| ■7万時間のボランティア活動 |
2003.2.3 update |
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ボランティアには色々な形がありますが、ボランティア精神が社会生活に深く根付いているドイツの方式には、びっくりすることがあります。まず、地方自治体の議員は、基本的に無給でボランティアです。小さなところの町長さんや市長さんは他に本職があり、他の議員も同様なので、市町村議会は夕方や週末に開かれます。
美術館なども、館長を始めとして全てボランティアが運営している場合があります。今日ご紹介するロゼマン夫人は、ハーナウ市の人形博物館を創設し、館長として約20年間、ボランティア活動を続けてきました。その間に日本の鳥取市との友好・交流活動にも力を尽くし、鳥取とハーナウ市を結ぶ鳥取県ふるさと親善大使にも任命されました。これらの功績によりロゼマン夫人に対して日本の勲章が授与されました。平成14年12月19日付のフランクフルター・ルントシャウ紙上で、日本の瑞宝章を帯びたローゼマン夫人がやさしく微笑んでいました。フランクフルト総領事公邸で行われた勲章授与式では、琴の調べが奏でられるなか、ハーナウの市議会議長をはじめとした関係者、友人や家族が夫人を取り囲んで、賑やかなお祝いの言葉が溢れてました。
ローゼマン夫人が、7万時間にも及ぶボランティア活動を続けてきたヘッセン人形博物館は、人形収集館としてはドイツ最大の規模を誇り、年間約3万人の人が訪れています。ローゼマン夫人は、4人の子供がそろそろ手を離れた頃に、教師の仕事を早期退職して、自ら集めたコレクションを中心とした人形博物館の設立を志しました。子供の頃に集めていた人形を第二次世界大戦でほとんど失うという体験が、そこにはありました。ローゼマン夫人の一番最初の日本コレクションは、夫が内科医として勤務していた大学研究所で同僚だった日本人研究者が持参したお土産の日本人形でした。同館では毎年、お雛様、こけし、凧、独楽などの日本の人形や玩具を紹介する特別展覧会が開催されています。そして、1989年にヘッセン人形博物館が世界おもちゃ博覧会にドイツ人形を出展したのをきっかけに鳥取とハーナウの交流が始まりました。
彼女はヘッセン州の人形博物館と鳥取の世界おもちゃ館・わらべ館との姉妹館交流を締結させたのみならず、鳥取とハーナウの友好姉妹都市提携や双方の小学校や幼稚園との姉妹校/園関係を結ぶ橋渡しもしています。平成15年には、ハーナウ市の人形劇団が鳥取県を訪問し、ドイツの人形劇を日本の子供達に披露することになっています。館長を引退した今も、日本各地を旅し、おもちゃ職人との親交を深めながら、人形博物館の発展とおもちゃや人形を通じての日独交流に尽くしています。
一人の女性の人形に対する思いが博物館という形で結実し、それが日本とドイツの子供達や子供の心を失わない人々を結ぶ絆を作り上げたローゼマン夫人の胸に輝く勲章はまさに相応しい物に思われました。
画像上:「琴の演奏」在フランクフルト総領事公邸で行われた勲章授与式では、琴の調べが奏でられた。
画像中:総領事夫妻とローゼマン夫人(写真中央)
画像下:パーティのお料理は和食です。
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