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台湾支線(ローカル線)の旅もいよいよ最終回。平渓線、集集線、そして台湾三大支線の最後を飾るのは、ビーフンで有名な新竹から内陸にのびる「内湾線」だ。新竹はなんといっても駅がかっこいい。日本統治時代に建てられた西洋風の駅舎は今も健在である(新竹については、また後日改めてレポートする予定)。
さて、まずは窓口で「内湾線一日乗車券」(74元)を購入。裏にイラスト入りの路線図があってなかなか凝っている。夏休み中ということもあって、ホームは家族連れやカップルで超満員! そのままガンガンにクーラーを効かせた車内になだれ込む。この内湾線は、新竹駅から終点の内湾駅まで約50分間の旅だ。
車窓からの景色は、日本の田舎のような山、田んぼ、川が幾度となく繰り返され夏休みに田舎に帰省するような気分、南国っぽさは少なめ。遠くまで広がる水田の間にところどころ古いレンガ造りの民家点在している。終点の二つ前の合興駅には時間があれば是非途中下車したい駅。木の板を並べた廊下のような小さなホームの奥に、レンガに赤と青でペイントした小さくてかわいい駅舎がある。まるでおもちゃのようなこの駅には「浪漫的追火車愛情故事」“愛する人を乗せた列車を追いかけたロマンティックなラブストーリー”があるという。無人駅ではあるが、何組ものカップルがここで途中下車をして記念写真をとっている姿が見受けられた。
やがて車窓の風景が水田から山へと変わり、気がつくと終点の内湾駅に到着していた。さっきまで詰め込まれていた乗客はここで一気に吐き出され、ホームにある内湾駅の看板の前ではみんな記念撮影の順番待ちをしている。人の波に乗って改札を出ると、こんなに山の中の小さな駅であるにもかかわらず、大勢の人であふれかえっていた。
駅前には、お土産屋と食べ物屋が観光客を待ってました!といわんばかりにずらりと軒を連ね、匂いまでごったがえしている。“夜市”好きの台湾人はとにかくこういう所が大好きだ。空を見上げれば真夏の太陽がジリジリと照りつけ、食欲も溶けてなくなりそうな日本人を尻目に、台湾人は次々と様々なにおいを放つ屋台や店に吸い込まれて行き、とにかくやたらに食べ、やたらに買い、やたらに店先に群がっている。台湾の人は本当に元気だ。
ぶらぶらと駅周辺を散策してみると、客家(ハッカ)料理の店やレストランが多いのに気づく。実はこの内湾線沿線は客家(ハッカ)人が多く住んでいる地域なのだ。笑えるのは、この駅周辺の客家料理店のどの看板にも“白飯免費”(ごはん無料!)とデカデカと書かれていることだ。これは普通の台湾料理店の看板には見られない。
というのもご飯はせいぜい一杯10元ぐらいで、無料だったり、おかわり自由の店も多いわけで、とりたててアピールするほどでもないからだ。そんなにこの宣伝文句が売りになるのかと首をかしげたくなるのだが、とにかくこの“白飯免費”というキャッチコピーはあちらこちらで堂々と使われていて、“ドケチ”の代表格ともいえる客家人の民族性をもアピールしているかのようだ。
その客家人はまた“頭が切れる”優秀な民族としても有名だが、内湾でイチオシのユニークなレストラン『内湾戯院』もまた客家人が手がけたものだ。その名の通り、50年前に建てられた木造の古い映画館の客席部分にテーブルを並べ、客家料理のレストランに仕立て上げたそのアイディアがすごい。また、実際に古い映画を上映しており、食事をしながら映画も楽しめるしくみになっている。
 
内装も徹底して「復古的」(懐古調の)にこだわり、壁には古い映画のポスターが所狭しと貼られており、片隅には日本時代の看板をぶらさげた昔のタバコ屋まで再現され、レトロなパッケージのタバコや薬を並べ、小物にいたるまでレトロを意識している。
木の階段をきしませながら登ると二階席で、古い映写機の前にもテーブルがあり大勢の客でにぎわっていた。料理はもちろんすべて客家料理だが数種類の「合菜」(コース料理)のみで、飲み物だけのオーダーというわけにはいかない(最低消費200元以上)ところがさすが商売上手な客家人! ヤリ手デス。

さて、お腹も満足したので外に出てみると、日差しはまだまだ手加減なし。涼を求めて近くの吊橋まで歩いて行くと、そこには異様な光景が! なんと橋の下の川辺に予想を超える数の人が“川”水浴中だった。中には上下服を着たままの人が水にプカプカ浮いている・・・。
まあ暑いから仕方ないかとイモ洗い状態の川辺を横目に吊橋を渡り始めると、川からの涼しい風が通り抜けていった。台湾の夏はまだまだこれからだ。
NT$(台湾ドル)1元=約3.5円(2006年8月現在)
□台湾鉄路管理局HP
http://www.railway.gov.tw/
画像上段
画像左:小さくてかわいい合興駅。カップルなら途中下車すべし。
画像中:内湾駅のホーム。駅の看板の前でハイ、チーズ。
画像右:内湾線の終着駅「内湾駅」前。家族連れでにぎわってます。
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画像中段
画像左上:内湾で話題の客家料理レストラン『内湾戯院』の外観。
画像右:『内湾戯院』の内部。古い映画を見ながら客家料理に舌鼓。
画像中:『内湾戯院』の二階席。手すりから身を乗り出す女の子までレトロ?
画像左:『内湾戯院』内部の昔懐かしいタバコ屋。力王太郎(ゴム底の地下足袋)、塩、RC Colaのホーロー看板が。レトロなタバコは非売品だそうです。
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画像下段
画像左:内湾駅近くの川にかかる吊橋。
画像右:川辺はイモ洗い状態。“川”水浴中の台湾人の群れ。
【短信】7月25日は旧暦の7月1日。台湾では7月は“鬼月”といわれ、この日の深夜0時には“鬼門開”といい鬼の門が開くという。中国語の“鬼”は日本語では幽霊、お化け、霊に相当し、つまりこの世とあの世の境目である門が開かれ、霊がさまよう月なのである。この月には海で泳いではいけないなどいろいろな迷信があるらしい。ちょっと怖い1ヶ月だが、今年はなんと閏(うるう)の7月があるという。開放時間が1ヶ月延長される鬼の門、2ヶ月も開けっ放しで大丈夫? (8/1)
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