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長年の夢だった “中央山脈をバスで山越え” (右の地図:赤のルート)を達成したのは昨年の10月。あれから半年、再び冒険のチャンスが巡ってきた。「土砂崩れで一部不通になっていた南部横貫公路が開通し、バス運行再開。」のニュースが飛び込んできたのだ。再び冒険心に火がついた! 今回のバスルートは台湾西部の台南から路線バスで山を越え、東部の台東に抜けるというもの。うまくいけば週末だけで国を半周することができる。九州とほぼ同じ面積の台湾だからこそ可能な旅だ。
台中(深夜)2時29分〜台南5時07分(台鉄)・・・電車(地図上の緑のルート)
台南7時00分〜天池11時40分(興南客運バス)(黄色のルート)
天池12時50分〜台東16時10分(国光客運バス)(黄色のルート)
台東16時20分〜台中21時32分(台鉄)・・・電車(緑のルート)
画像右:台湾全図。台南と台東を結ぶ黄色い線が南部横貫公路の山越えルート。
*NT$(台湾ドル)1元=約3.73円(2007年7月現在)
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バスは今回もまた二社を乗り継ぐ一日一本の一発勝負。途中にはまた3,000m級の山越えも用意されている。今回もバスが故障するのか? トイレ休憩はあるか? わくわくドキドキの南部山越えバスの旅は金曜日の深夜に静かにスタートした。
深夜2時29分台中発の電車は、早朝の台南駅に到着。天池行きのバスは台南駅前からでも乗車可能だが、どうせなら始発から乗ろうと安平の興南客運の車庫までタクシーで行くことに。台南から天池までは4時間40分の長旅。始発の「安平工業区」から「天池」までのバス停の数は129。ちょっと気の遠くなるような路線バスの旅は7時の発車と共に始まった。
21人乗りの小型バスの運転手は原住民のブノン族のお兄さん。「この路線を運転するのは今日が初めてなんだ!」と笑いながら言った。若干不安がよぎる。台中市内に入ると、無料乗車証を首からさげたお年寄りたちがドドッと乗り込んできた。まだ出発したばかりだというのに小型バスはお年寄りであっというまに超満員!
どうせすぐ降りるだろうと思いきや市街地を抜けても降りる気配は全くない。それどころかバスが止まるたび次々と乗ってくる。あまりのシルバーな混雑ぶりに運転手のお兄さんもちょっと困惑気味。
シルバーバスと化した路線バスは重い車体を揺らしながらのどかな果樹園の中を走っていた。よく見るとたくさんの果実に白い袋がかけてある。そう、ここはマンゴーで有名な玉井だった。私と友人が「マンゴー!マンゴー!」と騒いでいると、乗客のおじいさんが日本語で「マンゴーはまだ早いよ。あとひと月ぐらいしないとね」と教えてくれた。夏には町中がマンゴーの香りに包まれるという。
画像左:興南客運バスは21人乗り。台南〜天池は405元。
画像中:台湾全図。台南と台東を結ぶ黄色い線が南部横貫公路の山越えルート。
画像右:玉井のマンゴー畑。
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さて、出発してから2時間が経過、甲仙という町で10分間のトイレ休憩が許された。ついでにここの名物タロイモアイスを購入。ほんのりあまくて素朴な味。マンゴーの玉井からタロイモの甲仙の間に少しずつお年寄り達が降りて行き、有名な宝来温泉を通過する頃にはお年寄りは一人もいなくなっていた。
と同時にここからだんだん山越えらしい風景に。しかし山を登れば登るほど霧が濃くなってくる。そのうち前が真っ白で全く見えなくなった。しかしブノン族のお兄ちゃんは決してスピードを落とさない。視界ゼロに近い山道を猛スピードでいくつもの急カーブを曲がりながらぐいぐい登っていく。
生々しい土砂崩れの爪あとがあちこちに見られ、時々遠くに山水画のような高い山のシルエットが浮かび上がり、同時に耳がヘンになってきた。車内の気温も急激に下がってきている。やがて白い霧の中に「天池・標高2,280m」の看板が見えてきた。11時過ぎ、無事に興南客運の終点に到着した。
次に乗り継ぐ国光客運の小型バスは既に到着しており、これまた運転手はアミ族のおじさんで、車の中でお昼寝中。持参した食べ物で軽い昼食を済まし、おじさんを起こすと何を思ったかいきなりムクッと起き上がり、おもむろにエンジンをかけた。時刻表では12時50分発のはずが12時00分に出発、こういうところが台湾らしい。
しかしこの先がさらに激しい断崖絶壁のスリリングな道だった。相変わらず霧で視界はほとんどゼロ。下が見えないので恐怖は半減したが、同時に絶景ポイントも真っ白でちょっと残念。さて、本来ならここから一気に台東へ行くところだが、途中の霧鹿に着いたのは15時ごろ。さすがに8時間のバスの旅はキツかった。ここで途中下車して温泉付きのホテルに一泊することに。
画像左:ほんのりあまい甲仙のタロイモアイス。
画像中:天池に停車中の国光客運の小型バス。
画像右:恐怖の断崖絶壁。白い線のように見えるのがバス道。
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「天龍飯店」は赤い吊橋の向こうに立つ森の中のホテル。山奥とは思えないほど高級感にあふれている。ひんやりとした山の空気に包まれて露天風呂につかる至福の時!
実は路線バスの旅はここまで。台東発の電車の乗り継ぎが難しいため、ホテルから東部幹線の関山駅まで送迎バスをお願いすることにしたのだ。翌日、関山駅まで送ってくれたのもまた原住民の運転手さん。こうして台東までは鉄路で移動したのである。
何はともあれ、“週末で山を越えて台湾半周”というかなり強引な旅は無事成功したのである。
画像左・中・右:山の中とは思えない高級感あふれる「天龍飯店」露天風呂がGood。ツインルームは一部屋3,400元でした。
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