■鉄道旅行という選択肢(2) 2004.8.2  update

個人旅行が今ほど隆盛でなく、また、インターネットも今ほどアクセスしやすいものでなかった頃、個人旅行の企画、特にスケジュール作りはなかなか困難なものでした。イタリアのこの街とこの街へ行きたいという個人的な想いがあっても、イタリアの移動手段はあてにならないという触れ込み、情報が少なすぎるという事情があり、結局高い手配料を旅行企画会社に投じる、あるいは想いは捨てて、ありきたりなパック旅行に甘んじるか。それでも少し慣れてくるとトーマス・クック社の『European Timetable』あたりを買って時刻を調べるようになりますが、ローカル線までも網羅していない情報なのであまり役に立ちません。

でも今はそんな難儀も解消。fs(イタリア鉄道)の時刻表検索HPが大変便利です。場所と日時を指定して検索すれば、時刻、車種、値段(1等席、2等席の値段の比較も可能)を教えてくれるのです。検索結果をプリントアウトして現地のBIGLIETTERIA(切符売場)の窓口に差し出せば、ストレスなくチケットが手に入ることでしょう(ネット上での予約、購入も可能)。
※fsの時刻表検索:http://www.trenitalia.it/

イタリアでの都市間の移動はフライトが一般的ですが、その結果、魅力的な地方都市が旅程からどうしても外されがちです。一方、イタリアではfsを主体として各都市の交通網がしっかり整っており、なおかつ日本よりも料金がずっと安いということもあり、鉄道旅行は旅行者のオリジナルなプランを強力にバックアップしてくれること請け合いです。

乗車前に刻印機で切符の刻印をしたら、ホームへの出入りは自由ですから、出発のホームを確認した後はゆっくり駅構内を経巡ってみましょう。どこの駅でもバール(喫茶と売店を兼ねた店)があります。ターミナル駅ならば最近はマクドナルドや本屋、ドラックストアなど便利な店も設置されています。またお土産屋も覗いてみると空港では手に入らないような地元の特産品が買えるでしょう。

改札がないため駅は不特定多数の人々が行き交いますから、パック旅行では得難い、その街の息吹を感じることができます。子ども、軍人、おしゃべりに興じる年金受給者たち、果ては野良犬までもがホームを気ままに歩いています。

1等車はコンパートメントが多く、乗り合わせた人と一時の交流を持つ絶好の機会です。ホテルマンのようなパリッとした制服姿の売り子がベルを鳴らしながら飲食物を売りに来るのは粋です。また2等車は自由席で地元の人や若者の旅行者が多く、こちらは生活感の溢れる空間で興味深いです。時々窓から「エウロ、エウロ(1ユーロ)」と言って物乞いをする人、発車前の電車内で楽曲を披露して帽子で集金する人にもお目にかかります。車窓の風景も変化に富み、心躍る旅が得られることでしょう。イタリアの魅力を得るには鉄道旅行が一番のおすすめです。

画像上:テルミニ駅(ローマ)では、インターネットのできる一角も。
画像下:パレルモ駅(シチリア)のホームにあるお土産屋。


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