■ワインのにごり新酒〜フェ−ダーヴァイサー〜 2002.11.4 update

私の住んでいるマイン川ほとりのフランクフルトでは、10月の中旬ともなるとみごとな紅葉に彩られて秋真っ盛りとなります。ライン、モーゼル川周辺では、葡萄摘みの風景があちらこちらで見られ、2002年産のワインの仕込みが始まります。この時期限定、それも産地限定のワインのにごり新酒フェーダーヴァイサーの季節到来です。

フェーダーヴァイサーとは、葡萄ジュース(モスト)からワインへと変身を遂げる途上の発酵中のアルコール飲料で、ぶくぶくと泡だっているのが特徴です。その様子が真っ白い羽根がフワフワ浮いているように見える所から名付けられました。赤ワイン用のモストから作られるものは、葡萄の赤みを帯びているので、フェーダーローター‐赤い羽根の‐と名付けられいます。羽根の正体は、ぶどう糖を分解してアルコールと炭酸に変身させるワイン酵母です。

さて、お味の程はというと、発酵しきっていないので元のぶどう絞り汁の甘さが十分残って口当たりが良く、発砲中の泡ののどごしの良さもありついつい飲みすぎます。これから立派なワインになろうという由緒正しい葡萄から作られているのですから、味わい深いのは当然といえば当然です。

さて、今日のように気持ち良いお天気の日は、葡萄畑あたりに出かけると、きりっとしてきた大気が気持ちをしゃんとさせます。ドイツには13のワイン作付け地域がありますが、そのうちの1つでフランクフルトとハイデルベルクの間に位置するヘッシィシェ・ベルクシュトラーセ(Hessische Bergstrasse)には、車で1時間ほどで到着します。この地域はドイツの中では比較的温暖な地域なので、ローマ時代からのぶどう酒作りの伝統を受け継いでおり、力強く芳香に富んだワインを産出します。ベンスハイム村の中心街には、ワイン醸造所が経営するワイン酒場が軒を連ねています。

モーア・ワイン酒場は、村で一番大きなワイン農園が経営しており、酒場の一画が自家製ワインの試飲所・販売所も兼ねています。秋の黄昏時に訪ねてみるともう中は人でいっぱいで、年配のご夫婦2組の座っているベンチに同席させてもらいます。お決まりのフェーダーヴァイサーを頼もうとしたら、「ここのフェーダーローターもとっても美味しいから是非試してみて」と親切に教えてくれました。つまみはアルザス風フラムクーヘンです。薄い生地の台にサワークリーム、炒めた玉葱、ベーコンが載っているシンプルなものですが、かりっと香ばしい焼きたてを、このにごり新酒と頂くと組み合わせの絶妙さに幸せな気分に満たされます。手に空き瓶やポリタンクを持った村人がカウンターを訪れて出来たてのフェーダーローターを瓶に詰めてもらっていいます。家に持ちかえって我家で寛いで飲むのでしょうか。

その時期に、その土地で、そこの人々と、味わう美味しいものに旅の最中に出会えたら幸せですね。

画像右上:フェーダーヴァイサーとフェーダーローターの紅白揃い
画像左上:モーア酒場、灯りにともされた看板が目印
画像右下:アルザス風フラムクーヘン
画像左下:モーア酒場の店内。人生の渋みも感じられるお客さん達。試飲コーナーでお好みのワインを見つけよう!気に入ったワインが見つかったら、すぐその場で持って帰れます。


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