| ■イタリアの薬局の雰囲気は……。 |
2003.2.3 update |
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イタリアへ行ったことのある人ならば、街中で緑(あるいは赤)の十字の看板を見かけたことが必ずや一度はあるはず。それがイタリアの薬局であるファルマチア(FARMACIA)。医者の処方箋を持って、薬を買うのが当たり前のイタリア。このことは処方箋がないとたいした薬が買えないことを意味する。たとえ購入できたとしても、処方箋有りに比べると何倍もの金額をかかってしまう。したがってガイドブックには飲み慣れた薬を日本から持参することが勧められていることが多い。
そうした予備知識もあってか、日本人でファルマチアへ行ったという人をお目にかかることはあまりない。もっとも5年ほど前にはメイド・イン・イタリアの耳垢取り器のオトサン(OTOSAN:円錐形のガーゼにロウが染み込ませてあり、これを耳の中に入れて火をつけると、火のついている部分と耳の中との気圧の変化によって耳垢が取れるというもの)が日本でブームになった時はお土産にと、それを買い求める日本人観光客がずいぶんたくさんファルマチアの敷居をまたいだらしいが……(現地価格は、当時、日本での価格の半値以下だった)。実際、私もオトサン・ブームの時には何度かファルマチアへ足を運んだし、また歯ブラシを買いに走ったこともある(イタリアでは五つ星の高級ホテルでも、シャンプー、リンス、髭剃りなどは常備していても、こと歯ブラシに至っては何故か置いていないのが常である)。
ファルマチアと日本のドラック・ストアとの明らかな違いは、その重々しい雰囲気の有無にある。胃腸薬、風邪薬、シャンプー、化粧品などが隙間なくびっしりと陳列され、重厚なカウンター、その後ろの壁一面にはたくさんの小引出し。白衣を着た薬剤師たちが実に厳かな雰囲気で、客の求めに専門的に応じる。
薬剤師の社会的地位は高く、ファルマチアは住民にとって家庭医的な役割を担っているためか、民間調査機関が行った公共サービス、民間サービスに対する消費者の満足度調査では堂々の1位に輝いている。地区ごとに持ち回りで夜間営業のファルマチアがある。その情報は新聞に載り、またホテルのコンシェルジュに尋ねれば教えてくれるので、何かの際には心強い。目的意識を持って訪ねれば、薬剤師も親切なので、観光客にとってもきっと役に立つスポットになるに違いない。
なお、フィレンツェのサンタ・マリア・ノッヴェッラ教会の裏手にある元付属薬局は典型的なファルマチアではないのだが、オリジナルの香水と石鹸で超有名である。ツアーの人気スポットで、日本語の商品カタログもある。
画像上:耳垢取り器オトサンはファルマチアの定番商品
画像下:ごめんなさい、在庫を切らしてるわ(ミラノのファルマチアにて)
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