■ドイツ・ハンブルクの賃貸契約書 2008.1.15 update

あけましておめでとうございます。月日が経つのは本当に早いもので、今年はもう2008年。夫がドイツに転勤になったのが2003年初めだったので、ドイツに来てから5年もの歳月が流れてしまったようです。うわービックリ。

というわけで、今月は、夫がひとりドイツで住居探しをしていたころ、私がまだ日本にいた5年前に、夫からメールで送られてきた『ドイツ(ハンブルク)の賃貸住宅契約書』を読んで、その内容の細かさにビックリ驚き、これからちゃんとドイツで生活していけるのかどうかちょっぴり不安に襲われつつも、ちょっぴり笑ってしまったりした記憶を振り返りたいと思います。以下、特徴的と思われる箇所を抜粋してみます。

□賃貸物件の使用
(1)賃借物件、及び共同使用の場所、設備、庭などを丁寧に取り扱い、秩序正しく清掃するものとする。それには、定期的な窓枠を含む窓ガラス磨きも含まれる。賃貸物件の換気と暖房は十分にするものとする。秩序正しい換気とは、定期的に朝晩充分に換気することをいう-以下略-

【感想】秩序正しい換気の定義まで決まっているんだ!と驚いてしまいましたね。確かに決まっていないと後で問題になりますもんね。ちょっと話はずれますが、ドイツに住んでみて、ドイツ人は換気が大好きなんだなぁと思いました。フレッシュなエアー大好きなのです。
たとえば、語学学校での休み時間には先生が「ちょっと空気を入れ替えましょう!」と言って真冬でも窓全開にして空気を入れ替えます。陶芸教室でも「外の空気が気持ち良いわ」と言って、真冬でも私以外の全員一致を得て常に窓を開けています。混んでいるバスの中で、停留所に停まるたびに“ドアを開ける”ボタンを押しているにもかかわらず降りない男性がいて、「混んでいるから空気が悪くて。外の空気は気持ちいいでしょ?」と言われました。まあ、確かにそうなんですが。私も日本人の中では、寒くても外の空気が入ってきている方が気持ちいいと思う方ですが、ドイツ人はそれ以上です。

□賃貸物件の維持
(2)賃借人は、賃貸期間中、住居内の必要な美観修復を行わなければならない。美観修復には次の項目が含まれる。
・壁紙の張り替え
・壁や天井の塗装
・床の手入れや清掃
・室内ドアや窓枠
・住居の扉内側の塗装、及び住居内の暖房器や配管装置の塗装
これら作業は職人並みの技術で行うものとする。
通常、賃貸物件の美観修復は次の間隔で必要となる。
・キッチン、浴室とシャワーは3年毎
・居間、寝室、廊下、玄関の間、トイレは5年毎
・それ以外の部屋は7年毎-以下略-

【感想】『職人並みの技術』・・・てことは、自分でやってもいいってことなんだろうけれど・・・。そういえば友達は引っ越す時に自分で壁を塗り替えたって言っていたなあ。テレビでも日本のDIY番組よりもかなり本格的なものが放送されている気がします。

□庭の手入れ
賃借人に庭が任されている場合、賃借人はこれを常に手入れしなければならない。庭園であれば、それなりに維持するものとする。通常、庭の手入れには、4月から10月の間、1ヶ月に2回の芝刈り、1年に1回の生垣、果樹、観賞用潅木の剪定、そして花壇や通り道の雑草抜きが含まれる。
賃借人が、催促にも拘わらず遅滞なくその義務を履行しない場合は、賃貸人が賃借人の費用でその作業をさせることができる。賃借人は、必要な庭道具や資材を自己負担で用意しなければならない。

【感想】庭がないアパートで良かった。1ヶ月に2回の芝刈りはかなり大変。

□動物保有の禁止
観賞用の魚、セキセイインコ、ハムスター等を除く動物を保有してはならない。一時的保有も同様である。契約当事者が別の取り決めをする場合は書面にて合意するものとする。
賃貸物件を汚したり近所に迷惑が生じるので、カモメ、ハトなどに餌をやってはならない。

【感想】カモメも来るんだ!と笑っていたのですが、確かにアルスター湖やエルベ川沿いのアパートならカモメ、来るかもしれません(笑)。また、ペットの飼える賃貸物件も探せばもちろんあります。

□一般的住い手入れのアドバイス
健康な室内環境維持のため、室内の塗装にはLatexペンキではなく、壁の呼吸を妨げない多孔性のペンキを使用することが望まれる。

【感想】ペンキの種類まで記載されているのね・・・。

□住居秩序規則
賃借人は住居秩序規則を賃貸借契約の構成要素として遵守しなければならない。
(1)すべての賃借人の利益のために、13時〜15時、22時〜7時の間、及び日曜祭日については9時まで、一切の騒音を出してはならない。とりわけ、この時間帯に楽器の演奏をしてはならない。テレビ、ラジオ、テープレコーダー、及びレコードプレーヤーなどの使用に際しては、部屋の外に漏れない音量にしなければならない。窓が開いている時はしかるべき配慮をしなければならない。これらの機器を屋外(バルコニー、庭など)で使用する場合は、他の居住者や隣人の迷惑になってはならない。
(2)他の居住者の迷惑になる22時から6時までの間の入浴やシャワーは、可能な限り慎まなければならない。
(3)洗濯機や乾燥機などの家庭電化機器の使用や近所の迷惑になることが危惧される騒音が避けられない場合は、労働日の7時〜12時、15時〜20時の間に制限しなければならない。
(4)親は子供が踊り場で遊んだり騒音を出さないよう注意しなければならない。
(5)他の居住者の利益のために、バルコニーや建物に隣接した場所でバーベキューをしてはならない。
(6)植え木箱はきちんと固定するように取り付けなければならない。バルコニーの花に水をやるときは建物の壁を伝わらないよう、そして他の居住者の窓やバルコニーに滴らないように注意しなければならない。

