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台湾のお正月は中国や香港と同じ旧暦のため、毎年日付が異なる。今年は2月6日が“除夕(チューシー)”つまり大晦日で、7日が“春節(チュンジエ)”となる。この日は“初一”ともいい、台湾ではこの日から数えて5日後の“初五”つまり2月11日までがお正月休みとなる。
旧正月のことを“春節”と呼ぶこともあるが、台湾では “過年(グォーニェン)”と呼ぶことが多い。年越しという訳が妥当であろう。旧正月が近づくと「もうすぐ過年だね」とか、「過年はどうする?」などといった会話があちこちで聞かれる。
さて、それでは台湾人はどのように“過年”を迎えるのであろうか。まず、お正月の1ヶ月前ぐらいから“大掃除(ダーサオチュー)”をしたり、“賀年?(ハーニィエンカー)”【=年賀カード】を送ったりするのは日本と同じである。このカードはクリスマスを兼ねてもおり12月から出してもよい。
  
それから“禮盒(リーハー)”つまりお年賀・お正月用の贈り物を準備する。最近ではお菓子の詰め合わせなどが人気で、コンビニの店頭などに山積みされており気軽に買うことができる。高級なお茶やお酒、からすみ、干し肉、干し貝柱などの乾物類は昔からの定番らしい。
お正月の二週間ぐらい前になると街に“赤”や“金”が増え、街が突然派手になる。これは各店舗でお正月飾りの販売を始めたり、お正月用ディスプレイに取替えたりするからである。皆さんもご存知の通り中華圏の人々のおめでたい色といえば赤そして金。街が日に日に横浜中華街や神戸の南京町のようになってくるからおもしろい。しかし、なぜかクリスマス・ツリーやサンタクロースはしまわれることはない。
同時にこの時期から市や町に“年貨大街(ニェンフォーダージエ)”と呼ばれるお正月の市が出る。有名なのは台北の廸化街(ディーホアージエ)で東京上野のアメ横のようなにぎわいを見せる。廸化街は試食し放題で、息ができないほど混雑すると聞いており、台湾ですっかり田舎者となった私はいつも近所の小さな市をのぞきにいくだけである。
私の住む町では今年は3日にようやく市が開き、大晦日までの4日限りの短い年貨大街となった。町の中心近くの通りを一本封鎖して長いテントを張り、そこでお正月に必要ないろいろな物を売る屋台が並ぶというわけだ。
画像左、中、右上、右下:“年貨大街(ニェンフォーダージエ)”【=正月の市】の様子。派手なお正月飾りや“春聯”、キャンディーが所狭しと並んでいる。 ※「9折」とは、9掛け、つまり10%オフのこと。
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年貨大街に入ってまず目につくのは“春聯(チュンリェン)”と呼ばれる赤く長い紙。春聯にはおめでたい言葉が書かれており、家やマンションの入り口のドアの上と左右に貼るもので、だいたいお正月の時に取り替えるようだ。既製品もあるが、書道家がその場で書いてくれる屋台もちらほら見られた。
ちなみに、私の住むマンションでは今年は特別にお正月前に“春聯”の無料プレゼントがあり、書道家がロビーでマンションの住民の一軒一軒ごとそれぞれ違う内容の“春聯”を書いてくれた。金運が良くなるとか、家庭円満とかリクエストをすればそれに合った内容の言葉を書いてくれるらしい。その書道家の先生によれば一般住宅用と商売用で言葉も異なり、またどれを右に貼るかなども決まっているという。
また真っ赤な春聯同様、お正月飾りもまばゆいばかりの金である。今年は鼠年なので、鼠をモチーフにしたものが大半だが、以前レポートでも紹介したパイナップル、魚(“余”と同じ発音、余るほど多いという意味)、みかん(金にたとえられる)、柿(“事事如意” 【何事も思い通りになりますように!】の“事”と同じ発音)の柄や“福”、“春”の文字をあしらったものなど見ているだけで楽しくなるものばかり。
テーブルクロスや菓子箱もお正月らしい色遣いで、この時期に買い換える人も少なくない。山盛りになったキャンディーの量り売りの屋台も多く、中にはコインや古代のお財布を模したチョコレートなどもある。お正月に子ども達に配るものらしい。お正月に食べる大根餅などの食材も豊富だ。
画像左:私の住むマンションでは“春聯(チュンリェン)”無料プレゼントがありました。書道家の先生が一軒ごとそれぞれ違う“春聯”を書いてくれました。
画像中:“年貨大街(ニェンフォーダージエ)”の様子。鼠年なので、鼠をモチーフにしたものが大半。
画像右:キャンディーなどは、お正月に子ども達に配るものらしい。
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傑作なのは下着の屋台である。女性用のブラ・パンティー・ガードル等すべてが赤い! 男性用のトランクスにいたっては、麻雀や龍や招き猫が描かれた超ド派手なものばかり。台湾では赤い下着や靴下は開運、縁起がいいとされ、特にパンツは“發財?(ファーツァイクー)”とか“招財?(ジャオツァイクー)”と呼ばれ金運やギャンブル運が上がると言われ、お正月に麻雀をする時など履くといいらしい。
お金といえば“紅包”も準備しなければならない。中華圏では結婚式もお葬式もお年玉も、そして年末のボーナスもすべて“紅包” 【=赤い封筒】にお金を入れて贈るため、経理の人はお正月前に銀行で新札を準備しなければならない。いやな職場も年末に“紅包”をもらうまでのガマン、年明けに転職というケースも多いらしい。
結局のところすべてがお金に結びつく、これが“過年”の正しい過ごし方なのかもしれない。だから新年の挨拶も、“恭喜發財” 【=お金が儲かりますように!】となるのであろう。
画像左:“開運!”下着売り場。
画像中:男性用の下着。
画像右:女性用の下着。ちゃんと鼠年仕様になっています。
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