■披露宴は道の上で 2007.12.18 update

台湾では結婚式やお葬式が路上で行われる。もちろんレストランやホテルでの披露宴もあるが、自宅前の道路を封鎖したり、公園や学校の校庭、廟の前の広場を借り切ったりしての披露宴もまだまだ各地で行われている。

台湾では一般的に婚約式と結婚式の2回披露宴(喜酒/シージウ)が行われる場合と合わせて大規模に1回で行われる場合がある。2回の場合は結婚(ジエフン)披露宴は新郎側の主催で大規模に、婚約(訂婚/ディンフン)披露宴は新婦側が主催で小規模に行われる。

披露宴で公共の場所を使用する場合、警察や役所などに前もって申請をする。許可が下りればその披露宴の間通行止めにすることができる。だから台湾の好日子(ハオリーズ)、日本で言う大安吉日にはあちこちで結婚式が開かれあっちもこっちも通行止めになり、とんでもなく遠回りをしなければならない羽目になったりする。

画像右:披露宴会場前の花輪には、“迂回して欲しい”旨の文章が書かれている。

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さて、いかにも台湾らしいこの披露宴はどのような流れで行われるのだろうか。今回はごく普通の路上婚約披露宴の一部始終を紹介することにする。

11月の大安吉日。その披露宴は私の学生さん(新婦)の自宅前の道路を封鎖して行われた。会場の手前には花輪が準備されており、赤い紙に『前有喜事・請車輌改道・謝謝合作』(この先披露宴のため、通り抜けできませんので迂回してください。ご協力ありがとうございます)というような内容が書いてある(画像最上段)。

自宅前には派手な色のテントが張られ、その下には赤とピンクを基調にしたテーブルと椅子が準備されている。招待客が入り始めるとテントの入り口には大きな二人の結婚写真が飾られる。

さて、まずは受付へ。自宅の玄関前に置かれた赤いテーブルが受付である。招待客は結婚祝いのお金(紅包/ホンパオ)をここで受付の女性に渡す。紅包はその名の通り真っ赤な封筒にお金を入れたもの。結婚祝い用の紅包に入れる金額は4を除く偶数の金額とされており、友人だと1,200元以上が一般的なようである。ピンクの台帳にサインをしてウエディング・ケーキ(喜餅/シーピン)を受け取り指定された席へ。喜餅とは大きな月餅のような伝統的なお菓子で一箱600元〜1,000元ぐらいが相場らしい。ちなみに引き出物はなし。

画像左:路上結婚式の外観。自宅前の道路を見事に封鎖。
画像中:玄関前の受付の様子。横に積み上げてあるのはウエディング・ケーキ(喜餅)。
画像右:喜餅は、新婦側の訂婚の時だけに配られる。

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今日は新婦側の披露宴であるため、招待客は新婦側の親戚や同僚、友人だけなのでなんとなくアットホームな感じである。服装もわりと自由だが、できるだけ赤やピンクの服を着て行った方がいいらしい。

ピンクのテーブルに着くとレンゲもお椀もティッシュも赤とピンク、同じくピンクの小皿に盛られた瓜子(カボチャの種などのおつまみ)をポリポリしながらお料理を待つ。各テーブルにはビールやジュースやコーリャン酒、などが置かれており、飲み始めてもOK。

一方、テントの奥では専門業者がゴーゴーと音を立てて豪快に料理を作っている。さて、一品目の料理が運ばれてくると、どうやら披露宴は始まったようである。カラスミは披露宴の定番メニューであるが、台湾ではお刺身も一般的である。

料理は次々に運ばれてくる。貝のサラダ、ニワトリを丸ごと煮込んだスープ、台湾風手巻き寿司(中はご飯ではなくキャベツの千切り)、大きな豚の肉などいずれも派手な盛り付けでありながらとっても大衆的な味。これがなかなか美味しいのである。

やがて新婦が両親とともにピンクのコップにお酒を入れて各テーブルを廻りあいさつをする。その間も料理は次から次へと運ばれてくる。全部で15品ぐらい。最近では1卓5,000元ぐらいが相場だが、高級ホテルやレストランになると途端に金額が跳ね上がるというのは日本と変わらないらしい。

画像左:テーブルクロスも、コップも、お椀も、ティッシュも、赤とピンク。
画像中:披露宴の定番メニュー、カラスミ・お刺身・鶏の蒸し肉など。
画像右上:専門の業者が豪快に料理を作る様子。大鍋でエビを揚げている。
画像右下:スピード勝負の盛り付けの様子。すごいボリューム!

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しかし、このボリュームは日本では考えられない。各テーブルに8人から10人ついても食べきれない。中華圏では料理は余るほど準備するのがよしとされているので、これはごく一般的な量といってもいい。「こんなに残してもったいない!」なんて人にはお持ち帰り用の袋がしっかり準備されているのでテイクアウトもOKである。

そうこうしているうちに、紅白の白玉だんごの乗ったかき氷が運ばれてきた。デザートの登場は終了の合図。私も大きな肉の塊やら茶碗蒸しを茶碗ごと持ち帰りように大量に持たされて、いよいよ退場。テントの外には新郎新婦が待っている。新郎はタバコとライターを載せたお盆を持ち、新婦はキャンディを乗せたお盆を持ちひとりずつ招待客を見送る。

路上披露宴は気取ったところが一つもない。赤とピンクだらけのテントの下でお腹いっぱい食べて、みんな笑顔で帰っていく。それを笑顔で見送る新郎新婦。ほのぼのとした雰囲気に披露宴の原点を見たような気がした。

※NT$(台湾ドル)1元=約3.42円(2007年12月現在)

画像左:大きな豚のもも肉! 塩コショウのみの味付けで美味。
画像中:ピンクのコップをもってカンパーイ!
画像右:新郎新婦のお見送り。お盆の上にはキャンディ、タバコとライターが。

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