■意外な対策にビックリ! ナポリのゴミ騒動その後 2007.12.4 update

2,700トンものゴミが路上に放置され、学校も閉鎖になって大きな社会問題まで発展したニュースを今年6月にお伝えしましたが、今回はその後のお話をしたいと思います。何も今に始まったわけではないゴミ問題……毎年繰り返されていたゴミの放置ですが、今年は特に酷く、イタリア国内だけでなく世界中に報道された大ニュースとなってしまったので、行政も『夏までには完全解決を』とアナウンスしましたが、さて一体どうなったのでしょう……。

まず最初に市民に告げられた事は、ゴミの分別でした。ええ、そうです。実は今まで分別はまったくなし。生ゴミも紙もプラスティックもガラスも何もかも一緒くたに回収されていました。こんな状況でしたのでゴミが大問題になるのは当然……と言った感じですが、先ずは基本の基本、ゴミの分別を徹底する事を市民は強いられました。

分別は、生ゴミ、紙、プラスティックや金属などの燃えないゴミ、ガラス類……と4種類です。とても分かりやすい分類だと思いますが、これまで一度も分別をしないで過ごしてきたのですから、それはそれは大変な変化でした。折角分別ゴミ制度を導入しても、キチンと分けられていない事ばかり。『今まで自由だったのだから、分別の習慣が全市民に根付くのは、相当先ではないか……』と私も心配していたのですが、その次に行政側が行った改革には驚きました!

なんと、この市全体のゴミ回収を一軒一軒行うというものでした。ゴミの収集所を廃止し、ゴミは各自の軒先、門先に決められた時間に置く。それを回収員が一軒一軒集めに行って、分別されていないゴミは回収しない、という取り決めでした。

日本でも、ちゃんと分けられていないゴミは回収されていないと聞きますが、こちらの措置はゴミ収集所を廃止してしまった事に大胆さを感じました。でも、そのくらい思い切った対策を取らないと分別は徹底しないという判断だったのでしょう。一軒一軒の住宅にゴミ回収に行くのは、相当な人数と時間がかかると思いますが、分別願いを出しただけでは浸透しない状況をすぐに見極め、この改革に進んだのは良い事だと思います。一軒ずつのゴミ出し制度にすれば、誰が分別していないか、すぐに分かりますからね。

マンションなどの集合住宅は、さすがにそうはいきませんが、マンション毎のBOXも新しく設置され、その中で回収されなかったゴミは管理人さんが住民に告知を出して、分別を徹底するようにしているそうです。

実は、以前から『一軒一軒ゴミ回収が来る』システムもあった事はあったのです。住宅だけの小さな通りの場合、大きなゴミ回収BOXの設置があっては美観も損ねますし、そういう場所ではBOXは置かれずに各自の玄関先にゴミを出すスタイルが取られていました。

私の住む通りはBOXを置くスペースは十分あったのにも関わらず、近所に市長宅があるという事から特例扱いを受けており、前からこの方式での回収でした。このように一部では既に実施されていた事ですので、全く新しい試みではなかったにしても、今までは一部だけだった事を全市内で行う事に変更したのは本当に『一大改革』であったと言えます。

以前は大型、中型の回収車のみでしたが、今では小さな路地でもスイスイ走れる小型の回収車を頻繁に見かけます。市の職員だけではもちろんまかないきれませんから、新しく専門業者を数社雇い、なんとか順調に『ゴミが溢れていない町』を保っています。夏までには完全解決とはいかなかったものの、秋に入る頃には今の状態になっていましたので、今回は本当に行政のお手柄と言えるでしょう!

でも、これを保持していくのが大変ですよね。それに通行人や車の窓からのポイ捨てのゴミは前と変わらず多いので、決して『ゴミのない町』にはなっていません。買い物にエコバッグを持っていく人もいませんし、分別ゴミが始まっても使い捨てのプラスティック製のコップやお皿を日常的にバンバン使う家庭もまだまだ多いのです。だからゴミの量もまるで減っていません。

市や行政が的確な対策を取ってくれ、ゴミの溢れかえる町からは脱却出来たけれど、今度は一市民ごとにゴミを減らす生活を考えないといけないかな…と感じています。でも、今はまだゴミの分別を完璧にしない人たちもいるようですので、先ずはそこを徹底させる事が一番のようです。

画像上右:全ての建物の門先にゴミが置かれます。こうして見ると汚いですが、でもちゃんと回収に来てくれるので安心です。
画像上左:イタリアに多い、細い路地でも走れる小さな回収車も見かけるようになりました。
画像中右:見にくいかもしれませんが、中央左寄りにゴミ袋がぶら下がっています。2階の住人が紐でつるしてゴミを下げているのです。
画像中左:まだこのようなゴミ収集所も多少はありますが、溢れている事はありません。左は道路掃除用の押し車。なんと竹箒が使われていますよ。
画像下右上:ゴミが散乱していた図書館前も今はスッキリ…。でもぼやが何度も起こった名残で塀が煤けてたままです。
画像下左上:大量のゴミが溢れかえってゴミで埋まっていた歩道も今はキレイです。
画像下右下:廃墟の前のゴミ置き場も今は使用されていません。でも、ここでもぼやの後が生々しいですね。


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