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日本では三が日を過ぎて、そろそろお屠蘇気分から抜け出さなければならない頃でしょうか。こちらでは1日はお休みですが、2日から既にいつもと同じ生活が始まっています。そして今週の半ばから始まるソルド(soldes:日本でいうバーゲン)へむけて心がソワソワ・・・。落ち着いた和風のお正月を思って日本を恋しく思う季節です。
年末の一大イベントと言えば、ノエル(クリスマス)。25日のみが休日なので、去年は26日に有休を取って4連休にする人が多かったようです。もちろん学校は20日から2週間の冬休みです。クリスマスは家族が集まって過ごすのが普通なので、冬休み最初の週末から始まっていたパリの主要駅の混雑と高速道路の渋滞は、24日の午後にピークになります。混んでいるのを承知で毎年同じ時期に大混雑・渋滞のなかにくり出していくフランス人と、これも毎年決まってお盆やお正月が帰省ラッシュになる日本人、なんとなく似ている気がしませんか。
24日の夕方に一家がそろうと、久々に顔をあわせる人々もいて、シャンパンなどのアペリティフを片手に話がはずみます。そしてだいたい9時頃になると夕食が始まり、生牡蠣、フォワグラ、スモークサーモンなどはあまり手をかけずにすむ(と言っても牡蠣の殻をあけるのは一仕事ですが)ノエルの前菜の定番。メインは、去勢肥育鶏や鵞鳥のローストに栗やキノコなどをつけ合わせたものが昔ながらの料理です。デザートはよく知られたブッシュ・ド・ノエル。最近はクラシックなクリームやチョコレート風味だけでなく、フルーツやナッツをふんだんに使ったもの、アイスクリームやソルベを組み合わせたものなどがいろいろ出ていて、選ぶのに迷うほど。
私の周りには敬虔なキリスト教の信者がいないので、聞いた話ですが、信者は教会で行われる午前零時のキリスト生誕ミサに出席し、食事はその後となるそうです。1時、2時までも(あるいはそれ以上)延々と続いた夕食を終えて一眠りの後、25日の朝はプレゼント交換。それぞれ家に着いた時にツリーの足もとにプレゼントを置くので、家族が多いとそれは大層な数のプレゼントが並びます。
家族で過ごすノエル、友人たちとすごす大晦日がすぎると、1月の第一日曜日がエピファニー。これはキリストの誕生を祝ってやってきた3人の王(バルタザール、ガスパール、メルキオール)がキリストに会った日とされていて、本来は1月6日になります。この3人の王は、西の空に輝く星をたよりにやってきますが、ツリーのてっぺんに飾る星はこの星を現わしています。
この日に食べるのが、ガレット・デ・ロワ。折りこみパイ生地でクレーム・パティシエール(カスタードクリーム)とクレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)をはさんで円形に焼き上げたお菓子です。大きさは様々あり、ふつうのケーキやタルトのように切り分けていただきます。ガレットの中には陶器や金属でできた小さな置き物が入っていて、それが入った一切れにあたった人は、"roi(ロワ/王様)"となるわけです。ガレットを買うと、かならず紙製の金色の王冠がついてくるのはこの王様のためなのです。
このガレット、素朴ながらもさっくりとした折りこみパイとアーモンドクリームのコクで飽きない美味しさ。朝食に、おやつにと、エピファニーの日だけでなく何度も買ってしまいます。エピファニーを過ぎても1月中はたいていどこのパン屋さんやお菓子屋さんでも買えますので、フランスにいらっしゃる方は味見のチャンスです。
小さな置き物はフェーヴ(そらまめ)と呼ばれます。昔は本物のそらまめを使っていたそうですが、最近ではありとあらゆる趣向をこらしたものがあります。フェーヴをコレクションしている人もいて、パリの有名店など出されるその年ごとの限定品などは、コレクターアイテムのひとつだそうです。
南仏に下ると、この折りこみパイ生地とクリームのガレットではなく、大きなリング型のブリオッシュが主流です。表面を砂糖漬けの果物やあられ糖で飾られたこのブリオッシュは、クーロンヌ(王冠)と呼ばれています。
画像上:ノエルの夕食のテーブルセッティング。
画像中:ツリーの足もとにはたくさんのプレゼント。
画像下:ガレットに入っているミニチュア。農村の人々を象ったクラシックなものや、見ただけですぐにどこの店のものかわかるオリジナルのものなど、様々な種類がある。
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