■男女混浴ローマ風呂温泉 2003.11.3 update

えっ、そんな!と思われるでしょうが、ここドイツでは当たり前のことです。温泉は、日本だけの専売特許ではありません。ドイツ全土には国が認定した温泉(含む冷泉)が142ヶ所あります。火山噴火活動がいまだ活発な日本では硫黄温泉も多くありますが、ドイツでは火山活動が低下したあとに見られる炭酸泉、更にその炭酸も抜けた塩泉が主流となっています。

ドイツの温泉の歴史は古くローマ時代にまで遡り、ローマ人が駐屯地を築く時は、水利に恵まれて温泉も湧いている土地を好んで選んでいます。Baden Baden(バーデン・バーデン)、Wiesbaden(ヴィースバーデン)などは現在でも有名なドイツの温泉保養地ですが、ローマ人が温泉を利用していた形跡を歴史的にたどることができます。ちなみに地名にはいっている「Baden」とはお風呂を意味します。かつては王侯貴族が訪れ、現在もカジノやオペラ座のある優雅な温泉地のバーデン・バーデンを直訳すると「お風呂・お風呂」ということになります。

日本の温泉が一般的に行楽・遊興を主としているのに対して、ドイツの温泉は、療養と娯楽の両方を目的としています。ドイツの温泉地では、その薬効に応じた温泉病院があり、社会保険が適応可能なので長期療養客がのんびりと医療に専念しています。医療が主体なので、温泉地といってもけばけばしさはなく、町の中心には、散歩に最適の温泉公園、午後のひと時を過ごすカフェ、少し大きな保養地には、夜の社交用のカジノ、オペラ座などが整備されています。

一方で、80年代頃から新しい流行として、ドイツでも遊興、行楽、健康増進を主体とした娯楽センター的な温泉も出現してきました。大きな屋内・屋外プール、露天温泉、各種サウナ、ジャグジー、ウォータースライダー、フィットネスセンター、ビューティーセンター、レストラン等々取り揃えて、大人から子供まで家族全員のための健康と美の殿堂となっています。

ドイツの温泉では、日本と違って家族が一緒に水着で入ります。男女別に分れていないので家族や友達との一体感があります。ただし、温泉に付随しているサウナ・エリアでは、男女一緒というのは同じですが、水着着用は禁じられています。サウナのバスタオルは、体を隠すために身に巻きつけるものではなく、サウナのベンチが滴り落ちる汗で汚れるのを防ぐために、からだの下に敷いておくために使うものです。つまりドイツでは、サウナは男女混浴でというのが正しいのです。男女一緒で裸でなんて、そんなことあるのかと思いますが、あちらこちらで確かめて実地検証しており間違いありません。

恥ずかしさが先に立つかと思うのですが、巨大なドイツ人の間にまぎれていると、まるで自分が小さなお魚になったような気がして、裸もあまり気になりません。サウナに先客がいると、こんにちわと挨拶を交わして入って行きます。日本人の想像を絶するような立派なお腹を見掛けても、あまりじろじろ見たりするのはもちろん失礼にあたります。にっこりと健康的に微笑を交わします。

伝統的な温泉の中には、最初から水着を全く着用しないところもあります。現在お気に入りの温泉は、Bad Kreutznach(バート・クロイツナッハ)にあるBaederhaus(ベーダーハウス)です。最近改築されたばかりなので、設備が全て新しくてピカピカに清潔ですし、天井はガラス張りになっており、たっぷり陽の光がはいってきます。やや低温の温泉水をたたえた広々としたプールが建物の真中にあり、その回りの回廊にいろいろな種類のサウナやジャグジー、足湯、マッサージなどがあります。トルコ風のハマン(暖められた大理石の石の台に横たわり、体をじっくり温めます。トルコでは、垢すりをしてくれます。ここでも追加料金で頼むことが出来ます)、ミストサウナ(霧の立ち込めた高湿度のサウナで、低温でも汗がすぐに吹き出します)、ハーブサウナ(杉、ユーカリ、カモミールなどが人気です)、ジャグジー温泉(ジェットストリームが体を心地良くほぐします)など、友達、恋人、夫婦同志が手をとりあって、もちろん裸でめぐり歩き、体が火照ったら真中のブールにざぶんと飛び込み、生まれたままの姿で魚になります。上を見上げるとガラスの天井を通して空が目に入り、開放的で実に良い気分です。

プールの側には、カフェやレストランがあり、喉の渇きをすぐに癒せます。ほんとに極楽ローマ風呂です!ローマ人になりきって過ごします。その後、エステでマッサージや美顔でもしてもらったら、日頃のストレスがすっきりして、王侯貴族の気分そのままで家路につけることを保証いたします。

なお、とてもシャイなレディーのために、各温泉では週に1回のレディース・デイを設けていますので、ローマの極楽風呂を日本の女湯の感覚で試したい方はその日にどうぞ。

<お勧めの男女混浴ローマ風呂温泉>

*Schwarzwald(シュヴァルツヴァルト/黒い森)に隣接する
 Baden Baden(バーデン・バーデン)のFriedrichsbad(フリードリッヒ浴場)

*ドイツ西部のWiesbaden(ヴィースバーデン)にあるKaiser-Friedrich-Therme(カイザー・フリードリッヒ温泉)

*ワインの産地としても有名なBad Kreutznach(バート・クロイツナッハ)にあるBaederhaus(ベーダーハウス)

*ドイツのほぼ中央部Kassel(カッセル)やフランクフルト近郊のBad Homburg(バード・ホンブルク)には、
 日本風(私には中国風に見えます)の温泉設備があり、広い屋内・外温泉プールの他に、広大なサウナ・エリアがあります。

画像右上:フランクフルトから車で1時間半ほどのところにあるBad Ems(バート・エムス)の飲泉設備。「良薬口に苦し」のとおり、毎日温泉水を飲む療法はちと辛いでしょう。
画像左上:Bad Ems(バート・エムス)の屋外温泉プール。ここはもちろん水着着用です。
画像右下:Baden Baden(バーデン・バーデン)にあるFriedrichsbad(フリードリッヒ浴場)の威風堂々とした入口です。
画像左下:Wiesbaden(ヴィースバーデン)にあるKaiser-Friedrich-Therme(カイザー・フリードリッヒ温泉)のタイル張り入口です。ここは混浴となっており、当然ながら温泉内部は写真撮影禁止です。


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