| ■ケータイ文化に見るイタリア人気質 |
2002.5.6 update |
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イタリア人というと、カンターレ(歌い)、マンジャーレ(食べ)、アモーレ(愛する)と、決まって3つの動詞が引き合いに出される。自然の欲求に基づいて楽しく生きている人たち、そんなイメージを他から抱かれやすい。けれども実際にはオリベッティ、デロンギといった世界的にも有名な工業系企業も多く、テクノロジーに長けた国民性も見逃してはならない。ただそうは言っても公衆電話や切符の自販機の故障が多く、より確実性を求めるならば何でも対面で事を運んだほうが合理的になし得るという不文律も存在している。とにかく人とのふれあいを大切にするイタリア人は、目の前の人間は信じられても機械を全面的に信頼するという風にはいかないようなのだ。
そんな中、イタリアでの携帯電話普及率は非常に高く、国民の2人に1人は使っている。あまり機械に頼らない方なのに、日本よりもずっと早い時期からの普及ぶりはなんとも不思議。けれどもよくよく考えてみれば、携帯電話は人を排除する機械ではなく、人との関係性を時空の制限なしに強めるツールである。それならばイタリア人に広く受け入れられるのも当然といえば当然かもしれない。
日本もイタリアもケータイ天国だが、違いはある。まずはその料金の支払方法。日本のように使用の有無にかかわらず基本料金を払うということはなく、基本的には携帯に差し込んだプリペイド式カードから使用した分だけが減っていく。つまり1人で何台所持しても、維持費は同じということ。シチリアで乗った高速バスで1つ前に坐っていた青年は巾着袋のようなものに携帯をいくつも入れていて、さてどれにしようかといった風情で見比べていた。そんな不可思議な光景もイタリアにあっては展開され得る。
イタリアではTIMとオムニテルという2大携帯電話サービス会社が日々覇権をめぐって争っている。そんな中、オムニテルが今年の2月末日までに扱う携帯機種などを半額にするといったキャンペーンを打ち出していた。各社横並びの傾向が強い日本に比べれば、ここまで大胆な値下げをしてしまうのは実にイタリアっぽい。
そして今や日本ではかなり巨大化してきた携帯アクセサリー市場についても違いが認められる。日本ではアンテナや携帯ストラップがアクセサリーの主流だが、これらはイタリアにあっては私の見た限りではほとんど売られていない。そんな中でかなりのスペースをつかって扱われているのはケースである。革ありビニールあり布あり、カラバリも実に豊富。
とにもかくにもメール機能(160字のショートメールが主流)も加わってケータイ文化花盛りのイタリア。着メロつきも出回り始めた。こうなると3つの動詞から語られるイタリア人の気質に、もうひとつ「キャッケラーレ」(おしゃべりする)もぜひとも加えたい。にぎやかさに満ち満ちた国、それがイタリアなのである。
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