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システムキッチンはドイツに始まりました。それに歩調を合わせて、統一のとれたキッチンに見合う、きりりとしたデザインの台所用品も発達しました。ドイツの伝統的な製造技術の裏付けられた、機能性を重視した清冽なフォルムの家庭用品が生み出されました。これらの台所用品は、一分の隙もないシステムキッチンにぴったりと納まっています。
ドイツには、日本でよく言うところの安くて良いものというのはありません。あるのは、「安くて悪い」か「高くて良い」もののどちらかです。これらの台所用品は決して安くはありません。手付きザルが45ユーロ、茶漉しが18ユーロ、泡立て器が12ユーロで、ドイツの他の物価を考えるとかなり高価な感じがします(でも日本円にしてみると、それぞれ5800円、2300円、1600円となり、驚くべき値段というほどではありません)。
使い勝手は、ドイツ製品は重厚重大を旨としており、まず手にどっしりと応えます。お鍋などは、電気加熱の調理法に対応しており、熱伝導率を良くするために底がしっかりと厚いサンドウィッチ加工が施されて、持つと重みが直に伝わってきます。大型のフライパンなどは、とても片手で持ち上げることはできません。普通の日本人女性にとっては、フライパンをゆすって料理するにはまず無理な重さになっています。
それだからこそ、底も回りもしっかりとしたステンレスを使っているため、耐久性に優れており、少々ぶつけたぐらいではびくともしません。台所の飾りにしたいというドイツ人の気持ちが理解出来るほど、磨き上げればピカピカと輝く美しさです。
ドイツの台所用品は、美しさとともに、耐久性、実用性にも優れています。例えば、この圧力釜の部品については、10年の生産保証がついています。万一どこかが壊れたとしても、部品を補充できるので、少なくとも10年は使いつづけることができます。一つのお鍋とともに10年、というのは、アルミのぺらぺらのお鍋では考えられません。
ドイツは家もそうですが、一度非常に頑丈で機能的なものを作り上げると、あとはそこに手を入れて修理しながら、気長に使っていきます。いったん出来あがった家は、日本のように20年経ったら壊して新しい物をまた作りなおすなどということはせずに、二世代、三世代と百年単位で愛着を持って使いつづけていきます。ドイツの台所用品も、こうして家とともに、親から子供に伝えられて行くことも視野に入った作りとなっています。
画像上:泡立て器と茶漉し
画像下:手付きザル。デザインは茶漉しとほとんど同じですが、もちろんサイズが違います。でもこうして見れば区別がつきません。
 
画像左:サクランボの種抜き 丸い半円のところにサクランボをおいて、上から押すと種が抜けます。実を傷付けることなく種を抜けますので、大量にサクランボを使うお菓子には必要な道具です。その他にも種付きのオリーブにも使えます。
画像中:計量スプーン 15cc、10cc、5cc、2.5ccと細かく分かれています。実はこれに関しては、フランスで買ったものなので、ドイツ製ではない可能性大です。それでも、納まった格好がなかなか整然としているので、このシリーズに入れました。
画像右:ピザのカッター 取っ手の所にカーブがあるのは、silitのこのシリーズのデザインの特色です。しかしながら、このデザインは余り実用的ではなかったらしく、マーケットから姿を消しました。ピザカッターについては、ちょうど持ち良くなっています。
 
画像左:アスパラガス剥き器 人参、胡瓜、大根、ジャガイモ、となんでも皮むきとして使えます。もちろんアスパラガスは、これなしでは始まりません。
画像中:お鍋型タイマー 圧力釜大手メーカーのFisslerが自社製品の圧力釜にそっくりの形のタイマーを作っております。圧力釜とタイマーは「お神酒徳利の関係」にあるので遊び心が生きています。
画像右:クルミ割り クルミのみならず、甲殻類のからだって割ることもできます。クルミ割り人形も風情はありますが、あごに挟んでクルミを割るのは骨が折れますので、実用的にはこれが一番です。クリスマスの前あたり、午後になると日の落ちるのが早くなり、暗くて手持ち無沙汰になった時、これでクルミを割り、実をほじっていると、気持ちが明るくなります。
以上、いずれも我家の台所用品です。同じメーカーのものに統一するともっと美しかったのかもしれないのですが、ばらばらと購入したため、デザインが微妙に異なっていますが、ドイツテイストという意味では、どこか共通点があります。ちなみにメーカーは、WMF、Silit、Roesliなどです。
2年間にわたり、ドイツからのレポートを送らせて頂きましたが、このたび帰国することとなりました。ドイツに対する関心が日本で徐々に希薄になっていく中で、あと一歩踏み込んでみると、ドイツ人の面白い暮らし振りが見えてきます。ドイツにも美味しいものがあり、ドイツ流の生活の楽しみ方があり、ドイツ人の人生観が今の私達にとっても興味深いものであることがわかってきます。合計7年半のドイツ暮らしで感じたことを、この場をお借りして皆様にお伝えできたことが、私にとって大事な財産として残りました。どうもありがとうございました。
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