■鳥インフルエンザ タイでの状況報告 2005.11.21 update

2004年2月に「鳥インフルエンザの状況」としてレポートしてから2年弱が経った今、鳥インフルエンザはついにヨーロッパにまで波及し、国際会議まで開かれ、「アジアの局地的な病気」というイメージから全世界的に対策が必要な脅威という見方に変わってきたよう。

こちらでもNHKだけは見られるのでニュースを見ていると、「人から人への感染が爆弾だとすると、今はもう導火線に火がついた状態」だとか、色んな専門家が警告している。ここタイでもじわじわと被害が広がっていて、先日ついにバンコクの東部の農村で自宅で飼っていた鳥から感染した人が亡くなり、2年前よりも状況は深刻なような気がするのだけど、世界中の危機感の高まりと相反するように今回の周りのタイ人の反応は落ち着いている感じ。

最初に騒がれだしたときは、「怖い!!鶏肉も卵も食べない!」といった反応で、レストランからも鶏肉メニューは締め出し、養鶏業者は大打撃!だったのだけど、今はだ〜れも「鶏も卵も食べない」なんて言わない。かくいう私も、2年前は大好きなガイヤーン(鶏の炭火焼)も我慢して、食べたいときは火の通るガイトーッ(鶏のから揚げ)にしたり、生卵を手で触るときは、あとで手を石鹸で洗ったりしていたのだけど、今じゃ全く気にせず食べているから他人のことは言えないのだけど…。

タイに限らず、この地域一帯、カンボジアやベトナム、タイなんかは、ちょっと首都圏から外れただけで、各農家がそれぞれ鶏を飼っている。鶏だけじゃなくて、豚や牛なんかも一緒に飼っている場合が多い。「鶏から同じ家畜の豚などにうつったウイルスが突然変異する可能性もあり…」なんてニュースで言っているのを聞くと、「そこら中にあるじゃん、そんな可能性…」となんだか恐ろしくなる。

仕事でこの地域の農村調査に行くことが多いのだけれど、必ずといっていいほど村の人にインタビューをしている間中、ニワトリやヒヨコが足元を駆け回っているので、「生きた鶏がいる市場などに近づかない」なんて海外安全情報で言ってたって、「そんなの無理な相談だ」と思ってしまう(註)。多分、農村の人たちだってニュースなんかで散々怖いといわれても、自分のウチの鳥は元気にしているし、これまでも大丈夫だったからこれからも大丈夫、程度にしか思っていないんだろうなあと思ってしまう。

タイやこの周辺の国では「鶏と暮らす」、というのは日本で犬やネコをペットとして飼っているよりもごくごく普通な日常光景。朝はニワトリの声で目を覚まし、産んだ卵で朝ごはんを食べ、とっておきの日にはご馳走に変わる、、、そんな平和な風景がガラッと変わらないためにも、ウイルスの変異と大流行が起こらないことを心から願うばかり。こういうときには、経済力のない国から、更にその中でも貧しい地域から犠牲が広がることを思うと、一日も早い国際的な対策や啓蒙活動が広がるといいのだけど。

(註):通常の観光をしている場合には、ほとんど鳥との接触の機会はないと思います。この地域の一般的な観光旅行については、2005年11月現在では、鳥インフルエンザによる支障や影響はないです。

-文中の画像-
画像上:農村のお家の裏で行進していた七面鳥家族
画像下:七面鳥を前からパシャリ。結構な迫力!

画像左:ガイヤーン(鳥の炭火焼)、ビール、もち米(左奥の米びつに入っている)はゴールデンコンビ。現状では誰も気にせず食べるようになっている。
画像中:バンコクの日本食料理屋さんでは、アユタヤなどバンコク近郊の鶏や卵を使ってこんな親子丼も出してくれる。こちらも通常通りメニューに並んでいる。
画像右:屋台でも、鶏の炭火焼は定番メニュー。


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