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イタリアにいる時、日本の感覚から見ると何だかよくわからないものと言えば、それは警察かもしれない。日本には警察庁、警視庁などの違いはあるが、普通に見ればおまわりさんはおまわりさん。一方、イタリアは複雑である。時に馬にまたがって登場する、ヨーロッパの騎士道を思わせるおまわりさんもいれば、水色の制服でPOLIZIA(ポリツィア)と書かれたパトカーに乗るおまわりさん(日本の警官に似ている)もいる。前者はCARABINIERI(カラビニエーリ:憲兵警察)、後者はPOLIZIA(ポリツィア:国家警察)である。
カラビニエーリは国防省、ポリツィアは内務省という明確な管轄の違いはある。また仕事の範囲としてもカラビニエーリが軽犯罪から殺人などの重大犯罪を扱い、ポリツィアは交通事故や軽犯罪などを扱う。とは言いつつも、街中に常駐する彼らに対し、観光客は目的の違いを踏まえてからアプローチするわけでもない。そしてどちらも声を掛けられれば無視することもない。要するに仕事が重複しているのである。
ただカラビニエーリは、軍人であり、頭脳、体力ともに優れた隊員が集められているとの話もあり、事実街中を巡回する彼らの姿勢は正しく、折り目正しい雰囲気に満ち溢れている。自分が選ばれた者だという自信も相当あるのだろう。写真でお分かりのとおり、颯爽と歩くカラビニエーリの一団は後姿までもがスマート。そのため、私の女友達は警察官に用があれば、必ずカラビニエ―リを探すと言うのだ。一方ポリツィアの方は、アメリカのポリスにも通ずるマッチョな人物が多い。写真のとおり街角にぼんやり立っているポリツイァのおじさんはいかにも日本でも見慣れた風のおまわりさんである。
そして何とも複雑なことに、この他に交通専門の道路警察、脱税専門の財務警察などがイタリアには存在する。管轄の違ういくつもの警察組織があるのは権力の分散を狙うためらしいが、このことにより結果的に日本の警察官の倍の数がいることになる。
とは言え、日本と違って警察の機能が分かれているため、どうも日常の瑣末なことでもバッチリとは決めてくれない。たとえば道に迷った時に日本であればまず交番に行く。それと同じ感覚で、一度カラビニエ―リかポリツィアに道を尋ねてみると面白い。なぜかごく至近の有名な場所でも、地図を見せても分からないことが多いのだ。
昨年10月1日、ローマのスペイン広場でカラビニエーリ115名と警視庁音楽隊57名、愛知県警察音楽隊40人との3隊による演奏が行われた。何ともカラビニエーリは華やかで、観光客からのプラボ―という大きな歓声に包まれたようだ。やはりこうしたイベントにはカラビニエーリの出番。うーむ、見事な役割分担である。
画像上:いかにも頼りになりそうなポリツィア(国家警察)
画像下:後姿も颯爽としているカラビニエーリ(憲兵警察)
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