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イタリアでは「子ども」をめぐる話題に事欠かない。今の日本も或る意味でそうだが、幼児虐待の報道が多い日本と違って、どちらかと言えば幼児に「過保護」なイタリアを印象付けるニュースが多い。
イタリアの子ども達は小学生から大学生に至るまで、鞄と言えばザイノ(リュックの意)である。以前、ここのコラムでも紹介したインビクタというブランドに代表されるような、ナイロン地で、たくさんのチャックのついた収容量のたっぷりあるタイプがほとんどである。イタリアの教科書は分厚くて大判な上に、日本のように机やロッカーに置いて帰る習慣がない。が、そうした外部的な要因もさることながら、イタリア人はモノに凝る国民性だからだろうか、ひとつの教科に通常と予備の2種類のノートを用意する子どもが実に多く、ザイノはひたすら重くなるばかりなのだ。
かねてから、こうした重い荷物が子どもの健康に悪影響を与えるとするレポートは医学界から多く出されており、ようやく2000年の秋には悪名高い教科書も分冊化されるに至った。しかし、巨大な弁当箱を背負う子ども達の姿は一向に減らない。そこで法的な罰則が出されることになる。それがまさにイタリアの過保護なのだが、ボローニャに近いカザレッキオでは体重の15パーセントを超える荷物を背負わせてはいけないとする条例ができる。ローマでは規定を超える量の荷物を背負っているのが発覚すれば、その子どもの教師および親に罰金が科されるとくる。
イタリアでは日本以上に合計特殊出生率が非常に深刻なところまで落ち込んでいるから、ますます子どもの「宝」化が進んでいく(ナポリ近郊の街・ラビアーノでは新生児ひとりあたりに10000ユーロが祝い金として町から支給。また全国レベルでは、2003年12月1日より第2子以上の子どもに1000ユーロの祝い金を国から支給されることになった)。
そして極め付きは、イタリア上院で12月の初旬にテレビ制度改革法案が可決されたことだが、その特徴は14歳以下の子供がCMに出演することを禁じる条項が含まれていることだ。法案はメディアの寡占規制緩和などの目的でベルルスコーニ政権の与党が提案したが、野党が子どもの出演禁止条項を追加した。子どもによる過重な労働を回避するための手立てである。
・・・という具合に、子どもは国家レベルからも手厚い注目と保護を受けている。通貨がリラからユーロに変わって以来、細かい設定が不可能となり、子どもに与える小遣いが増えてしまったと嘆く親が多いらしい。とはいえ、「高い」方へと切り上げてしまうのは、やはり子どもへの強い愛情ゆえ。イタリアへ観光旅行に行った時のことを今静かに思い出してみると、確かに子どもを見かけることはあまりなかった。そう、どこの広場でものんびりと過ごす年金生活者ばかり。子どもはますます稀有な存在となり、宝(テゾーロ)化が進む。
画像上:書店の絵本コーナー。子どもの顔を思い浮かべ、つい縫いぐるみにも手が伸びる。
画像下:社会科見学中の子ども達。いつでもザイノを背負う。
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