| ■スクーターの無い人生なんて・・・ |
2003.4.7 update |
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イタリアの街中を歩いていて感じるのは、スクーター乗りが圧倒的に多いことだ。で、単に多いだけでなく、日本でのごく一般的な光景が「おじさんが仕事で乗っている」というものなら、イタリアのそれは実に「粋」だということ。そう、若者(若い女性も、場合によっては子どもまでも)がノーヘルで2人乗りというのがイタリアにおける見慣れた光景なのだ。
彼らは男の子であればケータイ片手に、振り返っては女の子に投げキッスをする。頭髪は長い髪も短い髪もヘルメットでつぶされることなく程よくセットされている。しかしその光景も実は規制の甘さによる産物であったということが、今まさに判明されつつある。欧州統合による規制強化のため、イタリアには「らしからぬ」ルール(新道路交通法)が次々と施行され、街中の二輪に関する光景も今では「日本化」が進んでいるのだ。
まず二輪車運転者にヘルメット着用義務づけられた。以前ならば19歳以上で125cc未満のバイクを運転する場合、ヘルメットを着ける必要がなかった。つまり大人ならば大概の場合ヘルメットは要らないし、また19歳以上か未満か見た目にはわかりっこないから、結果としてほとんどが着用していなかったのが現状であった。またスクーター運転者にも免許証が必要になった。これで明らかに子どもと認識される人間がスクーターを乗り回すというイタリアの仰天光景が減るだろう。
しかしそうは言っても、規制嫌いのイタリア人。89年にシートベルトの着用が義務づけられたが、覗き込まなければ分からないこの手のルールに人々は遵守の気持ちはあまりなかった。それと同様に、警官のいない郊外ではヘルメットを脱ぎ捨て、街中に戻るとまた着用するという臨機応変ぶりを発揮している人も多いらしい。無論そんな国民性に負けることなくがんばっている行政区もある。プーリア州のガッリーポリという町では、ヘルメットをかぶって二輪車を運転しているところを市警が見つけるとご褒美としてジェラートをプレゼントし、ヘルメット着用率をみごと上昇させたらしい。
スクーターによる年間事故死者数は700人以上なので、規制強化は致し方ないのだが、イタリア的なるものが減退することはちょっぴり残念である。一方で明らかに欧州統合による業界のビジネスチャンスは広がるばかりで、規制が生んだヘルメット業界の潤いぶりは大変なものだと聞いているし、またイタリアでは欧州内の二輪車免許の統一から、四輪車免許で乗れる二輪車の排気量を125ccまで引き上げたことで二輪車人口の急増が凄まじいらしい(年々ひどくなるばかりの交通渋滞にあっては、場所をとらない二輪車への注目は高まっているという事情とあいまって)。
規制や環境の変化を受け、イタリアのスクーター事情も様々に変化している。とは言え、石畳の上を颯爽と走る二輪車の影だけは失われないはずだ。イタリア人はつぶやくのだ。「スクーターの無い人生なんて」と。
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