■ドイツ統一記念日 2003.11.3 update

10月3日はドイツ統一記念日。東西ドイツの統一を祝う記念式典が、毎年催されます。今年は、偶然にも私の住むマクデブルクで行われました。マクデブルクは旧東ドイツの工業都市でしたが、現在では20%に及ぶ失業率、西側への人口流出や高齢化といった問題を抱えています。東西を隔てていた壁が崩壊したとはいえ、旧西側諸都市との格差は依然として縮まっていないようです。しかし、そんな町で開催された式典は、なかなか華やかなものでした。

当日は、あいにくの曇り空で、午後からは雨が降り出すというお天気でしたが、なんと約25万もの人出があったそうです。マクデブルクの人口は約23万人ですから、そう大きくもない町の中心がドイツ各地から集ってきた人たちで溢れかえっていたことも想像に難くありません。わが町のシンボル・神聖ローマ皇帝オットー大帝ゆかりの大聖堂では、シュレーダー首相やラウ大統領らが出席のもと、記念のミサが行われ、その模様がテレビ中継されていました。首相はその演説のなかで、「統一ドイツは、国民の努力によって様々な改革を行ったが、まだたくさんの問題を抱えている」と、東西の経済格差や失業問題を強調していたようです。

でも脳天気な私にとっての関心事は、やっぱり町のお祭り騒ぎ!午後からちょっと散歩のつもりで行ってみました。我が家にほど近いDom platz(大聖堂広場)には大きな特設ステージが作られ、一日中コンサートが行われていました。また、通りにはたくさんの屋台が並び、16の地域の特産品が売られていました。例えばベルリンのカレーヴルスト(茹でたソーセージを一口大に切って、カレー粉とケチャップをかけたもの)やハンブルクからはスモークしたうなぎ。西のヘッセン州からはりんご酒やピクルス、南のバイエルン州からも白ソーセージ等が出品され、ビールを飲んでごきげんになった人たちが屋台の前で歌ったり踊ったりしていました。こういう時は歩くだけでも楽しいですよね。

そしてこの日の目玉は、大聖堂前広場で夜に催された無料の野外ロックコンサート。これはウド・リンデンベルクという、東ベルリン出身のドイツ・ロック界の大御所をはじめ、日本でもお馴染みのネーナや、その他大勢の歌手が参加して行われたもの。当日はベルリン近郊の町、パンコウから特別列車に乗っての登場です。列車では途中、セットとして作られた壁を突き破るというパフォーマンスも行われていました。このコンサートは、大降りとなった雨にもかかわらず、会場を埋めた観客3万5千人が夜中まで騒ぐという盛況振りでした。

ところで、最近ドイツでは旧東ドイツ(die Deutsche Demokratische Republik; DDR)時代を懐かしむことがブームになっています。きっかけは今年ヒットしたコメディー映画「グッバイ・レーニン」でした。また、最近民放テレビでは「DDR Show」という、DDRの生活や歌を紹介するテレビ番組が放映され、高視聴率をマークしたようです。これらの映画、番組では、イケてないけど、ちょっとほっとする、オッシー(旧東)文化が描写されています。DDRの生活を面白おかしく紹介することには、批判的な意見もあるようですが、社会主義時代にも人々の生活は確かにあったのだと、異邦人の私も考えさせられます。東西を隔てた壁が崩壊して13年が経ちました。Dom platzからかすかに流れるコンサートの音を聞きながら、本当の意味で実現されるべき東西統一を祈る私でした。

画像上:大聖堂前広場に設けられた特設ステージです。
画像中:並んでいた屋台の一角では、ブラスバンドの人達とお客が一緒になって歌ったり踊ったりしていました。
画像下:これが普段の大聖堂前広場。もう葉はすべて落ちてしまいました。


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