■小学校の入学式 2002.9.2 update

日本の入学式は、桜が咲き誇る4月。ピカピカのランドセルを背負い、両親に手を引かれた新1年生の姿は何とも微笑ましいものですが、ここドイツの入学式は8月に行われます。先日、友人のお子さんの入学式に参加する機会がありましましたので、今回はその模様をお伝えいたしましょう。

ドイツには16の州があり、入学式の期日は州ごとに違うようです。私の住むマクデブルクでは、新学期の第一週の土曜日と決められています。朝9時、カトリック系のこの小学校では近くの教会で式が行われます。家族と一緒に教会にやって来た新入生は、担任の先生に誘導されて前の席に座ります。そして時間になると突然2年生による歓迎の劇が始まるのです。(日本のように「開会の辞」というものはありません)。今年は森の木のお話。主役はりんごの木です。秋になってたくさんの実をつけた森の木々は、それを求めて飛んできた鳥や動物たちを嫌って、いつも追い払っていました。しかし1本のりんごの木だけは、「どうぞ、たくさん食べてくださいな」と困っていた動物たちに分けてくれ、おかげでみんなは仲良く暮らすことができました。とても簡単な劇ですが演じる方も見る方も、まだまだ長く集中できない小さな子供たちばかり。なので立つことに疲れればその場に座り込んだり、ちょっとお友達とお喋りしたりと、良きにつけ悪しきにつけアットホームな感じです。劇が終わると、神父さんがお祝いの言葉を述べ、この劇で何が大切だったかを簡単に説明します。最後に、校長先生や担任の先生からのごあいさつがあります。

でも、新入生の子供たちにとって本当のお楽しみは実はこれから。学校に移動すると、担任の先生やクラスメートの自己紹介があるのですが、その間に父兄はそれぞれ持ち寄ったお料理を並べて、簡単なパーティーの準備をします。ここで忘れてならないのがZuckertuete(ツッカートゥッテ)。新入生だけがもらえるお菓子袋です。両親をはじめおじいちゃん、おばあちゃんや親戚、ご近所の人など、たくさんの人がZuckertueteをそれぞれ準備しています。大きさや中身は様々で、お菓子以外にもぬいぐるみやおもちゃなど、子供たちが日頃欲しがっているものがいっぱい詰まっているのです。パーティーの準備が整う頃、校庭には写真のように、大きなZuckertueteを抱えた父兄でいっぱいになります。やがて校庭に出てきた子供たち。日本のようにみんな揃って記念撮影、はありませんが、しばらくは全員並んで照れくさそうにしています。そんな子供たちを目の前にして、親は必死に写真&ビデオ撮影・・・。我が子が一番かわいいと思っている親たちの行動は、万国共通のようですね。そして、みんなから抱えきれないほどのZuckertueteを貰う子供たち。新しいお洋服を着て、嬉しさとちょっぴり不安の入り混じったような表情が初々しく、とてもかわいらしいです。子供たちの緊張もすっかりほぐれたところでお料理をいただき、三々五々解散していきます。家族や親しい人に囲まれ、和やかな雰囲気の中で行われるドイツの入学式。私たちが厳かな入学式を憶えているように、この手作り入学式はきっと子供たちの心にいつまでも残ることでしょうね。

画像上:大きなZuckertueteを抱えて学校に向かう父兄
画像下:ぴかぴかの1年生です


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