■結婚には公開がつきもの 2004.4.5 update

イタリアで観光をしていて、見学のために立ち寄った教会で結婚式!ということは頻繁にあります。私たち日本人としては、結婚式は身内や知人の前で厳かに行われるのが普通ですから、事情がわからなければ、場違いな所に居合わせてしまったことで赤面、急いで踵を返すことになります。でも畏れることは少しもないのです。なぜならば教会で行う結婚式は公開なので。だから、ここは異国での結婚式を十分堪能すべし。形式的でない、本格的な神父様のお言葉を聴けると思います。

また公開と言えば、結婚するという事実そのものも公開の対象です。届出を受理した役所は、掲示板にいついつに誰と誰とが結婚式を行います、という結婚公示を張り出すのです。この結婚に異議がある場合には申し立てられるというシステムなのですが、これは重婚を避けるための処置だとはいえ、秘密裡に結婚したいカップルにとってはなかなか不便なことです。

そして結婚に伴う第3の公開と言えば、結婚式の招待客からカップルに贈られる品物の値段。イタリアではプレゼントは贈り主が選ぶのではなく、結婚を控えたふたりが作ったリスト(リスタ・ディ・ノッツェ)に基づいてセレクトされるのです。相手に値段がバレバレというのは日本では考えられないことですが、不必要な物を贈ることを避けられる合理的なシステムとも言えます。

街にはショー・ウィンドゥにずらりと品物を並べて、リスタ・ディ・ノッツェの表示をする店が必ずあります。品物としては食器や電化製品などの生活必需品が一般的です。招待客は結婚式の前までに、店(普通は複数の店が指定される)に出向いてカップルの名前を告げてリストを見せてもらいます。そこから予算に合わせて贈物を決めるのです。同じ品物が集中して贈られることもしばしば。招待客から見れば安い物の方が当然助かりますから。でも、もらった後にまとめて店に持っていって、高い(欲しい)物と交換することもできるようです。

イタリアで今流行しているのは、結婚式に際し、ふたりが主役のビデオを作成することです。こちらでもジューン・ブライドが多いのですが(古代ローマの結婚の女神 Juno に由来するから当然?)、6月にローマへ行ったときには人気のコロッセオ周辺では、目に見える範囲に3組のカップルがカメラマンの指示で、非常に技巧的な(また、それ故に美しい)場面を演出させられていました。

イタリアの結婚は役所に出す書類も非常に多く、時間もかかり、煩雑。そしてなかなか離婚できない。そのため、最近は結婚しないで生活を共にする事実婚が急増しているそうです。しかしそうは言っても、人生=劇とするイタリア、今日も衆人環視のもと、無数の「ふたりのセレモニー」はたくさんの「公開」システムに支えられ、印象深く、華やかに繰り広げられていることでしょう。

画像上:どうせなら、欲しいものをもらいたい!(リスタ・ディ・ノッツェ)
画像下:カメラマンの指示を待つ、結婚カップル(ローマ・コロッセオ前)


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