| ■衰えぬインビクタ旋風 |
2002.4.1 update |
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インビクタ旋風!若者の背負うビビッドな色調のリュックでイタリアの街中はあふれかえっている……。今から8年ほど前のこと、そんな見出しが旅行ガイドの特集記事で踊っていた。
掲載された住所をもとに訪れたインビクタのローマ支店。黄色、黄緑、紫、ピンクなど、非常に派手な色合いと様々なロゴを持つナイロン製のリュックがたくさん壁にかけられていた。
他にもパスケース、ウエストポーチ、手袋などもあるが、主力商品は何と言ってもリュックだった。大きさもカラバリも豊富。価格は当時1万台が多く決して安くはないのだけど、次々と買われていくからレジは大忙し。実際に手にしてみると非常に軽く、収納のキャパは大きく、厚みのある背もたれは背負えば快適。そして何よりも一見外からは分からない隠しチャックの存在は魅力的だった。イタリアは物騒だとさんざ聞かされていたので、これは旅行で重宝するぞと思い、ひとつ買ってみることにした。そして店を出ていざ自分もインビクタ・ユーザーになってしまうと、街行く人々がいかにインビクタを持っているかが改めて分かる。若者集団の誰もがインビクタという光景を頻繁に目撃、「旋風」というもあながち大げさな表現ではないなと当時思ったものだ。
その後、北はヴェネツィアから南はシチリアへとイタリアを何度か旅をしたが、使い込んだインビクタほどおしゃれなのだろうか、擦り切れ、黒ずんだインビクタが群をなして闊歩しているのをいまだによく見かける。カプリ島の小学校のそばを通り過ぎるとまるでランドセルよろしく子どもたちの全員がインビクタ、という有様だ。スーパーや文房具屋に行けばインビクタのリュックをあしらったノートまでもが売られている。
流行の移ろいやすい日本、ピカピカの新品が重用される日本を基準にしてはいけない 。「インビクタ旋風」の息はとてつもなく長いのである。つい先日、最新のインビクタ製品をネットで探ってみた。あのビビッドな色調はなりをひそめ、代わりにカーキ色、モノトーンなどシックなコレクションが展開されていた。時代に合わせて変化していく、それがインビクタの持続する人気の秘密なのかもしれない。
インビクタがユーザ層の拡大を狙ってファッショナブルなリュックなどを手がけ始めたのが80年代の終わり頃から。スキーや山登りでのプロユースの手袋がもとはといえば本業で、ゆえにソルトレーク五輪のアスリートたちも愛用している。プロにも愛される物づくり、それがインビクタの真骨頂とも言える。なるほど、そんなことを念頭においてテレビの画面に目をうつせば、ストックを握るイタリア人選手の手にはインビクタの手袋が見て取れる。インビクタのロゴと星型のマークがその蛍光素材に雪山の光を受け、きらりと輝く。ある種の親近感から否応なしに、そんなアスリートたちを応援してしまいたくなるから不思議なものである。
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