本来ならば新緑美しく爽やかな5月、それが今年はまったく当てはまらないフランスでした。初旬から「3月のジブレ」と呼ばれる、1日の中で曇天と冷たい雨降り(氷粒が混ざることもあり!)が交互にやって来るという、寒々しい日々が続き、山間部では雪が降り積もったことから、「今年は酷暑じゃなくて冷夏の犠牲者が出るのでは?!」と噂になったりしました。
ところが3週目には大西洋からの高気圧で急に天気がよくなって気温も上がり、まるで真夏の陽気に。それが3〜4日続いた後には北極圏から吹き降りてくる風のために、太陽が照っても気温は10℃以上も急降下、まったく体調の管理が難しい今日この頃です。道行く人の服装はと見ると、ハーフコートにマフラーを巻いた人もいれば、日なたで半袖Tシャツで歩いている人もいて、「こんな気候の国じゃ衣替えなんて意識も芽生えるはずがないわ」と改めて感じさせられます。
そしてまた最近の好天に恵まれて、初物のイチゴやサクランボが出回り始めました。5月の下旬から店頭に並びはじめます。旅行の途中でマルシェに立ち寄るのも楽しいと思います。イチゴでは細長い形でそれほど甘くはありませんが香りの素晴らしい南仏産のガリゲット、丸みを帯びた形で甘味と香りのバランスのよいロワール産のマラ・デ・ボワが美味です。スペイン産の巨大なイチゴはこれらの半額ですが、香りも味わいも半分、といったところでしょうか。
サクランボはたくさんの品種がありますが、この時期よく出回るのはビュルラという濃赤色の品種です。アメリカンレッドチェリーに似ていますが、色がもう少し薄めで風味が優っている感じ。6月の末から7月にかけては、日本の佐藤錦の母体となったナポレオンという品種が出回ります。こちらはビュルラよりずっと色が薄く、風味も繊細です。
サクランボはそのまま食べるのには味が薄いなという時には、こんな食べ方はいかがでしょうか。赤ワインに砂糖を入れて煮立たせ、そのなかに種をとったサクランボを入れて10分ほど煮てから火からおろし、冷まします。赤ワインと水を半量ずつにして軽めのシロップにすれば冷やしてそのまま食べられますし、砂糖の量を多めにして濃いめのシロップにすればバニラアイスクリームとよく合います。シナモンスティックやスターアニスなどを加えると美味しさが増しますよ。どうぞお試しあれ。
画像上:店頭いっぱいのイチゴとサクランボ。500グラムにとどめるべきか、1キロ買ってしまおうか?と悩んでいるところかも。
画像中:こんな可愛らしいかたちのサクランボもあります。店頭いっぱいのイチゴとサクランボ。500グラムにとどめるべきか、1キロ買ってしまおうか?と悩んでいるところかも。
画像下:フランスではサクランボは生食だけではなく、ジャムにしたりクラフティにしたりと様々なので、種を手早く取るためのこんな道具が売られています。穴のあいた円形の部分にサクランボをのせ、ホチキスの要領で握ると、棒状の部分が果肉の中に入って反対側から種を押し出すという仕組み。サクランボを二つ割りにせずに種が取れます。
【短信】「Jour J」、連合軍のノルマンディー上陸から今年で60周年。連合軍の首脳(プラス独首相)が一堂に会するノルマンディーでの記念式典を始め、6月初旬に様々な催しが行われます。ロラン・ギャロスでは全仏オープンが始まり、これからサッカーのユーロ2004(開催地はポルトガル)、トゥール・ド・フランス、F1欧州GP、アテネ・オリンピックと、スポーツ関係の大イベントが続く夏のヨーロッパです。(5/27)
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