■テキーラとプルケ、そしてアガベ 2005.6.6 update

メキシコ!と言うと、テキーラ!、サボテン!と言う掛け声が聞こえて来そう!? そして、多くの人に、メキシコのお酒テキーラはサボテンのお酒と思われている。

サボテンというと、あのトゲトゲのサボテンをイメージすると思うが、テキーラをつくるのは、サボテンの仲間というか、多肉植物の中のアガベという植物で、特に、テキーラの原料になるのは、アガベ・テキレロ、又はアガベ・アスール(葉が青みがかったアガベ)という種類である。

テキーラは、スペインのメキシコ征服後に作られた蒸留酒であるが、もともと、メキシコの先住民に、古い時代から飲まれていたお酒は、プルケという。プルケは、このアガベの種類マゲイ(竜舌蘭)の厚い葉のから出る甘い液(アグア・ミエル=蜜水)を自然醗酵させて作ったお酒である。

テキーラはアルコール度が40度近くある強いお酒であるが、プルケは、4〜6度くらいで、自然醗酵させただけの生酒であるから、数日しかもたない。プルケは、10年ほど前までは、メキシコシティーの居酒屋でも飲めたが、今は、田舎にでも行かないと飲めないと思う。

前には、毎週週末になると、我が家の家の近所の居酒屋へ、ロバに豚の皮で作った袋にプルケを背負わせて、プルケ売りがやってきたのを見かけたものだった。

プルケは古いメソアメリカ文明の中で、特別の人だけが飲めた。偉い神官が、宗教儀式のために飲酒したり、又は、病人や老人だけが栄養酒、薬酒として飲めたお酒である。

アガベは、成長し、お酒の原料として収穫できるのに、7年ほど必要というので、テキーラの産地は、グアダラハラ・テキーラ村であるが、原料不足になっているそうだ。

マゲイは、酒をつくるのに使われただけでなく、メソアメリカ時代は、葉の繊維を糸として、衣類を作った重要なものであった。また、その葉の先は、針となり、鉄の利用を知らなかった時代、アステカなどの遺跡からも、生贄の血を絞り出すのに、使われた針として発見されている。

また、そこそこ、60年ほど前までは、マゲイの若い葉の繊維は、市場で売られ、また大変効果のある石鹸として使われたとは年取ったわが姑のお話。マゲイの葉の中にいる芋虫は、大変美味しい(そうだ!)。メキシコの高級料理だ!

画像右上:スパーに並ぶ色んな種類のテキーラ
画像左上:アガベ・アスールはテキーラの原料のアガベ。今、産地のグアダラハラ地方は連作で育たないので、他の地方、オアハカなどで栽培している。オアハカ地方の山々は開墾され、アガベの畑になっている。
画像右下:プルケの原料になるマゲイ、竜舌蘭。
画像左下:国立宮殿のディエゴ・リベラの壁画。先スペイン期のマゲイ利用の様子が描かれている。

画像左:マゲイの中心部を切り取ったところに甘い樹液がたまる。それを、穴を空けたひょうたんですくい上げ、寝かしてプルケにする。
画像中:糸と針になる。葉の繊維と葉の先の針
画像右:葉の皮をはがすと、先スペイン期の紙となる。

【短信】メキシコは、もう雨季で雨が降らなければの季節なのですが、まだ、ちらちらしか降ってません。もう雨が降らないと、農家の種まきが遅れて、困るだろうと思います。雨が降らないと、今の季節、最高に暑いです。今、太陽が天頂にあります。(5/26)


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