■メキシコの美容院事情 2002.6.3 update

メキシコの若い女性達はどうすれば自分の美しさを引き出せるのかをよく知っている。それは決して流行に左右されるものではなく、確固とした自分を持っている。アメリカに近いとはいえ、アメリカやヨーロッパ、日本と違ってどちらかといえば流行にうとい。10代、20代前半で多少の流行りらしきものがあるにはあるが、日本の様に猫も杓子も、というカンジではないので、なかなか分かりにくい。しかも、それらの流行りは大抵のものが前述の他国に比べてかなり遅れているのだ。メキシコの商業界自体、流行を追い求めなくても経済が回っていくということも流行の波に追いつけない一つの理由なのかもしれない。しかし、一人一人が自分に似合ったもの、自分の好きなものを選んでいるので、その個性の違いや多様性は見ていてとても楽しいものだ。

ヘアースタイルに関しては、メキシコ人は分かりやすい美しさ、つまりきちっと整えられた髪型を好む。メキシコ人には天然パーマの人が多いが、それは全体に縦巻きのパーマがかかった、決してストレートの人が美容院でかけることの出来ない、それはもう見事なパーマである。だから日本人のように天然パーマがかかっていることは悩みにはならないし、髪の量も多いほうが美しい、と思っているのでどんなに髪の量が多くても、それをわざわざ減らそうとは思わないようだ。だから日本で流行っているような毛先にレイヤーの入った軽めのヘアはどうにも受け入れ難いらしい。無造作ヘアなんてもってのほか。そんなセットで出掛けると、容赦無しに“どうしてセットしないで出てきたの?”と質問されてしまうのだ。だから、美容院に行ってこんな風にして下さい。と日本で流行っている髪形の写真を持って行ったとしても、あっさり却下されてしまう。ある時、レイヤーを入れてくれるよう頼んだら、なんと、階段型に3段に切られてしまった。そしてその後、これを大きなカーラーで外巻きにセットすると、すっごくステキなのよ!と言われたが、本当にそう思ってわざわざ3段に切ったのか、それともレイヤーが出来なかったのでそうなったのか、怪しいところである。

メキシコでは1年間美容学校に通えば簡単に美容師になれる。とりわけあまり設備も必要無い?ので資本金も少なく、すぐに店が持てる、ということもあって人気のある職業と言える。 メキシコの美容院はほとんどが男性女性兼用で安いところは、男性ひと頭15ペソ(約200円、もちろん髭剃りは入っていないが)、女性30ペソ(約400円)と、かなりリーズナブルだ。しかし、やはり安いだけあって洗髪システムがなってない所が多い。そのような場所ではカラーリングも70ペソと安く、スーパーなどで液を買って持参すれば30ペソ、とまけてはくれるが、なんせ洗髪システムがなっていなかったりするので要注意(洗面台があってもシャワーがついてないのでバケツに水を汲んで、桃缶で水を掛ける、といった感じ)である。よっぽどのことがない限り日本人はそんな所へは行かないとは思うが、値段が10倍くらいする、ちょっと高級感の漂うところへ行ってもさほど技術的には変わりないように思える。値段が30ぺソであろうと300ペソであろうと、所詮日本人の納得のいく髪型にはしてもらえないし、パーマを掛ける時も、顔やら首やらに液がボトボト流れてきて一向に気が抜けない。日本の美容院のように、ちょっとウトウトしちゃった…ということは有り得ないのである。

しかし!美容院で苦労している日本人にも明るい光の兆しが見えてきた。ようやく、日本人のレイヤーの入ったすだれカットが認知され、その技法を学びに行く美容師たちが増えてきたのだ。日本で流行り始めてもう2,3年、これがメキシコ人の間で本当に浸透してゆくのにはあと何年くらいかかるのだろうか…。

画像上:かろうじてある洗面台
画像下:羨ましい天然ヘア


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