■Salon des saveurs (サロン・デ・サヴール) 2003.1.6 update

海外に暮らしていると、この時期日本のお正月がとても懐かしくなります。こちらでは休日は1月1日のみで、2日からは会社もお店も普通の生活にもどってしまい、日本のお正月に馴染んでいる私にとって、なんとも味気ないものに感じられてしまいます。お正月よりも、直前のクリスマスの方が一大イベントとなっているからでしょうか。

それでも、大晦日には友達同士で集まって賑やかなパーティーを開いたり、クリスマスのディナーに引き続いて「St-Silvestre(サン・シルヴェストゥル/フランスでは大晦日をこの日の聖人の名で呼びます)のディナー」のテーブルを囲んだりして楽しみます。1月1日は、朝帰りと二日酔いのせいか、ひっそりと静まりかえっているのが印象的です。

さて、パリでは大小さまざまな見本市が開かれますが、毎年大勢の入場者で賑わうのが「風味(味わい)の見本市、サロン・デ・サヴール」。フランス各地はもちろん、スペインやイタリアからも名物・名産品を携えた生産者が一同に会するという、いわゆる「全国うまいもの物産展」です。金曜日〜月曜日の4日間の開催期間中、朝から夕方まで続々と人々が詰めかけて、いちばん混んでいないはずの日曜日の午前中も、買い物カゴやキャディ持参の人々でバーゲン会場並の混雑です。

誰もが知っている有名メーカーも出店しますが、お客の目的は、本来はそこへ出かけて行かなければ(あるいは特別な品揃えの店でないと)買うことのできない地方の味覚、です。バスク地方の農家で作られる羊乳のチーズやハム、ブルターニュ地方のフレッシュバター、サヴォワ地方の山あいの村で作られるソーシソン(日本でサラミと呼ばれるもの)、プロヴァンス地方の小さな作り手による漬け込んだハーブ類が沈んでいるパスティス等々、広いイベント会場が全国から集まった「うまいもの」のスタンドでひしめいています。

物産展では、これはと思う商品の味見をすることはもちろん、直接その生産者と話ができることも多く、彼らは手塩にかけたご自慢の商品を熱心に語ってくれ、とても楽しいものです。でもツボをおさえた質問などしようものなら、他のお客は放りっぱなしで説明が延々と続き、逃げ出すのにひと苦労なんてことにもなります。スタンドを巡る人々の中にはワインやその他アルコールの試飲のハシゴで、完全にできあがってしまっているオジサンなども見かけます。

今回私は、ブルターニュ地方のフレッシュバターをたっぷり使ったキャラメルとクッキー、ロックフォールチーズと羊乳のバター、14ヶ月熟成されたバスク地方のオッソ・イラティ(羊乳のチーズ)を買ってみました。こういう物産展に長居をすると、あれもおいしそう、これもおいしそう、と思わぬ大散財になりかねません。

画像上:一昨日搾乳されたばかりの牛乳で作られたブルターニュ産のバターは、大きな塊から2枚のヘラで切り出されて長方形の塊に形作られる。
画像中:カウンターの後ろに吊るされている豚の腿肉(ジャンボン・クリュ/生ハム)。
画像下:木の箱にどっさりと盛られた、様々な風味のソーシソン(サラミ)。余談ですが、あまりの人の多さに、商品がちゃんと見えるように撮影するのが大変でした(笑)


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