■托鉢(ビンタバーツ) 2003.1.20 update

タイは仏教国だというのはみなさん知っていると思います。でも日本の仏教とだいぶ違いますよね。日本ではあんなオレンジ色の袈裟は着ないし、托鉢だって全然見かけませんもんね。それに日本ではお葬式の時しかお坊さんを呼びませんが、タイでは結婚式や新居、開店などのお祝いの時もお坊さんを呼びます。これは仏教の伝わり方に原因があるのですが、タイ周辺の国ではみんなオレンジ色の袈裟を着ています。

タイのお坊さんは戒律がたくさんあってかなり厳しいんですよ。例えば「昼の12時から翌日の日の出までご飯を食べたらいけない」つまり1日2食です。「お酒を飲んではいけない」これは僕にはちょっと辛いです。「女性に触れてはいけない」ということは結婚もしてはいけないということです。女性に触れたら、それまで積んだ徳が全部なくなってしまうそうです。

実は僕は以前2週間だけですが、タイでお坊さんになったことがあるんです。その時一緒にいたすごく太った男の子が、「ご飯が食べられないのが辛い」と言って、3日ぐらいで断念しました。僕もお酒が好きなので大変でしたが、2週間飲まなかったら、健康になったような気がしました。

毎朝托鉢をするのが、お坊さんにとって一番の仕事と言ってもいいかもしれません。朝6時ぐらいに起きて、近くの住宅街(というか、僕の家がある所)まで片道20分かけて歩いて、そこのメイン道路を托鉢してまわります。大勢の人がご飯や花、お金ななどを用意して、お坊さんを待っているので、そこで立ち止まってお祈りをしてあげます。裸足で歩くので、慣れるまでは痛くて大変です。「ワンプラ(仏の日)」と言うのが週に1度ぐらいあるのですが(カレンダーに仏像の絵が描いてある日)、この日は特に人が多いので、お坊さんも気合を入れて行かなければなりません。帰りの荷物は半端じゃないですからね。

タイ語では托鉢のことを「ビンタバーツ」。ご飯や花などを喜捨することを「サイバーツ」と言います。つまり「ビンタバーツ」はお坊さんがすること。「サイバーツ」は普通の人がすることです。「サイバーツ」をする理由はいろいろあります。「悪い夢を見た」、「最近いいことがない」、「宝くじが当たるように」、「誕生日だから」、「サイバーツをすると気分がよくなる」等々。

タイではお金持ちも貧乏人も有名人も泥棒もみんな「サイバーツ」をします。「サイバーツ」をしたのにいいことがない人は、「サイバーツの量が少ないからだ」と考えます。いいことがあったら、お礼に「サイバーツ」をします。タイ人にとって、「サイバーツ」は日本人が神社にお参りに行く以上に大切なことであり、それだけ仏教への信仰も深いのです。

画像上:僕がお坊さんになった時の写真
画像中:得度式で剃髪。
画像下:托鉢(ビンタバーツ)、喜捨(サイバーツ)


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