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5月16日午後、ラオスと北部タイの国境付近でマグニチュード6.1の地震が発生、チェンマイの仏塔が破損したり、タイ、ラオス、ミャンマーの国境が接するゴールデン・トライアングルのあるチェンライで大学の建物の天井が落ちてきた等々の被害が発生。幸い、人が余り密集していないエリアだからか、あまり大きな被害がなく済んだらしいけれど、大騒ぎになったのがそこから600キロは離れているバンコク。
この日の夕方、郊外から同僚2人と車で市内に戻る途中、高速を降りてから、いつも通る高層ビルが立ち並ぶオフィス街で妙な光景に出くわす。どうみてもサラリーマンやOLらしき人たちが手ぶらで、携帯だけ持ってビルの下にたむろしており、誰かに電話しているようだが、そこを動くでもなく、何か待っている様子で、表情はそれほど明るくない感じだった。「王族の誰かがパレードで通るのを待っているか何か?」、「それにしては、なんか妙な雰囲気じゃない?」と言いながら道を進んでも、高層ビルの下には、例外なくその「たむろする手ぶらのサラリーマン、OL」がいる。
「もしかして、地震じゃないの?」と私が一言。2004年12月のインド洋大津波のときには、バンコクも震度1か2くらい揺れて、20階に住む友人はぐらぐらと揺れたので慌てて外に出たとか、地震になれていないタイ人はパニックを起こして裸足で階段を駆け下りたとか、高層ビルの壁にピシッっとひびが入ったとかいう話を思い出したのだ。
「えー、まさかぁ」といいながら、タイ人の同僚が帰宅後調べてくれたところによると、確かに地震だったのだそうだ。バンコクの揺れは今回もせいぜい震度1か2。でも、インド洋大津波のときの知人の証言によると、きっとオフィスビルで黙って座って仕事していた人たちは大きな揺れを感じたのだろう。特に、建築事情が酷いタイでは…。
携帯だけを手にして立っていたのも、荷物も持たずに慌てて飛び出したと思えば合点がいく。それにしても、そんな程度の揺れで大騒ぎになるタイの建築ってやっぱりすごい。「耐震強度偽装」って何のこと?というくらい、なんの耐震対策もとられていないここでは、何年も雨ざらしになっていたコンクリートに、突然壁をつけて建物を作ることなんて日常茶飯事。「廃墟ビルの、謎の隣人(2005年10月)」でリポートした我が家の隣の5年以上雨ざらしにあった6階分のコンクリートの枠組みは、現在は壁が貼られ、コンドミニアムの駐車場部分になっており、なんとその「上に」、追加で30−40階分の建物を積み増ししている有様。あまりにも高い建物がその貧弱なコンクリートの上に積まれているのを見上げるたびに、「お願いだからこっちに向かってぽっきり折れないでよ」と思ってしまう。
日本で地震には慣れっこの私達も、タイで地震を感じたら、とりわけ高い建物に居る場合は、ちょっと要注意かもしれない。
画像上:我が家のとなりの工事中の建物。まもなく完成。見えている部分は駐車場で、この上に中庭があり、その上に30−40階の建物が積み増されている状況。工事の推移を毎日見ていた私からすると、怖くてとても見ていられない。ここが高級コンドミニアムとして売り出されるそうだから参ってしまう。
画像中・下:工事現場の1年半前の様子(「廃墟ビルの、謎の隣人-2005年10月-」で紹介)。 |