具、職人手作りの家具で彩られた内装は趣味がよく洗練されている。
【短信】天気予報を見ていると、毎日2〜3分ずつ日照時間が短くなっていることが判ります。太陽が照っていても、真夏の強さではなくなっていますし、時おり吹く風も秋めいてきました。新年度がこういう季節に始まるのは、桜咲くうららかな春に始まる日本の新年度に長年馴染んでいた私にはどうもしっくりこないのです。(9/2)
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