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延々4.5kmも続く樹齢60年以上の老樟樹(クスノキ)の並木道。空をも覆い隠すほど豊かに茂った緑の木の葉の隙間からは、南国の太陽の光があふれる。ここは台湾中部のローカル線、集集(ジージー)線に並行して走る「緑色隧道」(緑のトンネル)だ。
この木は日本統治時代に植えられたものだという。またここは、だいぶ前日本の某有名飲料メーカーのCMのロケ地として使われたこともある。かくいう私も当時そのCMを見て以来この場所の魅力に取りつかれ、今ではすっかり地元の人も顔負けのリピーターと化している。
この「緑色隧道」は、やはり自転車で風を切って走るのが最高に気持ちいい。まだ気温の上がりきらない朝のうちに、車の少ない時間を狙って道路を占拠して走れば気分爽快。長い下り坂を下りて行くときは思わず大声をあげたくなるほどの心地よさ。自転車は「緑色隧道」に一番近い龍泉駅で下車し、駅前の「出租脚踏車」(レンタサイクル)屋さんで借りる。普通の自転車なら一日100元、2〜3人乗りの「協力車」なら150元から。
ちなみに龍泉駅には改札がなく、線路から直接ホームに入れるようになっている。「緑色隧道」を端から端まで自転車で走っても十分だが、ちょっと脇道にそれると一応サイクリングコースがあり、日本とはまた違った田園風景が広がっている。大きなバナナの葉の下でひと休み。見上げると高い木の上に青いパパイヤの果実がたわわに実っている。ここはまさに台湾の田舎を120%感じることができる場所だ。
さて、この長い「緑色隧道」をひたすら自転車で走っていると、うまく時間が合えば隣の線路を走る集集線の列車とすれ違う。この集集線は、西部幹線の二水駅(彰化縣)を起点に南投縣の山中にある車埕駅まで区間30kmの台湾中部の田舎を走るローカル線だ。二水〜車?間は単線のため上下線あわせても18本という、ゆったりとしたダイヤなので列車を拝めるのは2時間に一本程度。めったに列車は来ないのでサイクリングに疲れたら、線路の上を歩いてもいい。
線路の両脇には熱帯の植物がものすごい密度で勢いよく生い茂り、まるでジャングルの中を走る路線だ。線路の上で記念撮影をしている人、次の列車を待ってカメラを構えている「鉄路迷」(鉄道ファン)も少なくない。そんな観光客を狙ってか付近には数台の移動式カフェのトラックが何台か止まっていて、コーヒーのいい香りをあたりに漂わせている。
  
それではいよいよ集集駅から「小火車」に乗り込もう!集集駅は全く日本の古い駅そのもの。残念ながら1999年の台湾中部大震災で日本統治時代からの歴史ある木造の駅舎は倒壊してしまったが、その二年後に見事に復元された。
駅そのものは小さいが、駅前はお土産やレストラン、レンタサイクル屋が密集し観光客でごったがえしている。駅周辺にはひまわり畑や陶芸を楽しめる所の他、以前紹介した“バナナばかりを扱う市場”(いまどき報告2005年5月)もあるので自転車で回っても楽しい。
同じくこの大震災で一階部分が倒壊した廟「武昌宮」もこの近くにある。ノスタルジーの代名詞ともいわれる集集線らしく、この駅舎は瓦屋根から待合室までまるで日本の駅だ。80元の一日乗車券もあるが、昔懐かしい硬い往復切符を買ってはさみをいれてもらう。
列車に乗り込んだら、子供になった気分で先頭車両の席から車窓の風景を楽しみたい。隣の狭い運転席でハンドルを握っている運転士さんはもう10年もこの路線を走っているという。二水駅の停車時間の合間に新聞紙にくるまれたお弁当箱を広げて、愛妻弁当を自慢してくれた。
  
集集線の駅は二水、源水、濁水、龍泉、集集、水里、車埕の全7駅。片道わずか40分ながら車窓の風景はさまざまに変化する。列車は二水から徐々に高度を上げて行き、やがて山の中の車埕駅に着くというルートだ。よって二水〜集集間はのどかな田園風景を抜けていく。実はこの区間が一番南国らしい車窓の風景を楽しめる。
サイクリングを楽しんだ「緑色隧道」を横目に集集駅に到着。集集駅からはいくつものトンネルを抜けてだんだん山の中へ入って行くのだが、この区間では国道を挟んで並行して流れている濁水渓の向こうに山水画のような山々がぼんやりと横たわっているのが見える。
終点の車埕駅は台湾の鉄道では数少ない行き止まりの駅「最後火車站」(最後の終着駅)としても有名だが、その一つ手前、水里駅は集集線最大の駅。ここからはさらに山奥の東埔(トンプー)温泉や有名な日月潭(リーユエタ)へのバスも出ている。まだまだ旅は終りそうにない。
* NT$(台湾ドル)1元=約3.53円(2006年7月現在)
□台湾鉄路管理局HP
http://www.railway.gov.tw/
集集線には、一日2本ほど台中駅発着の列車もあります。
画像上段
画像左:「緑色隧道」緑のトンネル。自転車で走ると気分爽快!
画像中:まるでジャングル。めったに列車が来ないから線路の上を歩いても大丈夫?
画像右:サイクリングコースの風景。台湾の田舎度120%!
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画像中段
画像左:サイクリングコース脇のバナナ林。ここで一休み。
画像中:パパイヤの木。青いパパイヤの果実がたわわに実ってます。
画像右:のどかな集集駅の看板。
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画像下段
画像左:集集駅。日本時代の木造の駅舎です。
画像中:まさに南国。ビンロウが立ち並んでいます。
画像右:先頭車両からの車窓から見た風景。右側は全部バナナです。
【短信】日本で大人気の少女マンガ「花より男子」が2001年に台湾で「流星花園」というタイトルでドラマ化されてからはや5年。ドラマのキャラクターF4を演じた4人組アイドルが同じ“F4”の名前でデビューし、アジア全域で大ブレイク。日本にもこの台湾版ドラマが逆輸入されて大人気だったとか。今年の夏はジャニーズの松本潤君主演の日本版「花より男子」がまもなく台湾のテレビに初登場! 「花より男子」ブーム再来か?(7/4)
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