■今が旬!ラッキー☆パイナップル 2007.5.15 update

台湾で、バナナ同様一年中食べられる果物といえばパイナップル。中国語では“鳳梨”(フォンリー)と呼ばれるが、そのゴージャスな響きと字面が“パイナップル”よりもむしろ合っているように思う。庶民派のバナナに比べ、王冠のような葉を頭にのせ、黄金の豪華な衣装をまとったような外見は派手好きの台湾人には非常にウケがよい。

日本にはバナナを使ったスイーツは数多くあるが、台湾のケーキ職人によると、台湾にはほとんどない。それはバナナには「ありきたり」とか「安っぽい」というイメージがあり、バナナを使ったケーキはチープな印象を与えるとかで売れないそうである。一方、台湾土産の代名詞ともよばれるお菓子は「パイナップル・ケーキ」。ここでもパイナップルは格が上なのである。

そのわけはこのパイナップルの台湾語の発音にある。中国語で(フォンリー)、これが台湾語になると(オンライ)とよばれ、この発音が“旺来”という単語と同じであることから、縁起物として扱われているのだ。“旺来”の意味は、商売であれば客を呼び込む、お金を呼び込む招き猫と同じように考えられているらしい。他に、選挙ならば票を呼び込む、結婚であれば良縁を呼び込み、人気を呼ぶなどいいことづくめである。道教の神様を祭る“拝拝”(パイパイ)の時のお供え物でもパイナップルは常連である。また廟や神棚ではパイナップルの形をした赤いろうそくが使われている。

旧正月が近づいてくると街で開かれる「年貨大街」(いわゆるお正月飾りやお正月用の食品専門の市)でもパイナップルの形をしたグッズは人気があり、リボンをかけたパイナップルが贈答品として使われることも多い。千客万来の願いを込めて、開店したばかりのお店の軒下には真っ赤なパイナップル型の飾りが下げられる。まさにラッキー・パイナップルである。唯一お葬式やお墓参り、先祖をお祭りする時パイナップルは避けるらしい。あくまでも祝賀用ということか。これも同じアジア人としてなんとなくわかる気がする。

そんな人気者のパイナップルの畑は、バナナの樹同様台湾においてはあまりにも日常的な風景である。ちょっとした住宅街の裏などにも植えられていて、台湾に来たばかりのころはそれがとても新鮮だった。なにしろ私は台湾に来て初めて、“パイナップルが畑でできる”ことを知ったのだ。だから台湾南部の広大なパイナップル畑の中をドライブした時は、それはもう大興奮。自分が南国にいることを実感した瞬間でもあった。

そういえば南部の畑では農家の人がひとつひとつ長い葉を実の上で結んでいた。パイナップルは、ある程度成長してからは強い日差しは避けなければならないという。ある時、学生さんから「パイナップルが帽子をかぶっています」というタレコミがあった。その真相をさぐるべく近所の畑に偵察に行ってみると、確かにパイナップルが小さな帽子や袋をかぶって仲良くならんでいた。これも日焼け対策の一つなのだろう。

十分に日焼け対策を施され、鮮やかな黄色に色づいたパイナップルの旬は実は今! 4月から5月にかけてのこの時期である。パイナップルの産地は南部から中部にかけて広範囲にわたっているが、南部では台南の「関廟」、嘉義の「民雄」、中部では彰化の「芬園」、南投の「名間」などが有名だが、特に有名なのは台南の「関廟」だそうだ。

この時期になると市場にはパイナップルが山積みされ、荷台にパイナップルを大量に載せたトラックをあちこちで見かけるようになる。中にはその場で量り売りをしてくれる直売トラックなどもあり、食べやすく切って袋に入れてくれるので、気軽に買って食べ歩きすることもできる。相場はというと大きめのものなら1つ50元ぐらいで買える。実は小ぶりのものの方がおいしいという人もいるが、やはりこれは食べ比べてみないことにはなんとも言えない。

早速市場で大きめのものを50元で買い、さらに直売トラックの「関廟鳳梨」の小ぶりのものを28元で買って、切ってもらった。市場のお姉さんも、トラックのお兄さんも長いナイフで手早く切る、切る。まずは頭とお尻をスパッと切り落とし、縦にして皮の部分を上から下に、回しながら削っていく。皮を大きく削り、トゲトゲを小さく落とす、そしてまた皮とその繰り返しで、あっという間にカット・パイナップルが完成。縦長にカットするお店もあれば、一口サイズにカットしてくれるお店もある。さて、そのお味は・・・? うーん、どちらも甘くてジューシー。美味しく食べて運気もUP! ラッキー・パイナップルは是非とも旬に食すべし。

*NT$(台湾ドル)1元=約3.61円(2007年5月現在)

-文中の画像-
画像上右:市場に山と積まれた黄金のパイナップル「超あまいよ。1粒50元」と書いてある。
画像上左:パイナップルが帽子をかぶっています(近所の畑で)。
画像中右:パイナップルの日焼け対策。こちらは袋をかぶっています。
画像中左:「関廟鳳梨」の直売トラック、その場で量り売りしてくれます。
画像下右:この大きさで28元でした。
画像下左:直売トラックのお兄さんの包丁捌きに注目!

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□パイナップルのラッキーグッズ各種

画像左:その(1):開店したての店の軒先に飾られている、お客を呼び込む開運アイテム。
画像中:その(2):左奥が、新年のグリーティング・カード。右が、大正月飾りのパイナップル型ちょうちん。手前は、カードホルダー。
画像右:その(3):お気に入りの携帯ストラップ。


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