■シュタインフルトの薔薇祭 2002.8.5 update

フランクフルトを北に車で40分ほど行ったタウヌス山系の麓にあるシュタインフルトは、19世紀の頃からバラつくりの町として名が知られていましたが、それ以前はありふれた小さな寒村でした。1868年に、貧しい小作農家の長男だったハインリヒ・シュルトハイスが英国にわたって薔薇の栽培を習得し、村に帰って来てドイツで初めてのバラ農園を開設しました。バラ作りにふさわしい土壌と気候のお蔭で、そしてハインリヒが習得した技術を村民にも分かち与えた結果、シュタインフルトはドイツ有数のバラ園芸村となったのでした。ハインリヒはそののち村長になりました。

2年に1度の薔薇祭が7月12〜15日まで開催されており、今日はその中のハイライト、バラの山車のパレードがあります。ふだんは人口3000人ほどのこじんまりとした静かな町ですが、今日はあいにくの雨模様にもかかわらず、近在近郷からの見物客を迎えて2万5千人にふくれあがっています。町中が歩行者天国になって、町外れの広場には巨大観覧車のある移動遊園地も出現して、香ばしく焼けるソーセージの匂いに包まれ、町は祭りの気分で最高潮です。

3万本のバラに飾られた馬車にのっているのは、2002年のシュタインフルト薔薇祭の女王様、カタリーナです。今年18歳になるカタリーナは、シュタインフルトのバラ作り農家の孫娘で、今日の日の晴れがましさと誇りがはにかんだ様子からも伝わって来ます。フランスの姉妹都市のショーモンやドイツ各地からも「美の女王」「ワインプリンセス」「インターネット姫」が参加してオープンカーからあでやかに手を振ります。今年の1番人気は、真っ赤なバラで埋め尽くされた真っ赤なフェラリーのF1の山車で、これも真っ赤な衣装に身を包んだレース・クウィーンがパレードの最中ずっとディスコミュージックにあわせて身をくねらせており、やんやの喝采を浴びていました。

ふだんは物静かなドイツ人ですが、実はお祭り騒ぎに対する秘められた渇望には熱いものがあります。パレードは見るのも楽しいけれど参加する方がもっと面白いとばかりに、町の婦人会、民族衣装クラブ、ダンスクラブ、ブラスバンドなどの様々なグループが凝った衣装でパレードに参加して盛り上げます。7歳の子供でも70歳のおばあちゃまでも、今日は主役です。かごに入っているバラの花やキャンディーを沿道で待ちうける見物客にばらまくと、わーと広がる歓声と共に一斉に伸びる手が受け止めて行きます。

バラ祭りの飲物は、ちょっと気取ってバラのシャンペンはいかがですか?シャンペンをボールに注ぎ入れて、バラの香油をたらし、ほのかなもも色のバラの花びらを浮かべます。おつまみのカナッペも、いつもはただハムやチーズを切ったパンに並べただけですが、今日は花びらのように薄く切って飾ってのせ、クリームを花形に絞り出します。バラの香りが漂うシュタインフルトは、祭のあとも美しいバラで旅人を魅了する町です。

画像上:シュタインフルト薔薇祭の女王
画像中:F1フェラーリ・チームの山車(だし)
画像下:バラ入りのシャンペンを楽しむ

<筆者近況報告>
日本では毎日暑い日が続いているとのことですが、こちらドイツでは、夜間は涼しいくらいで、長袖ものを外せません。7/27から1週間ほど、太陽を求めてトルコの海岸に行って参ります。その後は日本からのお客様が沢山見えるので、8月いっぱいはフランクにいる予定です。


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