■紙幣から知るメキシコの物語、歴史 2006.5.16 update

以前、コインの物語りを書いたので今回はお札について。日本でもお札に描かれているのは、歴史上の重要人物であるが、メキシコのお札に描かれているのも、メキシコのそれぞれ、重要人物であり英雄である。

メキシコのお札は、20ペソ、50ペソ、100ペソ、200ペソ、500ペソ、そして、ほとんど市場に現れない1,000ペソである。私も、1,000ペソが発行されてから、一度だけお目にかかっただけ、高額のお札には縁がないと言うだけでなく、発行数が少ないらしく、今回この原稿を書くに当って、銀行で欲しいと言ったが、ないと言われた。

【20ペソ】
これは、メキシコ歴代大統領の中で最も尊敬されているベニート・ファレス。残念な事にメキシコの過去の大統領、尊敬される大統領がほとんどいないという事も事実であるが。メキシコの英雄の中でも、このベニート・ファレスは唯一、祭日もあるという人。彼の生誕祭3月21日が休み、祭日である。特に今年は、200年祭という事で、いろいろイベントもあったよう。つまり、200年前に生まれた人である。

彼は1857年改革憲法を制定し、大変革新的なりっぱな政治を行ったというだけでなく、メキシコ社会でもっとも恵まれない先住民、インディヘナの孤児で、ある意味、もっとも出世した人と言える。今なお、メキシコの政治家は、彼を持ち出し、自分もそれに値するかのようにして、国民に媚を売る(今、まさに大統領選挙運動の真っ只中です)。

紙幣の表はベニート・ファレスの肖像。裏はファレスの記念碑。



【50ペソ】
メキシコ独立の英雄であるホセ・マリア・モレロス。メキシコ独立の父というのは、イダルゴ神父であるが、イダルゴは、独立戦争が始まった、翌年、1811年には、殺されてしまい、実際、独立運動を引き継いでいったのは、イダルゴの弟子であったこのモレロスである。そして、まさに、彼の独立の思想は、奴隷制および身分制をすべて廃止して,異人種平等の下での主権在民と普通選挙権が確立されるような国家の建設をめざす事であった。

表はモレロスの肖像。裏はミチュワカン州のシンボル的モナルカ蝶、ハニツオ島とパッツクワロ湖の蝶網漁の様子など。モチュワカンはモレロスの出身地、州都はモレロスの名にちなんで、モレリア。


 


【100ペソ】
先スペイン期のアステカ時代のテスココの王であり、勇敢な戦士であり、当に詩人で哲学者である文化人のネツァウアルコヨトル王。彼の詩のひとつが彼の肖像の横に小さく、小さく書かれている(あまりにも小さくって、虫眼鏡でも良く見えない)。

紙幣ネツアルコヨトルのの表は肖像。裏はアステカ時代の詩と音楽の神様の像。


 


【200ペソ】 また、文芸人。文学の人。ソル・ファナ・イネス・デ・ラ・クルース。日本で樋口一葉がお札になったけど、メキシコの樋口一葉と言うより、当に、紫式部か清少納言か? 彼女は、植民地時代の17世紀後半、修道女として一生を修道院の中で過ごす。だが、彼女の文学的才能を、その狭い修道院の中で沢山の作品として残すという人である。

紙幣の表はソル・ファナの肖像。裏は彼女が過ごした修道院「サン・ヘロニモ寺院」。


 


【500ペソ】
メキシコは、スペインからの独立後も、アメリカ、フランスの侵略戦争で、国を失う危機に会っている。1862年のフランスの侵略戦争のプエブラの戦いでの英雄が、500ペソの人 イグナシオ・サラゴサ将軍である。この最初のプエブラの戦いでは、メキシコは勝ってたが、その後の戦いで負け、1864〜1867年、フランスの統治で、マクシミリアム皇帝時代となる。

紙幣の表はサラゴサ将軍の肖像とプエブラの戦いの様子。裏はプエブラのカテドラル教会。


 


【1,000ペソ】
これは、メキシコの独立の父、イダルゴ神父が描かれているが、前述のような理由で画像を載せられなかった。彼は、過去のコイン、お札にも、何度もなっている人で、この人をコインお札から、除外することはできないようであるが、あまり、お目にかからないなあ。残念!

メキシコへ旅行して、メキシコのお金を手にしたら、そんなメキシコの歴史も、ちっらと垣間見てください。

右上の画像は、20ペソ札の裏側にも描かれている、ベニート・ファレスの記念碑(メキシコ市アラメダ公園)。独立運動開始から100年を記念した1910年に完成。

【短信】メキシコ、普通は、5月中旬から、6月の初めにかけて雨季になるのですが、今年は雨季が早く来たのでしょうか? もう、ここ一週間、ほとんど毎日雨が降ったりしています。半年の乾季から、雨の恵みに、植物は喜んでいる事でしょうが、私は傘を持たずに出かけ、雨に濡れてしまいました。半年前、何処かにしまってしまった傘を捜さなければ。。。。(5/2)


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