【感想】えーっ! ということは、日祭日は洗濯機とか掃除機とか使っちゃいけないということ? お風呂も、可能な限り22時までに入らなくちゃいけないってことですよね? うわあ、大変。バルコニーでバーベキューというのは考えもしなかったですが、確かに天気の良い日はやりたくなるかも・・・。
というわけで、これを読んだときはビックリしたのですが、どれも絶対にいけない、というわけではないようです(たぶん)。近所や隣人の方が迷惑に思うようなことはやめましょう、ということだと私は解釈したのですが、それで大丈夫か知らん?
誕生日パーティーなどを開くため、夜遅くまで少しうるさくなることがあらかじめわかっている場合には、アパートの入口に「○月○日、○時から○時まで少し騒がしくなりますが、どうぞよろしくお願いします」というようなことを書いた張り紙をして、近所の方へご理解を求めるのが一般的なようです。まあ、毎週末そういう張り紙をしていたら苦情が来ること間違い無しですが・・・。アハハ。

□清掃
(1)建物と敷地はきれいにしておかなければならない。汚した者は責任を持って直ちに清掃しなければならない。
(2)賃貸人が清掃を行わない場合は、一階の居住者が一階のフロア、入り口の扉、住居の階段、地下の階段及び地下の入り口を清掃しなければならない。他の階の居住者は、自己の住居の前及び下に下りる階段の清掃をしなければならない。最上階の居住者は、他にも屋根裏の階段、踊り場の清掃をしなければならない。同じ階に住む複数の居住者は当番制で清掃をしなければならない。清掃には階段の手すり、窓ガラス磨き及び扉外部が含まれる。清掃は週に一回行うものとする。
(3)ごみや汚物はその目的で準備されたゴミ容器に捨てなければならない。粗大塵は小さく砕かなければならない。又、熱い灰をゴミ容器に捨ててはならない。ごみや汚物が建物、通行路又塵容器の配置場所の付近に捨てられないように注意しなければならない。
(4)共同洗濯場や物干し場は、賃貸者が取り決める区分に基づき使用が認められる。洗濯終了後は洗濯場と関連設備は念入りに清掃しなければならない。洗濯物は道路から見えない場所で乾燥させなければならない。住居内で乾燥することは出来る限り避けなければならない。
(5)トイレや排水口に家庭や台所の塵、紙オムツ、猫のトイレ用砂などを捨ててはならない。
(6)寒冷時でも十分に住居の換気をしなければならない。その際、住居が冷え切らないように注意しなければならない。階段の踊り場に向けて換気をしてはならない。
(7)バルコニー、屋上の庭、そして屋根付きテラスなどは除雪しなければならない。

【感想】うわあ『窓ガラス磨き及び扉外部を含む清掃は週に一回行うものとする』・・・って無理・・・。年に3回くらいしか掃除してないんですが、大丈夫でしょうか? 『熱い灰をゴミ容器に捨ててはならない』は、そりゃ火事になるからね・・・と思うんですが、『洗濯物は道路から見えない場所で乾燥させなければならない。住居内で乾燥することは出来る限り避けなければならない』と言われても、雨がちなハンブルクで住居内以外のいったいどこに干せと言うんですか? 地下室に干すのかな・・・?

□集中暖房
賃貸人は、集中暖房装置に接続された住居について、ヒーティングパネルのある部屋の中央床から1メートルのところで6時から23時の間に測定した温度が20℃を維持するようにしなければならない。

【感想】おかげさまで暖かい冬を過ごさせていただいております。

・・・と、こんな感じでかなりザッと賃貸住宅契約書の内容を振り返ってみたのですが、振り返ってみるとそんなに面白く無いですね。アハハ。

わざわざ文章にしたり、直接文句を言いに行くようなことはあまりしないけれど、隣人の気持ちを慮りながら暮らす日本人。細かいことまで文章に記載して、相手の気持ちを察するということはあまりしないけれど、気軽に直接文句を言って改善された後はさっぱり普通の関係に戻るドイツ人。どちらも目指すところは一緒なはずなのだけど、今のところドイツの住宅環境の方がかなり優勢です。ものすごく静かで過ごしやすいです・・・。でも、隣のうちからは足音一つ、物音一つ聞こえません。前の住人の足音は聞こえたんだけどな・・・。もしかして幽霊だったりして、と思うほど静かでちょっと怖かったりもします。

画像上右:本文とは関係無いのですが、ハンブルクのブランド街NeuerWall。
画像上左:ただいま換気中です。
画像下右:ドアをうるさく閉めているつもりは全くなかったのですが、隣人から先日「ドアを開け閉めする音がうるさいので、もう少し静かに閉めて!」と注意されました・・・。すみません。以後気をつけます。
画像下左:このハイツング(セントラルヒーティングの暖房)のおかげで、今年の冬も部屋の中は暖かです。


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