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12月5日はタイのプミポン国王の誕生日。この日をタイでは「ワンポー」と呼ぶ。ワンは「日」、ポーは「父」の意。訳せば「父の日」ということになるだろうか。実際、タイ人はみなこの日に自分の父親を招待してご馳走を食べることが慣例となっている。ちなみに王妃の誕生日はワンメー(母の日)となり、お母さんとご馳走を食べる。
タイではプミポン国王の存在は国民の精神的支柱ともいえる。映画の上映前には必ず国王の業績をたたえるビデオが流れ、全員起立するとか、オフィスやお店の片隅に必ず国王の写真が飾られているのは、別に義務感からやっているわけではなく、本当に心から国王を慕ってのことのよう。
何しろカンボジアでタイ大使館が焼き討ちにあい、タイ資本の商店やホテルが荒らされたときにも、その事実そのものよりむしろ、インターネットで国王の写真を燃やしている映像が出回ったことからタイ人の怒りに火がついた。カンボジア大使館の周りにぞくぞくと人が集まってきたものの、警察が「王様がそんなことは止めなさいと言っているぞ〜」というと、蟻の子を散らすように帰っていったとか。タイは今でこそ民主的な政権が続いているけど、1990年代頭まではタイでもクーデターが起き、軍部と文民が対決することがあった。その度に王様が登場、双方のリーダーを呼びつけて調停、四方丸く収まることがほとんどだった。まるで水戸黄門の世界だ。
このように尊敬を集めているのは、別に「王様」だから自動的にというわけではない。社会貢献活動に積極的に取り組み、あらゆる分野で才能溢れる人物であるからこそ尊敬しているそう。王様が尊敬を集められるかどうかは即位してからどう振舞うか如何にかかわっているらしい。プミポン国王も、雨の少ない農村地帯に人口雨を降らせるとか、野良犬を拾ってきて訓練して名犬にしたとか、はたまた作曲の才能溢れる音楽家であるとか、書き出せばきりがないけど、こういうことの積み重ねから尊敬を集めていくわけである。
国民から愛されているプミポン国王の誕生日、街は大変な騒ぎになる。王様の肖像画とタイ国旗、王様のカラーの黄色の旗があしらわれた装飾があちこちになされ、街はイルミネーションで輝き、5日当日には王様ゆかりのお寺に沢山の人が集まったりする。
が、そのあとにクリスマスが控えていることもあり、ときには両方が便乗したものも見られる。巨大ツリーの前に国王の肖像画がどーんと飾られていたりするのをみると、「王様も仏教徒なのに、お誕生日を祝う肖像画がツリーの前にねぇ?」とも思うが、この柔軟さがタイらしいと思えばほほえましいもの。さて、このイルミネーション、年始まで続きます。
画像右上:国王の肖像画があしらわれたクリスマスツリー
画像左上:国王の肖像画があしらわれたクリスマスツリー
画像右下:イルミネーションの前で記念撮影をする人たち
画像左下:記念撮影の人たちを狙って現れる風船売り
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