|
ここ数年イタリアブームが続く中、イタリアの庶民の暮らしぶりを伝える番組が数多く放映されている。その中でも定番ともいうべき映像は、イタリアのメルカート(市場)の様子かもしれない。色とりどりの野菜や果物、新鮮な魚などが映し出され、文化人やタレントが賑やかな店先で何かを手にとってひと口ご賞味、「ブォーノ(おいしい)!」と叫んで現地の人たちと心の交流・・・・・・。
そうした場面を見るとなんだかとっても羨ましくなる。そしてイタリアへ行ったらぜひ同じことを!と誰もが考えるだろう。しかし現実には、地元の人たちがごった返す中イタリア語で何かを買うことは難しいし、値札もイタリア人独特の筆跡で書かれたもので見当がつかないことがよくある。かといって観光客相手の店に終始するのは確かに面白くないし、第一、飲み物ひとつ買うのにもそうした店は大層高い。となると、どうすればいいか?ここで便利なのがスーパーマーケットである。
イタリアではスペルメルカートと呼ばれ、エッセルンガ、イペルコープ、スタンダなどが有名である。買い物をするのに特に会話は必要なし。支払い金額もレジの表示を見ればいいし、釣銭も受け取る前には把握できるから安心。
多少の違いがあるとするならば、まずはカートがコイン式の貸出方式をとっている所が多い点だ。カートを利用する際はコインを入れてカギをはずし、使用後はカギを差し込むとコインがもどってくる仕組みである。また野菜を買う時には、秤に自ら袋に入れた野菜をのせ、それぞれの野菜に対して決められた番号を押すと価格の印字されたシールが出てくるのでそれを袋に貼る。そして、日本でもエコロジーの問題からレジ袋に課金されるシステムをスタートさせた店舗も現われ始めたが、ここスペルメルカートでは昔から袋(サケット)は有料の場合が多く、お客は自前の袋を持ち込むことになる。
とにかく、そうした2、3の違いさえ踏まえれば、イタリアの豊富な食材を安く楽してゲットできるスペルメルカートは、観光客には極めて有効な存在なのである。特に旅行中欠かせない飲料水は、バールや売店に比べれば信じられないほど安いので是非お試しあれ。
女性の労働力率(15才以上の人口に占める就業者・就業希望者の率)が高いデンマーク(73.2%)やアメリカ合衆国(60%)などに比べると、日本(49.2%)よりも更に低いのがイタリア(34.8%)。そのことが意味するものは、イタリアではまだまだ専業主婦が多く、家の切り盛りを全面的に引き受け、そして昔ながらのマンマの手料理を家族に供することが多いということだろうか。
とはいえ、スペルメルカートにはおびただしいほどのインスタントのパスタ・ソースの缶が並び、冷凍食品も肉や魚から加工食品に至るまで大変豊富でもある。それらをカートに満載して店内を歩くイタリア人女性陣の姿も見かけることしばしばである。
画像上:メルカート(市場)に負けないスペルメルカートの品揃え
画像下:スペルメルカートに並ぶ、おびただしい数の冷凍食品
|