■ドイツのカーニバル考 2004.4.5 update

ドイツ人とカーニバル、なんだかミスマッチと思う人が多いかもしれませんが、カーニバルの日には、普段のドイツ人からは考えつかないような化粧と仮装に身を包んで町に繰り出し、お祭り騒ぎは絶好調を迎えます。カーニバルの季節は、他の国の人をして、「ドイツ人も人間だったんだ」と言わしめます。

ドイツのカーニバル(ファッシング)は、春の訪れを待ちわびる気分とカトリックの宗教行事が結びつき、今でも、マインツ、ケルン、デュッセルドルフではとても盛大に行われています。最大のハイライトは、2月23日午前11時11分に出発した山車(だし)の行列です。「11」は魔法の数字です。キリスト教の十戒を超える11という数字は、この世でない場所に人々を誘い出し、現世に対抗したカーニバル王国が誕生するのです。

今年の日程は2月22日(日)、23日(薔薇の月曜日)、24日(火)の3日間でした。日取りは、キリストの復活を祝う復活祭(イースター)の40日前(休息日の日曜日を除く)と定められており、復活祭の祝日が年により異なるので、それに応じてカーニバルの日程も毎年変わります。カーニバルが終わる「灰の水曜日」から復活祭までの四旬節は、40日間荒野で断食をしたキリストを偲んで、断食と祈りによって心身共に清めてひっそりと暮らす伝統がありました。

謝肉祭の日には、人々はこの時とばかりに羽目をはずしておもいっきり騒いで過ごします。カーニバル道化王国のプリンス、プリンセスの主催する「道化会議」に、「道化達」が仮装に身を包んで出席し、寸劇、歌曲、ダンスなどを楽しみます。その様子は延々とテレビにより実況中継され、お茶の間に届けられます。

カーニバルの山車の日もテレビの実況放送が入ります。そこで目にするのは、全部で百数十のグループによる仮装行列です。山車を飾り立てて、そこに乗り込んだ人は、山車の上から盛大に、飴やグミ、チョコレートなどを撒き散らします。子供達は手に手に袋を持っていて、受けとめたり拾ったりします。子供だけでなく大人達まで一生懸命で、中には傘を逆さにさして集めている人もいますが、これは反則かな。

町のメインストリートには桟敷席が設けられて、そこに陣取ったラインラント・プファルツ州のベック首相夫妻、マインツ市長夫妻たちがバルコニーから手を振ったり、参加者からお花を受け取ったりします。カーニバルの掛け声は、「ヘラウ(Helau)」で、行進する人も見学する人もこの合言葉でエールを交わします。カーニバルの参加者は等しくみんな「戯れ者」です。

この世でないものを呼びこむという情感は、仮面と運河の町「ベニス」には溢れているのかもしれないのですが、ここドイツの地では、人間を裏返しにしたような開放感が全てです。

パレードの参加者の仮装を見てください。

画像右上:カーニバル道化王国のプリンスとプリンセス。その隣はラインラント・プファルツ州のベック首相夫妻
画像左上:見る阿呆。観客席に席取った人達も、目いっぱいお化粧をして、仮装して、一緒に「ヘラウ」の掛け声を掛けます。
画像右中:子供の兵隊さん。なんだか色彩がフランスっぽいのですが、お祭りなのですから。
画像左中:魔女の宴。ハルツの山の中から出て来ました。
画像右下:いにしえのゲルマン人。こんな人達が襲ってきたら、とっても怖いと思う。背広を脱いだら、数百年前にすぐタイムトリップ出来るドイツ人の遺伝子強し。
画像左下:直火焼きの豚ステーキ。ドイツの豚肉はとっても美味しいです。香辛料でマリネした豚肉を直火で焼きます。焼き上がった豚ステーキを丸いパンにはさんで、からしをたっぷりつけて頂きます! お祭りには、食べ物がなくちゃ始まりません。


<<もどる