かつてはイギリスの植民地であり、現在はイギリス連邦の国の一つとして英国とは深い関係にあるオーストラリア。英国の影響は文化や日々の生活の至る所で見られますが、イタリア系移民が少なくないオーストラリアでは、ほっと一息つく時の飲み物は紅茶(English Tea)よりも、むしろコーヒーに人気があるようで、この点に関してはやや事情が違うようです。
オーストラリアではなんと1人当り年間平均2.4kgのコーヒーを消費すると言われており、コーヒーはオージーの生活になくてはならない存在です。店舗数は日本の喫茶店の比ではないものの、シドニー中心部は言うまでもなく、市街地のメインストリートには、必ずカフェもしくはテイクアウェイショップ(コーヒーを含めドリンク類も販売している)があり、どの店もコーヒーを楽しむ人たちで賑わっています。
そんなコーヒー大好きオージーのコーヒーに関する調査がシドニーの新聞社によって行われ、その結果が紙上で報告されていましたので、ご紹介したいと思います(2008年2月24日付「サンデー・テレグラフ」紙より)。
サンデー・テレグラフ紙によれば、好んで飲まれるコーヒーのタイプには独特の地域性の違いがあるとの事。逆に言えば、あなたが普段好んで飲むコーヒーで、お住まいのエリアの見当がつく、かも?!って事らしいのです。
まず、シドニー東部(ボンダイ、ダブル・ベイ、クージー周辺)と北部エリア(モスマン、アータモン周辺)では、ヘルシーな低脂肪牛乳 (Low Fat Milk)や豆乳(Soy Milk)をリクエストするコーヒーオーダーで、カフェ・ラテやチャイ(厳密に言うと紅茶のバリエーションですが、トレンディな飲み物として人気が上がっている)が多いそうです。
シドニー西部(オーバーン、パラマタ周辺)と南部一帯(クロヌラ、キャンベルタウン周辺)ではたっぷり大きめのカップでノーマルな成分無調整牛乳(Full Cream Milk)でのコーヒーを好み、カプチーノにチョコパウダーを多めにトッピングしたり、フレーバーシロップで風味付けしたカフェ・ラテを好む傾向があるそうです。
シティ周辺ではオーソドックスな濃いめのブラックコーヒーが好まれる傾向ですが、若年層の間ではこの傾向はあまりなく、やはり流行先取りタイプの傾向があるそうです。
また、シティ周辺のトレンディなエリアではコーヒーを飲むと言う事がステイタスシンボルとなっており、おしゃれなカフェに足繁く通い、リッチな雰囲気でコーヒータイムを楽しむ事が重要視されていると、社交トレンドに詳しいニーア・コーン氏がコメントしています。
コーン氏によると、西部エリアでは、コーヒーは味重視で、とりわけ毎日カフェに通わない人にとっては、コーヒータイムはとても大切なひとときと捉えられているようです。
イタリア系移民が多く住むエリアのライカートでは、まさに「量より質」、「花より団子(ちょっと意味が違う?!)」の世界で、コーヒー至上主義。店構えなどは関係なく、祖末なプラスチック製の椅子に座らされようと、味、香りの良いコーヒーがあればそれが一番なのだそうです。
コーヒーの好みの傾向を見ていると、確かにシドニーのエリアの特性とよく関連しているように思います。一般に、東部は高級指向で小ジャレたトレンディなエリア、ノースはお上品指向、ウエストやサウスは下町庶民的といわれているので、なんとなく頷けます。
詳しいエリア別コーヒー分布図は以下の通りです。
シティ+東部(ボンダイなど):豆乳チャイ(インド風ミルクティー)
シティ近郊(西部ライカートなど):マキアート(エスプレッソコーヒーに泡立てたホットミルクを一さじ程落としたもの)。マキアートには「染み」と言う意味があります。
シティ近郊(北部マンリー、チャッツウッドなど):カフェ・ラテ(エスプレッソコーヒーにホットミルクを加え、泡立てミルクをトッピングしたもの)
北部(ホーンズビィなど):紅茶
北西部(パラマタ、ペンリスなど):カプチーノ(エスプレッソコーヒーと同量のホットミルクにたっぷりと泡立てミルクをトッピングしたもの)
西部(バンクスタウンなど):ターキッシュ・コーヒー(トルコ式コーヒー、量が少なめで予め甘みが付けられた濃いブラックコーヒー)
南西部(キャンベルタウンなど):キャラメル風味ラテ
南部(サザーランド、クロヌラなど):マグチーノ(マグカップで頂くカプチーノ)
来る7月6日(日)には、シドニーのロックスにて、第11回ロックス・アロマ・フェスティバルが開催されます。大手のカフェチェーンから家族経営のコーヒー豆業者などが一堂に会し、どの出店でも1杯1ドルでコーヒーが振る舞われます。様々なコーヒー豆を飲み比べできる絶好の機会です。昨年(2007年)のフェスティバルでは10万人近くの人々がコーヒーの香りを堪能したそうです。
実はロックスは、オーストラリアで最初にコーヒーやチョコレート、スパイスの貿易が始まった場所で、コーヒーにもっとも縁が深い土地なのだそうです。機会があれば、ぜひオーストラリアのコーヒーの”発祥地”ロックスでコーヒーの香りを楽しんでください!
画像上右:カフェのチェーン大手「グロリア・ジーンズ(Gloria Jean's Coffees)」のカプチーノ・レギュラーサイズ($3.35)。カプチーノ上のチョコパウダーは自分で好みの量を振りかけられます。
画像上左:ハート形にデザインしたカプチーノ。おしゃれなカフェではバリスタがこのように絵(カプチーノ・アート)を描いてくれます。
画像下右:ホーンズビィエリアは紅茶が好まれているせいか、紅茶専門店が開店。日本茶もありました。やっぱりお高めでしたが...(^^;)
画像下左:エリア別コーヒー分布図
【短信】日本では某ハンバーガーチェーンが100円で本格的なコーヒーを提供し、大人気とか。こちらの同チェーンでも、よく似たコーヒーマシンを使用して、ボタン一つでカプチーノ、カフェ・ラテなど本物の豆を使用したコーヒーを提供しています。価格は約$3.00で、大手のコーヒーチェーン店よりやや安め。併設のカフェでは、機械を使用せず、もちろん手作業でコーヒーを作ってもらえます。(4/25)
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