| ■コロッセオの今昔 |
2003.9.1 update |
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リドリー・スコット監督の映画『グラディエーター』を持ち出すまでもなく、ローマの円形闘技場・コロッセオは超有名なスポットである。車のバンバン走る街中に収容人数5万人の巨大な古代闘技場が現出する光景は実に圧巻で、イタリアを代表する古代遺跡と言える。周囲527m、高さ57mの4階建て。剣闘士(グラディエーター)達の戦い、猛獣と人間との対決などが行われ、その後キリスト教の普及とともに催し物は廃れていく。中世にはゴミ捨場、教会建築用の石材のための採石場だった時期もあると聞く。
そして、長い年月と多額の費用をかけたコロッセオの修復プロジェクトが完了したのは今年、2003年のこと。ローマ国立博物館に行った際、お得な共通入場カード(ローマ・アルケオロジア・カード。20ユーロ)というもの買い求めた。7日間有効で、これ1枚で複数のスポットの行けるというのが売り。その中にコロッセオが含まれることに気づき、訪れてみることにした。有料化後、遠目からもそれとわかる観光客の列で何となく足が遠のいていたのだ。
今回近くに行ってまず驚いたのは、以前からいる剣闘士に仮装した男達(観光客と一緒に記念撮影することで稼ぐ)の数が激増していたこと、バチカン近くで見られた石像の売店がここまで進出していること、そして絵葉書、おもちゃなどを売りつける商売人が観光客とあいまってごった返していることだ。そして予想以上の長蛇の列。切符売場に至るまでの行列が個人客と団体客の2列にロープで仕切られている。切符売場にようやくたどり着いても、ある段階まで売ると窓口はクローズとなる。そして切符を買ってようやく入口にたどり着いても、入場券の読取機械はすぐ故障して観光客は立ち往生する。
典雅な近代的な売店、エレベーターができていた。闘技場の中に入れるが、中央アリーナのかなりの範囲を覆う足場が作られていて覗き見てもよく分からない。そこに人々が大挙して押し寄せるからなおさら分からない。人影もまばらで、ひっそりと静まり返っていて、外壁から内部にかけて犬や猫達が楽園のごとくうたた寝していた往年のコロッセオの姿はもはやない。
修復のプロジェクトを手がけた人々の写真が展示されるコーナーもあり、携わった人々の苦労が偲ばれる。彼らの仕事がなければコロッセオは崩壊の危機にあったと、その業績は称えられる。また修復とともに発掘作業も進められ、新たな発見があったらしい。しかし、長蛇の列を生む有料化、観光化が生み出した売店、エレベーター、商いの群れは余計である。あたかも古代に現代が侵食してしまったかのようで、古代と現代との融合というローマの良さがなかなか見出せないのだ。聖年に前後してイタリアの古代遺跡の修復は一気に進んだ。街中も綺麗になった。しかし理想としては、古代を古代のまま保存できないものかと思うのは私だけだろうか。
画像上:遠くに見えるコロッセオには変化はないのだが・・・。
画像中:そんなバカな!の長蛇の列
画像下:闘技場内も、凄まじいばかりの人、人、人
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