■10月2日の事を忘れないで! 2007.11.6 update

最近の世界ニュースで、ミャンマーの政府軍による僧侶や大衆への弾圧事件で、死者が出たというニュースがあった。死者は公式に言われているより、ずーと多いだろうという。そうだろう。

そんなニュースを聞いて、メキシコの過去のひとつの悲しい事件をメキシコ人も、メキシコに住む私も、決して忘れてはならない事と改めて思う。

それは、1968年のメキシコオリンピックの10日前、10月2日の出来事。当時、メキシコ政府に対する、学生を中心とした抗議運動は、大きく、大きく広がっていた。メキシコシティ・トラテロルコ地区の三文化広場(La Plaza de Tres Culturas)で、大勢の学生や一般の大衆を集めた大集会が開かれていた。午後5時30分、ヘリコプターが、その上空を飛んだ。そして、ひとつの合図と同時にメキシコ軍が、広場になだれ込み、銃器で大衆を撃ちまくった。

銃で撃たれその場に倒れる人、逃げ惑う人々に、容赦なく銃の弾丸が放たれた。近くの住居に匿ってもらう人さえをも、ドアを蹴破って、追跡した。信じられない事が、その時起きた。その時の死者は、300人を超えただろうと言われている(政府側発表は30名程度)。

そんな事件(トラテロルコの虐殺、トラテロルコ事件)が、なかったかのようにその10日後、世界中の人々を集めてのメキシコオリンピックが開催された。平和のシンボルを掲げて。信じられない事が、なんの不思議もないように起こった。

その後、39年の時が流れたが、その責任者は誰も今なお罰せられていない。人の命が、虫けらのように殺されたというのに、なんの武器も持たず、平和に、政府の政治を抗議しただけなのに。こんな事が許されていいのだろうか?

毎年10月2日、その歴史を言い伝えられた学生達が、トラテロルコの生き証人達が、午後4時トラテロルコに集合し、ソカロ広場に向けてデモ行進をする。二度とこんな事が起こらない事を願い、10月2日の事を忘れないために、そして、この事件の責任者を罰するように要求して、また、今、形が違うかもしれないが、政府の国民への圧制を抗議して、デモ行進する。

また、一方、近年、このデモの行列に入り込み、それを利用して暴動行為をする輩がいて批判の的になっている。若者にも色々いる事はある。真面目に10月2日の事件を憂い、デモに参加をする者も多いが、少数ではあるが、暴動行為を働く若者もいる。それは、本当に情けない事である。

今年、私も、このデモと一緒に、トラテロルコから、ソカロまで、歩いてみた。私のダンナも、義弟も、このトラテロルコの生き証人である。今は寝たきりになってしまった姑もその当時、プラカードを持って、抗議デモに参加したという。

メキシコ人は10月2日の事を忘れない。忘れてはならない。それを、子供たちに語り継ぎ、再び、そんな事が起こらない事を願いたい。メキシコだけでなく、世界の何処においても。

画像上右:デモする人々。
画像上左:三文化広場にある記念碑。この日、多くの花が献げられている。
画像中右:ポリスが、政府の建物の前に並んで警備している。
画像中左:心ない若者によって、街に落書きが書かれた。
画像下右:デモ行進する学生たち。
画像下左:デモの最終集合地、ソカロ広場に集まった人々。

【短信】メキシコも秋のようです。野に、秋の花、コスモスが咲き乱れています。空も、青いです。(10/14)


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