■ミシュラン2つ星レストランで優雅なランチ 2005.10.3 update

世界的に有名なソレントの町から車で30分近く、それまでの海の景色を忘れるように丘をドンドン登っていくと、サンタ・アガタという町に到着します。とても小さな町ですが、そんな場所にミシュランの星を持つレストランがあります。DON ALFONSO(ドン・アルフォンソ)は、現在は2つ星に留まっておりますが、かつては南イタリアで唯一のミシュラン3つ星を獲得したレストランです。もちろんミシュランだけではなく、イタリアのガイドでも必ず登場する老舗です。

シェフのアルフォンソ氏のこだわりは料理だけではなく、素材から始まります。ナポリはヴェスヴィオ火山の溶岩の恩恵でミネラルが豊富な土地ですが、その土質に加え、サンタ・アガタは2つの湾に面した小高い丘。そんな絶好の環境に自家農園を開き、野菜、果物、ハーブだけではなくオリーブも栽培し、イタリア料理の核になるオリーブオイルまでも自家製を作り、徹底した材料厳選を誇っています。

そして世界中の逸品が集まるワインセラー。外観からは想像も出来ませんが、地下50mの所に地下水が沸いているという事で立地もセラーには最適で、地下40mの3階構造になっており、その広大なセラーに所狭しとワインが眠っているのです。この素晴らしいセラーの一番奥には、なんとチーズもありました! 地下の奥深くに熟成させるチーズ……想像するだけでも涎が出てきそうですね。

さて、肝心のお料理はというと、素材の良さを活かしたシンプルな調理法が多く、盛りつけにもセンスが感じられます。アラカルトで好きなものを食べる他には、南イタリアの伝統メニューコースと、アルフォンソ流の創作料理コースがありますが、どちらも見た目はフランス料理のようにキレイに盛りつけをしながら、ソースや調理法でごまかすのではなく、あくまで素材を引き立てるような調理法になされています。私はまだ3つ星だった頃にも訪れており、今回5年ぶりの再訪でしたが、星が1つ減ったとはいえ、素材や料理、サービスに全くの変化はありませんでした。

そう、サービス! このレストランの評価には、この点も欠かせません。南のイタリア料理店には珍しく、正式なメートルとソムリエがいて、一見するとかなり敷居の高いお店に感じます。しかし、そこはフレンドリーな南イタリア、メートルが自らジョークを飛ばし、ゲストの笑いを取ったりもします! ですから堅苦しい雰囲気は全くなく、店内は美味しい料理と、楽しい雰囲気、そして極上のワインと料理で……最高の空気に包まれる場所になります。

今回は時間がなかったのでシェフのアルフォンソ氏には会うことは出来ませんでしたが、奥様のリビアさんにはお話をうかがいました。実は、この奥様こそ、アルフォンソ氏の成功を影で支えていた、日本で言えば『内助の功』の奥方であると思います。農園、レストラン、そして併設のホテルまで、彼女が全て管理をしており、ドン・アルフォンソのサービスに定評があるのも、このリビアさんのお陰だと言っても過言ではありません。妻が管理を全てしているのでアルフォンソ氏も料理に打ち込めるのでしょう。

私が訪れた日も、リビア夫人は、インフルエンザにかかって寝込んでいた後で、ようやく熱が下がったので、なんとか起きあがれる体勢になったけれど、お店には出れないので、資料室におられました。私が「まだ具合がよろしくないのでしたらお休みになっていては?」と言いますと、「インフルエンザあがりだからお店にはいけないのが悲しいけれど、誰かにうつすような事はなくなったし、せめてこうして資料室にいて、お食事後のお客様にワインセラーを案内したりできれば…と思っているんですよ。こうして私たちたちの所へお食事しに来てくださる方々をおもてなしする事が、本当に私の人生の喜びなんです」とおっしゃっていました。

普段はお店にも出てお料理のサーブもなさって、各テーブルに挨拶をし、自家農園のお話もなさるリビア夫人。そしてシェフのアルフォンソ氏もおっとりとした、とても優しい雰囲気の方です。材料作りも丹念になさっているし、安全で美味しい食材を使って、最高の調理法となると、他の南イタリア料理店とは値段も雲泥の差になってしまいますが、北イタリアやフランスに行ってこれだけの料理とサービスでは、もっとお金がかかると思いますし、総合的に言えばコストパフォーマンスも決して高くはないと思います。と、言うか、南イタリアで、これだけ内容の伴った優雅な時を過ごせるのは、未だかつて、このお店しかない……と断言できると思います!

-文中の画像-
画像右上:小さな町中に佇むレストランです。反対側には併設のホテルもあります。
画像左上:華美でもなく、丁度よい感じの落ち着いた店内。
画像右下・画像左下:その外観からは想像も出来ない地下40mにも及ぶセラー。フラッシュのきかないデジカメしか持っていってなかったので、上の方しか撮影できませんでした!次回は奥底まで撮影します〜!!

□創作料理のコース

創作料理のコースでは自由な味が楽しめます。右上のものはリコッタチーズを使った「がんもどき」のようなもので、日本的です。

□伝統料理

伝統料理の方もそのまま…ではなく、アルフォンソ流に洗練されてあります。

□食後のチーズ、デザート

右下のコーヒーカップのようなものは、アルフォンソ名物のドルチェです。右上画像の右にあるのは、モッツアレッラの原料になる水牛の乳で作ったヨーグルト。絶品でした。もちろんチーズも自家製のものがセレクトされています。小さなお菓子たちも手作りです。

□Don Alfonso」のサイト(伊語/英語/仏語)
http://www.donalfonso.com/


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