■今日も風車はまわってる 2003.7.7 update

我が家は築30年!の10階建て集合住宅の最上階にあります。ここマクデブルクはザクセン=アンハルト州の州都ですが、街には大聖堂を越える高層ビルは無く、また日本のように山がちな地形でもないので、かなり遠くまで四方を見渡すことができます。

どの窓から覗いても、必ず目に入ってくるのは風車。街外れの畑で、くるくる、くるくる回っています。ただし風車といっても、オランダに残っているような中世のものではありません。近代的で巨大な発電用風車なのです。ドイツに来て驚いたことのひとつが、この風車の数の多さです。地方の農村部はもちろんのこと、北海沿岸、特にエルベ河口には思わず声をあげてしまうほど風車がびっしりと建てられています。数年前の原発事故を教訓に、2020年までに原発全廃を目指しているドイツ。その代替エネルギーのひとつである風力発電は、12,250の風力発電設備で賄われています(2002年8月の統計)。風車を一基建設するとニュースになる日本とは状況がかなり違いますね。

では、現在ドイツで、いったいどれくらいの電力が風車によってつくられているのでしょうか。今年6月初めのデータでは発電量約1万2千メガワットと世界のダントツトップ。これは原発10基分以上に相当し、首都ベルリンの消費電力をカバーできる量だといいます。環境先進国ドイツの面目躍如!といったところでしょうか。連邦環境省では次の30年のうちに、総電力消費に占める風力発電の割合を約4分の1にまで引き上げるという数値目標を立て、設備増加を推進しています。

そのせいでしょうか、アウトバーンを走っていると、これから設置されるであろうと思われる風車を運ぶトラックの一団に出会うことがあります。運搬のためバラバラに解体されているのですが、一つ一つの部品もかなりの大きさです。これらの設備投資に伴い、鉄鋼の需要も増え経済的にも波及効果があるのだとか。

風力発電が成功している要因として、「自然エネルギー法」などといった法律が整備されたこと、高価な風車を地域住民が建てられるような助成金制度が確立されたことなどが挙げられます。また、電力小売完全自由化により、電力会社が風の弱い内陸の風車からの電力は高く買い取る、といった仕組みもあるそうです。今まで何気なく見つめてきた風車ですが、たまに止まっているのをみると、なんとか風を送ってあげたくなりますね。

実は、ドイツは原発全廃を目指す一方で、原発推進国から電力を買っており、その矛盾には批判が無いわけではありません。原発全廃は単なるスローガンでしかないという指摘もあります。しかし、現時点で完全ではないにせよ、クリーンエネルギーに取り組むドイツの姿勢は、エネルギー、環境問題解決の糸口となる可能性を十分に秘めている、と私は思うのです・・・なんてね。

画像上:我が家からみた夕陽と風車(かなりズームしています)です。最近の日没は21時30分ごろ。22時すぎまで明るいです。
画像下:アウトバーンを走っている時にみつけ、車の中から撮りました。近くまでいけなかったのが残念です。


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