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イタリアはファッションでも世界の中心にある国。デザインが個性的で、色遣いも美しく、そして着心地も良い…と、どんなブランドもたいてい高評価を受けますが、ただ一つ、よく耳にするのはファスナーやボタンなどの、細かい所に関するクレームです。
・ファスナーの調子がすぐ悪くなる。 ・どんな服でも必ず一度はファスナーの修理に出す羽目になる。 ・ボタン付けの糸も最初からはみ出していたり、よく取れる。
だいたい、こんな感じでしょうか。私も99%イタリアンブランドの服を着ておりますので分かりますが、高い・安いに関係なく、細かい所までは精神が行き届いていない感じを受けます。そんなに高価な服は買いませんが、それでも、かなり人気のブランドで、それなりの金額したハーフコートのボタンが1ヶ月後に4つもボロボロと取れた事もありますし、数ヶ月の着用でファスナーがダメになった事も何回か……。
「トイレに行こうとしたのに、ズボンのファスナーが下がらない!! これだからイタリア製はコワイ?!」とWeb日記に書いていた私のネット友の日本人男性もいました。突然ダメになる事もあるファスナー……私もちょっと買い物の時には、鍵をジャケットのファスナーポケットに入れて行き、帰ってきて、そのファスナーが開かなくて家の前で10数分も四苦八苦していた事もありますので、その男性の気持ちがよく分かりましたが、用足しの前の場合は、事態はもっとせっぱ詰まった事だから、本当にたいへんですよね!!
そのネット友も『イタリア製はデザインは素晴らしいけれど、ファスナーやボタンはいつも修理になってしまう』と。その話を聞いた時に、私も自分の体験から激しく頷いたのですが、でも、私の主人の事を思い出すと、『???』という気持ちになってきました。
私の主人はイタリア人。そして100%イタリアンブランドの物を着用しています。でも、結婚してから10年、私は主人から「ファスナー壊れた」と聞いた事がありませんし、ボタンに関しては、7〜8年前くらいに一度、ズボンの前ボタンが取れたから付けてくれ…と言われた事があるだけで、それ以外は一切なしです。
でも、もしかしたら、私に頼んでないだけで、何かをお直しに出す時にファスナー修理やボタンも頼んでいるのか聞いてみたら、それも全くない……との事。『一体、この違いは何???』……よく考えてみると、歴然とした違いがありました!!
私の主人は、いわゆる世界的に有名な『ファッション・ブランド物』にはあまり興味を持たず、地元で評判の良いブランドを選んでいます。そして、そのチョイスの決め手は良い『仕立屋=サルトリア』である事です。
イタリアにはユニークなファッションデザインも豊富ですが、頑なに『素材』と『着心地』の拘りを表現していく、仕立屋=サルトリア文化も根強く残っています。特に裁縫の厳しい紳士服の、腕の立つ仕立屋がまだまだ多く残っており、ただデザインだけの服装に対し、素材選びから、カッティング、そしてファスナーやボタン付けにいたる細かい部分までの配慮が全て行き届き、10年20年経ても手入れの必要のない完璧な洋服も存在しています。
そのサルトリア系で一番人気なのは、Kiton(キートン)でしょうか。キートンのスーツを着た男性は、もう他のブランドのスーツを着られないと聞きます。デザインがいいのはモチロンの事、その着心地といったら『まるで天にのぼるかのように心地よい』と表現した人もいました。
キートンはとても有名になって、金額的にファッション・ブランドよりも手が届かなくなってしまいましたが、でも、こちらには、Kitonと同じような縫製も素晴らしいサルトリア系ブランドがたくさんあります。オーダー製の純仕立屋さんも多いのですが、仕立屋系で既製服を売るブランドも数多くあるのです。私の主人もそのような所からいつも服を買っているのですが、主人がファッション・ブランドに興味を持たないのが、今更ながらに分かりました。
素材も良い、着心地も良い、しかも細かい所の処理も完璧。それにデザインも、流行に流されない洗練されたものがほとんどです。サルトリア系ブランドは女性ものも手がけている所がありますが、もちろん婦人服にもその特徴がよく現れています。イタリアンクラシックを守る仕立屋系ブランド……デザイン系と同じく、ファッション界の宝です。
□Kitonのイタリア語版サイト:http://www.kiton.it/
□Kitonの英語版サイト:http://www.kitonusa.com/
日本では六本木ヒルズ(東京)にお店があるようです。
画像上:同時にボタンが4つも取れたハーフコートに、ポケットのファスナー不具合のジャケット。ファスナーは壊れていませんが、もう使ってません……。
画像中:スーツも、シャツも、ネクタイも、サルトリア系イタリアンファッション。ボタンは取れないし、ファスナーも壊れないぞ?!
画像下:こちらの方が、クラシックイタリアンスタイル!というのが伝わりそうですね。
【短信】トリノオリンピックも終わりましたが、トリノとナポリは遠いのであまりこちらでは話題に上らず、他国での出来事のように思っていました(^.^;。(2/27)
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